世界が発展していく上で、富の偏在が問題になっているコトについては、前に国連のページで紹介しました。
ここでは上位10%が富の8割を握っているとされ、1%では4割が正確なところの様です。
「歌の世界」でもこうした「富の偏在」はあり、1%の頂点に立つディランは「ボブ・ディランの夢」という歌で、その成功は「100万分の1の可能性」だったと唄っております。
また、「Satisfied Mind (満たされた精神)」というフォークソングのカバーでは、「1%の超リッチの中からも満たされた精神を見出だすコトは実に難しい」と唄っており、彼が歌うと説得力があります。
日本のロックシーンでこうした1%の成功を掴んだアーティストとしては、イエローモンキーズが挙げられます。
そんな彼等も駆け出しの頃は非常に貧しく、そうした暮らしを「Honaloochie Boogie (あぶれ者ブギ)」で唄っております。
この原曲はロックの元祖とされるチャック・ベリーで、日本に本格的なロックをもたらしてイエモンは成功しました。
続いて「ロックの生ける伝説」レイ・デイビスから、誰もが平等に死ぬコトを唄った「Morphine Song」を挙げます。
ここでは病院で死を迎えるジャンキーを謳っており、「誰もが彼の様になり得る」とも唄っています。
実際に多くの人は死ぬ時にモルヒネを打つので、「Happiness is a warm gun (ビートルズ)」の境地で旅立てます。
次に「男女の平等」についてで、日本からはアンジェラ・アキを一推しします。
彼女のデビューアルバムのオープニング曲「Love is over now」が特に素晴らしく、これほど恋の終わりをフェアに謳った歌は他に無いかと思えます。
アメリカからは、実に渋いジョニー・キャッシュとその妻のアルバム「Duets」から、「Brand New Dance」を挙げます。
ここでは永年連れ添った夫婦の倦怠が唄われ、それを乗り越える「男女の平等」が美しく謳い上げられています。
続いて日本のフォークソングから、五輪真弓がカバーした「愛燦燦」を挙げます。
この「愛の平等」を謳った歌は美空ひばりで有名ですが、彼女はただの歌手なので、日本の女性シンガーソングライターの元祖である真弓とは格が違います。
真弓は「アジアの歌姫」ともなっており、ミャンマーやマレーシアなどで「愛燦燦」を彼女の歌声でよく聴きました。
ラストナンバーは、アメリカの女性シンガーソングライターの元祖キャロル・キングから「Time Gone By」を挙げます。
これは三枚のアルバムからキャロル自身が選んだコンピレーション-アルバムのタイトルソングで、「全ては神の創造物」と謳っております。
こんなスケールの大きな歌を、しっかり「地に足を着けて」謳えるのはキャロルならではで、彼女こそ「大平等観」に到達したアーティストと言えます。