元メジャーリーガーを高倉健“監督”が再生? 90年代日本プロ野球の雰囲気が詰まった映画「ミスター・ベースボール」がBS12にて放送
8/28(土) 13:11配信
1
1990年代の日本プロ野球の魅力が凝縮! 高倉健が鬼監督を演じた映画「ミスター・ベースボール」
毎週土曜夜7:00より、BS12 トゥエルビにて放送中の「土曜洋画劇場」。8月28日(土)夜7:00からは、大リーグから日本のプロ野球チームに移籍した助っ人外国人選手と、日本人監督の対立と友情を描いたベースボール・コメディー「ミスター・ベースボール」を放送する。 【写真を見る】座敷で食卓を囲む中、巨体を屈めて体育座りするジャック(トム・セレック)のキュートな姿も フレッド・スケピシが監督を務めた本作は、米・メジャーリーグ(以下、MLB)のスター選手だったものの突然日本球界に移籍することとなったジャック・エリオット(トム・セレック)が、日米の文化ギャップに戸惑う姿をコミカルに描いていく。 エリオットはMLBの強豪、ニューヨーク・ヤンキースの一塁手。かつてはワールドシリーズの最優秀選手に選ばれたこともあったが、成績不振や不祥事により若手との競争に敗れ、鬼監督・内山(高倉健)率いる中日ドラゴンズへトレードに出されてしまう。 単身名古屋にやってきたエリオットを待ち受けていたのは、MLBでは経験したことがない日本流の練習や、大きく異なる生活様式の数々。そんな中でも、謎の美女・ヒロ子(高梨亜矢)とのロマンスや宿敵・読売ジャイアンツとの戦いを通して、エリオットはチームの一員になっていく。 ■助っ人外国人のリアルを描いた意欲作! 大物選手のカメオ出演も 根性を重んじ、怒るとベンチの奥のドアを蹴る内山監督のモデルは、日本球界で名将と名高い星野仙一、広岡達朗の両監督とのこと。一方で、映画「ブラック・レイン」同様高倉健が英語で話す貴重なシーンも度々登場。情熱とスマートさを持ち合わせた“健さん”ならではの監督像を見せている。 また、ロッテ、横浜大洋、ヤクルトなどで活躍したレオン・リーが本作のアドバイザーを務めていることもあり、ハリウッド映画ながらも日本野球の姿や“助っ人外国人”の置かれた立場などはリアリティー十分。レオンの他、亜仁丸レスリー、フランク・トーマスら、名選手のカメオ出演にも注目だ。 往年のプロ野球ファンにとっては、中日をはじめセ・リーグ各球団が当時実際に使用していたユニフォームが映し出されるのも魅力の一つ。熱かった90年代前半のセ・リーグの様子を思い出し、懐かしさがこみ上げてくることだろう。かつての中日の本拠地・ナゴヤ球場も実際に使われている。 本作がアメリカで公開されたのは、野茂英雄がMLBで旋風を巻き起こす3年も前の1992年。2021年の現在は大谷翔平が二刀流で全米を熱狂させているが、約30年前のアメリカでは日本のプロ野球が“未知の世界”だったことがよく分かる。まだまだ遠かったMLBとの距離を感じられる貴重な作品だ。