今日はまず、毎週日曜の朝にBS1でやっている「グローバルアジェンダ(国際計画)」で「食糧危機」をテーマにしていたので、それに言及します。
今回の「食糧危機」はウクライナ危機と気候変動、アフリカ危機と中国問題などが複雑に絡まって、人類は未だかつてない危機を迎えつつあるという論調でした。
「中国問題」というのはここでは、中国が世界一の穀物輸入国であるという問題で、それは中国人が牛や豚を食べるコトから生じた問題です。 人口では中国を上回るインドでこうした問題が生じないのは、インドでは牛や豚を食べるような傲慢な人間は社会的制裁を受けるからです。
ヒンドゥ教徒は「聖なる牛」だけでなく「穢れた豚」も食べず、これは永年イスラム教徒と共生して来たからです。 豚が穢れているとされる理由は人間とウイルスを共有するからで、交雑によって変異したウイルスが食べられるコトによって感染し、人類に大きな被害をもたらして来た教訓によります。 毎回中国が変異ウイルスの発生源と成るのは、その極端な豚食への偏愛によると言えます。
中国は穀物の生産量でも世界一なのですが、それは石油化学による窒素肥料と、鉱物資源から作られるカリ肥料、リン肥料に依存しており、これらを中国が買い占めるコトによる世界的な化学肥料の高騰も「世界飢饉」の大きな要因と成っております。 そんな買い占めが出来るのは中国農業が未だに国営の集団農業だからで、そんな採算を無視した農業が上手く行くハズはありません。
中国では60年代に役人の腐敗によって大規模な飢饉が起こり、外国人の目が届く都市圏にその被害を及ぼさない為に農村が犠牲にされ、その餓死者数は4000万に達したとされています。 これはソ連がウクライナで30年代に引き起こした「ホロドモール」の再現であり、その集団農業の失敗は90年代の北朝鮮「苦難の行軍」へと引き継がれました。 独裁政権下では反省はまず成されないので、同じ過ちが繰り返される恐れがあります。
話を現代の飢饉に戻しますと、技術革新がその解決への道だという提言に4人のコメンテーターが同意していました。 化学肥料は持続可能な技術ではなく、それを一気に変えるコトは出来ませんが、植物と土壌ミネラルの橋渡しを行う微生物を操るコトにより、少ない化学肥料で高い生産性を得られる技術は実用化されています(EM技術)。 後はこの技術をどれだけ国がサポートして広められるかが鍵を握り、これに限ってはロシアや中国の集団農業が一歩先を行っております。
EM研究機構は海外では中国とロシアの支社が特に発展しており(国営企業に成ってる)、今回の戦争でもロシアや中国から撤退すると云った動きは見られません。 現地に赴任している日本人は複雑な心境かと思いますが、食糧生産という「聖なる仕事」の為なので割り切る必要性はあるでしょう。