ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

政治の現状とイデオロギーの終焉(その2)

2024-12-25 09:04:48 | 日記
(承前)

少数与党を背負う石破首相と、野党各党の国会論戦から見えてくるのは、「イデオロギーの終焉」という象徴的な現実である。
「自由主義か、社会主義か」というイデオロギーの対立が意味をなさなくなった今、政治は限られた予算をめぐる分捕り合戦の様相を呈している。「カネの奪い合い」というもう一つの姿を見せはじめたと言ってよい。
良くも悪くも、これが現代政治の実情なのである。

国家予算にはたしかに限りがある。政府は(ツケを次世代にまわす)国債発行の手法によって窮地を打開しようとしているが、そんな安易な手法をくりだす前に、予算がはたして有効に使われているかどうか、それを検討する必要があるのではないか。

こんな記事を読んだ。

補正予算、4割使われず 11.7兆円、翌年度繰り越し 22年度
物価高対策などが盛り込まれた2022年度の補正予算32兆円のうち、4割近い11・7兆円が年度内に使われていなかったことが会計検査院などへの取材で分かった。当初予算で想定しなかった状況に対応する補正予算は、年度内の執行が原則だが、実現できていなかった。補正予算のつく事業の必要性に疑問の声が出ている。

(朝日新聞12月16日)

予算が有効に使われているかどうか。これをチェックするのも「与党に対する監視役」としての野党の役割ではないか。予算の分捕り合戦に現(うつつ)を抜かすだけが野党の役割ではない。

話がちょっとそれるが、次のニュースが気になった。

日本維新の会は12日午前の両院議員総会で、看板政策の『教育無償化』をめぐり自民、公明両党が3党による協議体の立ち上げに応じたとして、今年度補正予算案に賛成する方針を決めた。(中略)
(共同代表の)前原氏は『自公が(衆院で)過半数割れし、野党の理解が得られなければ一つの法案も予算も通らない。野党の立場でしっかりと与党に提案し、後は自公がどう判断されるかだ』とも強調した。
(朝日新聞DIGITAL 12月12日配信)

日本維新の会のこうした見解をうけて、石破自民は(国民民主党から)日本維新の会にシフトし、この党に触手をのばしはじめた。


自公は国民民主との協議が再び決裂すれば、日本維新の会など、ほかの野党との協力を模索する可能性もある。
(朝日新聞12月21日)

いわゆる「両天秤」である。
小野寺政調会長の発言には、新たに日本維新の会に触手をのばそうとする自公の、その方針転換を正当化する意図があるのではないか、そう思えるのだが、いかがだろうか。

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