聖戦士ミトの肖像は、以前にチベット蜂起軍へのレクイエムとした、ジミ・ヘンドリックスの「愛の如く赤裸々(Bold as Love)」で謳われる「かつて幸せだったターコイズ色の軍隊」をモデルにしています。
この「勇気と希望の石」で着飾った古風な軍服姿の巨漢ミトが、太鼓を打ちながら大声で唱題して歩けば、ネパールの「山賊の巣窟」や、治安が悪かった頃のニューヨーク-セントラルパークも忽ち平和になりました。
この「平和行進」のスタイルは、秀祥(しゅうしゃん)が師匠の行善から教わった日本山のモノとし、彼女の護衛として生涯を全うした聖戦士ミトの祈りは「常唱題」の境地に達しました。
これは心の中で常に「オㇺマニペメフム(南無妙法蓮華経)」を唱え続ける境地で、ミトの「妙なる法よ蓮華と経てゆけ」の祈りの声は、言葉を超えてあらゆる人々の心に「南無」しました。
それは天の川の、地球よりも進化した惑星「萌」の人々の心にも「南無」し、そうしたユニバーサル-プレイヤー(宇宙共通の祈り)が時空を超える「真空の川」を生み出して、「萌」と地球とを経(つな)げました。
これは些かお伽噺のように聞こえるかも知れませんが、「真剣な祈り」以外に宇宙文明と結ばれる道は他に無い気もいたします。
電波ですら到底届かない宇宙文明と結ばれる道はきっと有ると信じ、それは物質的には不可能なので精神的なモノにならざる得ません。
それを物語として描く上で、「聖戦士ミトの祈り」は特別に重要な意味を持ち、彼の平和行進は「銀河鉄道の旅」でも続いて行きます。