真の動物福祉牧場を目指して

動物福祉牧場への道

 このテーマはわたしのブログ-タイトルに直結するので、いつもより気合を入れて書かせて貰います。

 まずは「動物福祉」についての予備知識としてこのページを読んで頂きたいのですが、これまでわたしのブログを読んで来られた方には至極当然と思えるコトが書かれています。

 今回は「Sun」の物語からは離れ、少し専門的な言語も使わせて貰い、前々回に紹介した「工業型畜産の10の問題点」への解決編とします。

 1.地球温暖化:燃料費の高騰が農業全般に負担をかけているので、なるべく石油を使わない牧場経営が望まれます。
 それには放牧が1番ですが、土地が無い場合は廃棄食糧をエサにするのが現実的で、これには人手が多く要りますがシルバーワークでも可能だと思います。

 2.水質汚染:抗生物質とホルモン剤は主に家畜を太らす目的で使われており、それが畑の作物まで汚染しています。
 そうした食物を摂ると人もブクブクと太り、わたしはそんなアメリカの低所得層の多くが頭痛に苦しんでいるのを観て来たので、これは「動物福祉」に反すると思います。

 3.森林伐採:既に焼畑にしてしまった土地は利用するしかありませんが、搾取的な化学農法では持続可能でなく荒廃してしまいます。 
 そうした農地を甦らせる方法については1年程前に「甦れ!食と健康と日本農業」で詳しく述べたので、そちらを参考にして頂けると幸いです。

 4.陸地の1/4を占有:パーマカルチャー(永続農法)を可能にするテラプラタ-ノバ(宝土改革)を普及されたならば、今の農地面積で100億の人類は楽に養えるとDr.テルヒガは豪語しています。 
 これは300本程のEM論文でほぼ立証されているので、常識的には否定できないと思います。

 5.穀物の大量使用:草食動物の牛に穀物を与えると、糖質過多で寿命を縮めるコトになります。
 牛は長生きさせて子牛を多く産ませた方が経営的に良いので、平均10産を目指す研鑽が求められます。

 6.大気汚染:搾取型畜産では動物だけでなく労働者も搾取され、アメリカなどでは死ぬほど臭い所で働かされて寿命を縮めてしまいます。
 この問題はEM(有効微生物群)散布で容易に解決できるので、現場への普及が急がれます。

 7.土壌劣化:化学農法は既にリン鉱石の枯渇によって経済的に持続可能ではなくなっています。
 国からの補助金でなんとか生き長らえていますが、早くブータン王国の様に法律で禁止して、有機物のリサイクル技術を磨くべきだと思います。

 8.水の過剰使用:「動物福祉」を語る上で、飲み水のクォリティーはとても大事だと思います。
 水が化学物質などで汚染された土地では、植物も動物もみんな病気になってしまうので、水を浄化する微生物技術はこれからますます重要になるでしょう。

 9.人獣共通感染症:ここではポジティブな道も拓けており、「免疫ミルク」という健康食品が欧米で人気を博しています。
 これは「抗体カクテル療法」として良く研究されており、獣の乳に人の感染症に対する抗体を多く持たせられて、飲む人の免疫力を高められます。

 10.生物多様性の喪失:「動物福祉」の究極的な目標は、家畜と野生動物の区別を出来るだけ無くすコトかと思います。
 家畜にも野生の力を取り戻させるコトで、人と家畜の「ワンヘルス」は向上し、チベットやモンゴルの遊牧民はそれを大昔から実践しています。

 今回は解説が長くなったので、物語への引き継ぎは次回にさせて貰います。

 

 
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