因みにこのテーマはジミ・ヘンが「Hey Joe」で歌っており、恋人もしくは妻の浮気に逆上して殺害してしまうという話は、古今東西の文学や劇などでありふれたテーマです。
判例の囚人はジョーのようなワイルドな若者とし、彼は収監されていたので「勝利の女神ドゥルーガ」を知らずに、彼女に対して裁判で無礼な態度を取ってしまいます。
それは彼が女性蔑視の考えを持っていたからで、これには聴衆から大いにブーイングが殺到します。
ここで「人民裁判の様相」を振り返りますと、裁判長のシャローム教授と80代後半の愛新覚羅傑は、中国語があまり理解できなかったり耳が遠くて聞こえなかったりなので、実際に判決を下すのは20代後半のルーガでした。
しかし、多くの中国人男性には若い女性を見下す風潮があり、「人民裁判」でもルーガの権威に反抗する無法者は何人か居ました。
そんな男達に対しては、例外的にシャローム教授を通さずルーガが直接判決を下して、この「長征」のリーダーが誰かをハッキリと伝えます。
ジョーのような若者はなかなかハンサムだったので、結婚相手にしたいと望む「闇っ子女子」は数十人に登り、ルーガはその中から3人を選ぶよう命じます。
これは「長征」では男女比が圧倒的に女性に傾いているので致し方ない処置で、若者なんだから3人くらいは相手に出来るだろうという判断でした。
これに対して若者は最初は有頂天になりますが、3人の女性から四六時中引っ張りだこにされてる内に、物凄い刑罰を受けている気分になります。
これは「愛人刑」と称されるようになり、若者はチヤホヤされて満足な生活を送れるので他人からは羨ましく映りますが、3人もの女性の愛に応えるのは物凄く大変で、その試練はワイルドだった彼をして従順な子犬のように変えました。