杏の実が５㎝なって来た！！ ②

「お屋敷に住む人なのかしら」



母は時々、他人に対して大げさにモノを言う。
ちょっとおべっかを使う。

そこも全然ちがうなぁ。

私はストレート。今でもネ。

うちの実家が“普通”ならば
隣の家は地所が広く（庭が広い）外車があり、お屋敷に住む程仰々しくなく、お金持ちなんて軽くて安っぽい。

私にとって当時おじさんは茶色の着物を着てて、庭にいて、小学校から帰って来るといつも笑顔で

「お帰りなさい」と言ってくれた人。

毎日ね。

恰幅が良く、紳士。明るいおじさん。
ズッゴク優しかったなぁー。

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ある時、ふと庭に、おじさんと私がいた。
バカ正直な私は「どうして食べ物の木がないの？」と言った。

無言のおじさん。

＜それから１が月後のある日＞

おじさん「ちょっとコレ見てくれる？」

杏の実が５㎝なって来た！！

アンズの木の実が５センチなって来た！！

嬉しい☆

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・・・あんずの木。
パッと思い出した。

小さな頃に母と散歩している時、庭に梅の木があるお宅があり、「アレ、食べたいなー」となにげなく言ったら
母が「あれはダメ、絶対に食べようと思わないで。あれは『梅の木』と言うの。
私が小さな頃に同じ年の女の子が誤って、まだ『青い梅の木』を食べて亡くなったのね。
だから、絶対に食べようと思わないで」と。

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あんずの木の実が５センチになった。

梅と似てると思った。

・・・と言うかそっくりだ。

緑のあんず。

三日月マークでほんのり赤が混じっている。

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今は、『梅の木』って見なくなりましたね。

私は梅が大好きで、梅干し、梅ゼリー、梅のアメ、梅のガム、梅ジャム、梅酒etc.