パールの祖父ソルジェニーツィンは宗教界と文学界の最高栄誉賞を両方受賞した唯一の作家で、彼女はその薫陶を受けて育ちました。
祖父はソ連の独裁政権によって闇に葬られた数百万もの人々の魂のタメに書き、そこでは真の愛国心を甦らせると共に、人間と神との絆を高らかに謳い上げました。
パールもそうした独裁政権と闘う人々を「十六戦旗物語」で描き、国際的な文壇から「剣の女王」と讃えられ、近未来のロシア革命のリーダーと目されています。
そんなパールには熱烈な求婚者が幾人か居り、同じく独裁政権と闘ったノーベル賞作家の祖父(パステルナーク)を持つ医師のレオニードが最有力候補と目され、世界野生動物保護基金(WWF)総裁のエジンバラ公(イギリス貴族)も熱烈さでは負けませんでしたが、パールが選んだのはモンゴル遊牧民のテムジンでした。
それはテムジンがモンゴル草原で行き倒れていたパールを救ったのが要因ですが、女性は自分が持っていないモノを男性に求める傾向があり、レオニードとエジンバラ公は知性と財力を持ち合わせていましたが、それはパールも十分に持っていたので、テムジンの野性的な逞しさや動物的な純粋さにより惹かれました。
テムジンは貧しい遊牧民ながら動物達を操る技では誰にも負けない自身があり、厳しい闘いを続ける「美の女神」を守り通す覚悟も誰よりも強いコトを示します。
それは「信仰の域に達した愛」で、そこまで熱烈に愛されたらどんな女性でも応えざるを得なくなります。
次に、台湾布農族の族長で「光復党」の党首でビリオネアでもある「富の女神ラクシュミー(楽須弥)」の「愛と信仰」を描きます。
彼女はSFF(スペシャル-フロンティア-フォース)の若手ホープ・ビジェイと結婚しましたが、これもやはり自分に無いモノを夫に求めたからでした。
ビジェイは経済的な苦境に陥っているカシミール(インドからの独立闘争で)出身で、SFFに入隊したのは純粋にお金のタメでしたが、自分の能力を試したいという気持ちも強くありました。
彼はアレクサンダーの末裔で非常に体格が良くハンサムで、知性でも誰にも負けない自信がありました。
そんなビジェイは東チベットのウラン鉱山での蜂起で大活躍し、「戦いの女神カーリー」と共に2人だけ生き残って「万能神クリシュナ」のコードネームを獲得しました。
ラクシュミーはそんな真の勇者を求めており、ビジェイは「光復党」に迎え入れられて「台湾議会での格闘」を制覇しました。
この2人の愛も互いに持たないモノを補い合ってうまく行きますが、「勝利の女神ドゥルーガ(徳流河)」と胡耀郷の愛はなかなか描くのが大変です。
この2人の馴れ初めは無料で読める漫画「闇っ子」から引き継ぐとしましたが、今や世界一のロックスターとして「長征」を率いているルーガが、1人の男性とだけ特別な関係を持つのは難しい気がします。
しかしルーガのお腹には既に耀郷(ヤオシャン)との子供が宿つているので、2人の愛は「スローな革命」となった長征に於いて特別な意味を持ちます。
今回は長くなったので、それについてはまた次回に語らせて貰います。