前回、「勝利の女神ドゥルーガ暗殺計画」の実行犯はあっさりと説得に応じて自白したとしましたが、そこで指揮系統の上流として挙げられた将軍は、なかなか口を割ろうとしませんでした。
彼はルーガの生死を間近で見定めて作戦の指揮を取り、それはスマホで実行犯にショートメッセージを送る方法で行われ、その様子は多くのスマホカメラで撮影されていたので、作戦が失敗に終わったからには早く現場から消え去る必要がありました。
将軍は近くに待機させていた車に人並みを掻き分けて急行しますが、すでに周りの人々は彼が暗殺を指揮したと勘づいており、車に控えていた彼の護衛数人はすでにホールドアップさせられていました。
こうして将軍は革命軍によって捕らえられ、訊問を受けるコトとなります。
民間人を装っていた実行犯達に対しては、学生達が優しく理智的に自白を促しましたが、将軍に対しては拷問のプロである東北軍の兵士が当たり、厳しく自白を引き出すとします。
ここで「拷問と自白について」のコラムを参考にしますと、ここでは3つの問題点が挙げられています。
1つは拷問によって引き出した自白は法律的に無効とされる点。
2つ目は拷問を行う警察官や軍人が公務員である点で、これは社会的な問題とされます。
3つには拷問が倫理的な退廃をもたらす点で、物語ではこれらの点を上手くクリアーしなければなりません。
東北軍満洲派の兵士達は大将の愛新覚羅仁を殺されて怒っており、党の将軍は罪を認めたならば復讐されるのは必至と考えて初めはシラを切ります。
なのでやはり拷問は必要で、その道のプロは将軍に3つの道具を選ばせます。
それは安全ピン、ペンチ、バケツで、将軍は自分でも拷問を好んで行って来たので、その恐ろしさを熟知していて選べませんでした。
そのタメ全部を試してみるコトにされ、安全ピンを爪の下に刺し込まれ、バケツの水の中に頭を突っ込まされて、ペンチで金タマをギリギリと締め付けられます。
こうした拷問に堪えられる人間はおらず、将軍は何でも自白するからどうか止めてくれと泣いて懇願します。
その泣きながら自白する映像は撮影されて、それを実行犯に見せるコトで彼等も簡単に自白へ導けました。
将軍にはもう一度、ちゃんと威儀を正して自白する機会も与えられ、そこでは徳流河を意識不明の重体にし、愛新覚羅仁を殺害したコトに対し深く懺悔する言葉が述べられ、自分は良心を取り戻せたから真実を語るのであって、決して拷問によって強要されて喋っているのではない。 ーー と語った映像はYouTubeで拡散され、これは非常にバズって彼は一躍「時の人」になり、台湾からアメリカへ亡命して貴重な党の内部情報を提供するキーパーソンとなります。