ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

京アニ犯人の責任能力

2023-09-07 12:33:02 | 日記
月日が経つのは早いものだ。前途ある若者36名の生命を奪ったあの残忍な放火殺人事件、いわゆる「京アニ事件」が起きてから、もう4年以上が経った。


きのうはその犯人、青葉真司被告(45)の責任能力をめぐる裁判員裁判があり、メディアの話題はそのことで持切りだった。


被告の責任能力の有無をめぐる検察/弁護側の判断は、真っ二つに別れている。
被告は放火や殺人などの罪状について、これを認め、「間違いありません。当時はこうするしかないと思っていた。こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っておらず、やりすぎだった」と述べている。


問題は責任能力の有無についての判断であるが、これについてメディアは次のように伝えている。


被告の弁護士は、『被告は精神障害により、よいことと悪いことを区別して犯行をとどまる責任能力がなかった』などとして、無罪を主張しました。
一方、検察は冒頭陳述で被告には完全責任能力があったとしたうえで、『被告は、京アニのアニメに感銘を受けて小説家を志し、みずからの小説を京アニに応募したが落選し、アイデアを盗まれたという妄想を募らせていった。事件の1か月前に、投げやり感や怒りを強め、埼玉県の大宮駅前に行き、無差別殺人を起こそうとしたが断念した。その後、人生がうまくいかないのは京アニのせいだと考えて筋違いの恨みによる復しゅうを決意した』と主張しました。
続いて、弁護側は冒頭陳述で、『被告にとってこの事件は起こすしかなかった事件で、人生をもてあそぶ闇の人物への対抗手段、反撃だった』と述べました。
このあと行われた証拠調べでは、検察が、犠牲者36人の名前や当時の年齢、それに死因などを読み上げ、このうち19人については名前は読み上げず、被害者の一覧表の番号で呼ぶことで匿名で審理されました
。」
(NHK NEWES WEB 9月5日配信)


別のメディア(朝日新聞)は、被告を「筋違いの恨み」へと駆り立てた「妄想」について、こう伝えている。


弁護側は青葉被告が「(中略)人生をもてあそぶ『闇の人物』の存在に苦しめられ、『闇の人物と京アニが一体となって自分に嫌がらせをしている』と思い、対抗手段として事件を起こしたなどと訴えた。
(朝日新聞9月6日)


たしかに、応募作の落選が「闇の人物」の仕業だと思うのは、尋常ではない。


だが、この異常性を以て行為の責任能力が欠けている、と断じるとしたら、
それは大きな論理の飛躍と言わなければならない。


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