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『真田丸』37話「信之」 生き地獄、死よりも苦しい仕打ちを。

2016-09-20 19:08:46 | 大河

2016年大河『真田丸』37話「信之」のネタバレ感想のようなものまとめ。



守るべきもの。




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■超高速関ヶ原、その後で


第二次上田合戦は真田の勝利。
徳川への勝利に沸く真田家だった、のですが。
佐助が届けた知らせは、関ヶ原の合戦で石田三成が惨敗したという衝撃的なものでした。


「降伏はせんぞ!金輪際するもんか!真田は徳川に勝ったのじゃ!」

なぜ頭を下げなければならないのか、と怒声をあげる昌幸。
信繁は関ヶ原で三成が敗れたのだから、と諭しつつも、昌幸は収まらない様子。
そのまま秀忠軍の残党を掃討に走り出すも…

「これから葛尾城を落とす!参るぞ!」
「大坂城が徳川の手に落ちました!石田治部様もすでに捕らえられたとのこと」




もはやこれまで、と信繁は言いつつも昌幸は葛尾城に向かおうとし……

「父上!もはや勝敗は決しました。これ以上の戦いは無駄でございます」

父の背中の六文銭に。

信繁の叫びにようやく立ち止まった昌幸。
その場に座り込み、


「まだ上杉がおる。上杉とは勝手江戸を抑えれば…!」

北条と同じことを言っているよ、昌幸……(23回『攻略』



「あとは、兄上に任せましょう」

悔しそうに廊下を叩く昌幸は、獣のような眼をしていました。





■真田ごときは後回し


真田はどうなるのか、秀忠と少し言い争いながら家康が言ったのはこの言葉。

「真田ごときは後回しでよい」

そして上田城。
平野長泰が信繁の前に現れました。


「かつて太閤殿下の下で共に馬廻りとして働いた我らが、こうして敵味方となり、一方が城を明け渡し一報がそれを受け取る。人生とは分からんものだな」

平野のおっちゃんはスルメを噛みしめるように。
この人も目まぐるしく変わる時勢を乗り切っている人物のひとり。

『人生は分からんものだな』という平野殿の言葉。
馬廻りとして聚楽第落首事件など信繁を近くで見てきたということもあり、「おまえはまだまだやれるはずだ」というメッセージが込められてるように感じます。

沙汰を告げる文を読み上げたのは三十郎でした。


「一つ、真田安房守ならびにその子左衛門佐は……城内においてしばし蟄居、処分については後日。以上」

三十郎の表情は少し辛そうに、でも少し安心しているように。


「あの烏帽子岳が三度白くなると里にも雪が降ると言われています。ご存知でしたか?」


「真田はまだ滅んでおりませぬ。大丈夫、必ず生き延びられます。源三郎兄上もおりますから」


信繁は茂誠に語りかけます。
命を奪われてはいない。
まだ大丈夫。




■嫡男の務め


その信幸、大坂に向かおうとしていました。
昌幸と信繁の命乞いのため。
それは犬伏で交わした約束。

「しかし俺は何としても2人を助けなければならん。それが俺の使命なのだ」

どうなるかはわからない。
でも2人を助けるために全力を尽くす。

そこにやってきたのが稲の父・本多忠勝。


「乱世のならいとはいえ、親兄弟を敵に回したこと、さぞ辛かったであろう」

敵味方に分かれても親子、兄弟。
みすみす死なせるわけにはいかない。
家康に会って命乞いをしてくる。

だって自分は真田安房守の嫡男だから。
父親の命を救うのも子の務めなのだから。


信之の決意を聞いた忠勝は、自分も口添えすると立ち上がります。


「参るぞ!」と、信幸の先を行く忠勝。
直前の上田城にて、昌幸も同じ「参るぞ!」と行っていました。
信繁が見る昌幸の背中、信幸が見る忠勝の背中。
それぞれの行く末が対照的。




■上田城にて


松姉ちゃんはいつもの松姉ちゃんでした。


「私はまったく心配しておりませんよ」

だって昌幸や信繁は関ヶ原の戦そのものに加わったわけではない。
上田でちょこちょこっと戦っただけ。(ちょこちょこどころではなかったが)

「こっちが勝ったというよりも、向こうが勝手に負けたようなもんなんですよね」



松姉ちゃんの明るい語り口に、思わず笑う信繁とパッパ。


「思えば、信長が死んだ頃が最も楽しかったのう。明日の命も知れぬ日々であったが生きておるという手ごたえがあった」
「長生きをし過ぎたのかもしれなんのう」


窮地に陥ったり、迷走したり、調略したり。
大博打がはじまったあのころを思い出す昌幸。




少し寂しそうに信繁。


「おい、酒が欲しい。おおい」


昌幸が呼んだ相手は徳川家臣、大井政吉



「おい」が「おおい」

なんてことのない駄洒落のようだけど、緊張が続いた昌幸と信繁にこれで笑顔が戻ってよかった気がします。
まるで犬伏の後に笑っていたあのときのように。




日の本を分ける大戦。
兄弟の離別、関ヶ原届く悲報。
戦の緊張感が続く中、松姉ちゃんや大井殿で笑顔を取り戻す。
笑っちゃうよね。
笑いが恋しくなるよね。
昌幸と信繁に人間味を感じるシーンだなあと思いました。

しかし、これからどうなってしまうのか。





■幸を捨てる



「安房守を助けてやりたいのはやまやまだが、ここは親子ともども死んでもらう」

家康う。

昌幸と信繁の助命を嘆願する信幸ですが、家康は聞き入れようとせず。
しかし忠勝。

 
「ならば拙者、これより婿と共に上田城に立てこもり徳川の兵を相手に討ち死につかまつる」
「(!!)」


「命までは取らぬ。平八郎にそこまで言われたら仕方なかろう」
「ありがとうございます…!」


その代わりに、
父親と縁を切るように。
名前の『幸』の字を捨てるように。


「捨てよ」


「かしこまりました…!」


名前。
それは親からの最初のプレゼント。

この時代の習わしは現代とは異なるとは思いますが、それでも改易は心を削るもの。
親からもらったもの、親と過ごした日々を捨てる。
それを捨ててまでも守りたいものがある。



■きりちゃんかっこいい。


信幸が大坂城に到着したとき。


「ようご辛抱なされました母上」
「怖かった!」


薫にはきりちゃんがついていました。


「とにかくこちらはお任せあれ、私がしっかりお守りしてます」

きりちゃんの鋼メンタルかっこいい。

秀次の死にガラシャの死。
登場人物の中で1,2を争うくらいにハードな経験してるのに、ここでも頼りになるきりちゃん。




■何のために徳川に




またまた上田城。
大井らと将棋・囲碁を楽しむ昌幸達。
(きっと信濃の昔話で盛り上がったりしてるんだろうな)


そこへやってきた信幸。
小県の領地は全て召し上げ、後に入るのは自分であること。
続いて高野山の麓・九度山に流罪となったことを伝えると


「聞いたこともないわ!この役立たずが!何のために徳川についた!」

昌幸パッパ。
『何のために徳川に』って、「全ては真田のため」なんだよパッパ。
でもパッパはそれをわかってるから、らしくもなく謝るんだよ……。


 
「すまん、言い過ぎた……」
「これからも力を尽くします!どうかお許しください!」


お兄ちゃん、これでいいんだ。これで。
これがよりベターな選択だったんだ。




■おのおの、抜かりなく


そして城の明け渡しが迫る中。
茂誠、作兵衛、内記らが呼ばれました。
茂誠に城の明け渡しを任せ、そのまま信幸の下へ下るように伝える昌幸。


松を託された茂誠は信幸のもとへ。


すえを託された堀田作兵衛は村に戻るように。


内記は自分での判断を任されて。



「よいか、こえは永久の別れではない。いずれ会える日を楽しみにしておるぞ」
「ではおのおの…抜かりなく」



■声にならない


昌幸が会いに行ったのは出浦でした。



まだ声が出ない様子の出浦様は沼田で養生することに。
その出浦様は佐助に耳打ちしてあることを伝えました。


「大坂城は掘割が込み入っている。久喜水軍とひそかに結び素っ派を水の取り口から忍び込ませれば、徳川内府の寝首を掻ける」

落ち着いた昌幸の声と対照的に、出浦様はまだ何か言いたげで。
でもそれは声にならなくて。



■いつかまた



一方信繁は、梅との間の子・すえに会いに行っていました。


「そなたの幸せを遠い西の空から祈っておるぞ」
「またお会いできる日を心待ちにしております」


遠い西の空から、信濃を思う。
また会える日は、多分こない。




■笑いあえる日を信じて


慶長5年12月13日。
出立の日。

 
「行ってらっしゃいませ!あとはお任せを!」
「母上様によろしくお伝えくださいませ!」




いつも明るい松姉ちゃんの表情が辛い。



■信之


徳川家康を上田領を信幸に与え、真田伊豆守信幸は9万5000石の大名となりました。


「今日よりわしの名じゃ」
「さなだいずのかみのぶゆき」


「読みは変わらん。わしの意地じゃ」


記録に残るものは『信之』となってもその心根は変わらない『のぶゆき』。



■生き地獄


大坂に立ち寄った昌幸と信繁。


「わしはお前たちを打ち首にすることもできた。それをせなんだはなぜだと思う?」


「内府様はひょっとして、死よりも苦しい仕打ちを与えようとされているのでは?」


信繁のさめた目が……。


「戦には勝ったのになぜこのような目に遭わねばならぬのか、さぞ理不尽と思うておろう。その理不尽な思い、さらに膨らませてやる」


「わしはおぬしから一切の兵と馬と武具と金と城と、そして今後戦に出る一切の機会を奪う」


「残りの人生を高野山の麓の小さな村の中で過ごすのだ」


「1,2年で帰ってこられるなどゆめゆめ思う出ないぞ、10年になろうが20年になろうが、おぬしは死ぬまでそこにおるのだ」


「この生き地獄、たっぷりを味わうがよい」


「真田安房守、二度と会うことはなかろう」



いや家康の「ハーッハッハッハッハ」も、昌幸の怒りと悲しみの目もすごかったんだけど。



信繁の『徳川絶対許さないマジアイツ処す』のあのさめた目よ……。
家康は大坂の陣であれより恐ろしい目で追われるんだろうか。

そのとき家康はどんな表情をしてるんだろう。





■21歳で謎の死を遂げた青年


大坂城で信繁に声をかけたのは片桐殿。
片桐から関ヶ原のあとのことを聞かされます。


「これからは親孝行しやあよ。身内こそ大事にするもの。私は気が付いたらだ~れもおらんくなった」

寧の言葉に疑問を持った信繁は秀頼公のことを指摘するも。



そこに現れたのは、小早川秀秋。
帰ってから誰にも会わずにずっと怯えている、小早川の裏切りがなければ石田方が勝っていたことを知らされる信繁なのですが……。

寧様、秀頼の事もそうなんだけど小早川秀秋のことも忘れてる。
寧様が壊れていったのは秀吉の死後あたりだったけれど、この人の壊れ方が一番怖い。



罪の意識にさいなやまされる小早川秀秋を襲うのは、毛利、明石、宇喜多。


「うぬだけは許せぬ」

この時点で宇喜多の生死は定かにはなっていません。
それでも罪悪感に押しつぶされる。


「小早川秀秋は関ヶ原の戦いから2年後、自分のしたことの罪の重さに苛まれ、21歳の若さで謎の死を遂げる」

あのとき、中庭にいて死を予告された者がこれでほとんど死んだことになる。


15回『秀吉』




■そして同じ日に死ぬ


そのころ淀殿。
信繁が来ていると伝えられますが、別にかまわない(今は会わない)、と。


「いいえ。あの者とはまたいずれ会う気がします。いずれまた」



茶々が見つめるのは、あの山吹の花。
女性陣それなりにやつれてる中、ひとりだけやつれてない。


前より美しくなったように見える笑顔が怖い。



■薫様ときりちゃん


昌幸は薫様と再会。
膝枕で仲睦まじく。


「薫は淋しゅうございました」
「薫はもう人質は御免です」


「悪かった」


昌幸らしからぬ消え入りそうな声。
薫らしからぬ弱気な声。
でも2人とも、「やっと会えた」そんな切ない喜びがあふれてるようにも見えました。


一方きりちゃんに会った信繁。
薫様の件で礼を伝えて、今後のことについて話します。

 
「できれば一緒に来てもらえると心強いが」
「行くとしますか!」


松姉ちゃんもそうだったけど、真田の女子の力強さよ。
また会える、まだまだこれから、未来を信じる。



■大谷吉継の死




春と再会した信繁。
春の父・大谷吉継の死に様をここで聞かされます。

 

敵に首を渡さないよう言い残し自害したという。


「治部。楽しかったぞ…」

視力を失っている刑部殿は何を観たのか。
まことの武士だった、あの方のように生きたい、と語る信繁。

『楽しかった』かあ……。
何を楽しんだんだろうと考えたとき。
刑部殿は戦というよりも、人生そのものを楽しんでそうな印象です。
だから『先に行っておるぞ、また会おう』というニュアンスが多大に含まれているようなそんな気がする。



■壊れたレコーダー


加藤清正がやってきました。
三成の正室・うたを連れて。



うたは三成の最期を見届けたと言い、信繁に伝えました。
「我が殿を知る方のところをめぐりあの方のご最期についてお伝えするのが私の役目」であると。

見物の衆に紛れて、三成斬首の様子を見届けたといううた。

 

静寂。



三成は何を呟いたんだろう。
刑部に宛てた「参るぞ」なのか。
秀吉に宛てた言葉なのか。

そういえば、あのとき清正にも何とつぶやいたのだろう。
(柿エピはカットだけど干し柿ネタやったしいいか)



「あのお方は豊臣家の事しか考えておりませんでした」
「あのお方は豊臣家の事しか考えておりませんでした」
「あのお方は豊臣家の事しか考えておりませんでした」

繰り返し、繰り返し。
壊れたレコーダーのように。
これだけは伝えてくれ、と。



中盤で準主役に描かれた石田三成の最期。
少し駆け足かなと思う部分はありましたが、それまでの真田の話とは違う空気が流れたのはわかりました。


多分人によって受け取り方が違うんでしょうけれども、三成を喪った悲しさや口惜しさよりも、壊れたレコーダーだなと思いました。
むしろうたの中で三成は生き続けている。
三成の言葉を伝え続けることで三成は生き続ける。

それは三成の生き様であると同時に。
信繁にとって『呪い』のようでもあり。



それにしてもヤマコーさん、三谷さんに何か呪われてるのか。



■慟哭


薫様が目を覚ました時。
昌幸はもういなかった。

昌幸を探す声。
寝巻一枚で。

本当に大事な人が遠くへ行ってしまった。
心の痛みが辛い。




そこにいたのは信幸。

せめて、信幸がいてくれてよかったと。



■九度山へ


昌幸は「いずれ会える日を楽しみにしておるぞ」と。
すえは「またお会いできる日を心待ちにしております」と。
淀殿は「あの者とはまたいずれ会う気がします」と。



そして、雪の降る九度山村ではじまる長い日々。



■次回、『昌幸』




これ、どこかで観たなあとおもったら。
序盤の本能寺の変のときの安土城でのシーンでした。(4回『挑戦』



あらやだ、頼朝様。




あと昌幸パッパのそれ辛いんで、タヌキください。



■大坂の陣編のあのポスター






























































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1 コメント

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Unknown (ようこ)
2016-09-20 20:35:49
丸を観た限りでは、パッパの幽閉は信幸お兄ちゃんを邪険にし過ぎたから・げんじろが家康の首を取れなかったのは、きりちゃんを邪険にし過ぎたから天罰が下ったとしか思えません。
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