この立派な仏舎利塔は「中南海」の北隣の北海公園に在り、そこは観光地に成っています。
元々は元(げん、1271〜1368年)の時代に建てられたチベット寺院で、ここを中心にして北京の街は築かれたそうです。
残念ながら現在ではチベット寺院として機能しておらず、お金を取る観光資源として仏舎利塔が利用されているのは如何なモノかと思いますが、本物のブッタの舎利(骨)が奉られているそうです。仏舎利塔 - 中国
こうした700年もの間ずっと人々に功徳をもたらして来た仏舎利塔として、以前にカトマンドゥのブッダナートを物語で描きました。
それは秀祥(しゅうしゃん)が16歳の時に踊り子シルヴィアや使徒ジャック-ブラウンと出会った場所で、この仏舎利塔の功徳のお陰で3人は「難民として生きなくてよい」境遇になりました。
ブッダナートの仏舎利塔にはわたしも最近の旅で10泊以上し、一度は塔の上の段にタルチョ(五色旗)が山積みになっていたので、その中で寝られました。
ここほど平和に野宿できる場所は他に無く、朝早くから夜遅くまで、祈りながら時計回りに歩くコルラの列が途切れるコトはありませんでした。
残念ながら北京の仏舎利塔はお金を取るので入りませんでしたが、鎌倉時代からずっと北京の中心にそびえている功徳はかなりのモノに思えるので、物語でフィーチャーするコトにしました。
ここで「中国史上最大の合葬」が行われるので、北京から近い五台山の山頂に在るチベット寺院から大勢の僧侶を連れて来て、本格的な49日間の「バルドゥ(中有)祭」を盛大に開くコトにします。
これによって北京の仏舎利塔は寺院としての機能を取り戻し、それ以降は誰でも無料で参拝できるようになって、ブッダナートの様に早朝から深夜までコルラの列が途切れなくなります。
そうして歩きながら祈る人々の願いは基本的に1つで、彼等は「世界が幸せで包まれますように」と云った意味のマントラを唱えながら歩きます。
それはより正確に書けば「妙なる法よ蓮華と経てゆけ」という祈りで、「妙なる法」とは120通りに解釈される「生命の法」のコトです。
ここでの「法」は主に自然の法則を差しますが、人間社会にも「妙なる法」は広がって居るとされ、それが蓮華の様にまっすぐ咲き誇って行く経(つながり)となり、自分もその経と南無(一体化)できる様にと祈られます。
こうした途切れない祈りの列がもたらす功徳は、北京の中心から広く中国全土へと伝わって行き、コルラが行われている仏舎利塔の上で開かれた「党と人民の公開討論会」にも、大きな功徳をもたらすとします。