BSプレミアム・朝ドラアンコールにて再放送中、2003年BK制作、石原さとみヒロインの『てるてる家族』。
24週目のネタバレ感想レビュー、前半戦。
歌って踊ってはちきれるこの夫婦。
後半はこちら。
『てるてる家族』24週 その2.幸せのてるてる坊主をあなたに
関連リンク
・『てるてる家族』23週 その2.お母ちゃんの青春
・『てるてる家族』23週 その1.虚実皮膜の向こうに
・『てるてる家族』22週その2.鐘の音降り注ぐ教会で
・『てるてる家族』22週その1.佐世保、はじまりの地へ
朝ドラ『とと姉ちゃん』『あさが来た』『ゲゲゲの女房』『あまちゃん』などこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
『真田丸』『精霊の守り人』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
『重版出来!』『天皇の料理番』『新釣りバカ日誌』など民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
●春子は人妻に
残すところあと2週。
時代は昭和45年になりました。
岩田家の厨房では春子がお料理。
あらやだ色っぽくなっちゃって。
もうじき岩田家を出ていく春子。
お父ちゃんとの時間も残りわずかです。
そっと傍に立つ春男に春子は、料理の奥深さを改めて知ったと話します。
「気ぃつけや。ほどほどいうのも大事なんやで」
真面目で一生懸命でしっかり者の長女。
小さい頃からスケートの道に進み、グルノーブルオリンピックの舞台にまで立った。(18週)
病気で倒れたこともあった(8週
アスリートとしての人生に悩むこともあった(16週)
そんな春子を近くで見てきた春男だからこそ、ここであえて「ほどほどに」と言えるんだろうなあ。
春男の気持ちが伝わってるように、春子は穏やかに笑って。
「大丈夫。抜けてるとこは抜けてるから私。ちゃーんとお父ちゃんの性格ももろてんねんよ」
きちんとお父ちゃんのことも見てきた。
お父ちゃんのよさももらった。
親子の時間がとても優しい。
●時には母のない子のように
で、紅白歌合戦で夏子の姿を見納めた照子はどうしてるかというと。
なにしてんねんwww
空の巣症候群が心配されましたが、そうだよこの人照子だよ。
ありえねえよ。
だからなにしてんのwww
この流れのギターさんは何なのwww
一通り歌い終えて。
チップをあげつつ、あんたお母さんは元気なの?とギターさんに尋ねる照子。
「たまには甘えてあげなさいよ、いくつになっても親はそれが嬉しいんやからね」
春夏をトップスターに育て上げたイースト菌・照子ならではの言葉。
春男とはまた違う照子の言葉。
それにしても。
『センチメンタルジャーニー』やら『Only you』、他にも数えきれないけど。
「そこどこ、なにそれ、いつのまに着替えたの、なんなのこれwww」
と急に始まる歌の数々。
思わず笑ってしまいますが、振り返ってみれば心象風景としてストーリーに組み込まれていました。
●冬子のてるてる坊主
ベランダでてるてる坊主ぶら下げる冬子。
「照子の癖がすっかり冬子の癖になってしもたな」
「うん。ええとこは見習わな」
「ああそや。お母ちゃんの精一杯のええとこやがな」
料理はできないけどとにかく明るい照子。
誰かの幸せを願う照子。
春男の「ぼちぼち」は春子にしっかり受け継がれ、照子の「てるてる坊主」は冬子に受け継がれ。
姉妹それぞれがみんなお父ちゃんとお母ちゃんのいいところを受け継いで、ここまできたんだなあ…
今はラーメン屋の屋台で小芝居やってることなんて露知らず、お母ちゃんがやはり寂しそうだと話す冬子と春男です。
「あんなお母ちゃんもたまにはええやろ」
「…そやね。ちょっとは落ち着いたらええのにってずっと思てた」
言葉の間が、そうじゃないって言ってるよお二人さん(´;ω;`)
「・・・」の中に気持ちがいっぱいこめられてるよお(´;ω;`)
照子の話はともかく、改装中のシャトーの新しい店名を考えてる冬子。
『ベーカリー冬子』じゃなかったのかと春男が言うも。
「私はみんなのお店にしたいねん。みんなあの店で楽しなってもらいたいねん」
思い出すのは『みんなが楽しいと私は楽しい』、宝塚音楽学校時代の言葉(14週)
あの頃の経験を経て冬子が成長したんだなって実感。
成長は嬉しいけど、終わりが近づいてると思うとまた少し寂しい。
また少し成長した末の娘に、「店の名前は好きにしたらいい。あの店は冬子の城に違いないのだから」とそっと背中を押す春男。
安易に店を渡すのではなく、冬子がしっかり育ったのを見届けて、いつでも支えられるように背中を押す。
春男という存在がとても頼もしい。
シャトーの改装を手伝ってくれるのはこの人。
売れない絵本作家・米原さん。
「縁起悪いね」って冬子こらwww
そこに和ちゃん、新作サンドイッチを差し入れに持ってきました。
「いや米原さんには大きな御恩がありますから」
「やめてよ!…もういいんだよ。そんなこと気にしなくても」
和ちゃんの笑顔のお礼。
政也や木塚兄弟(22週の話)の近況が描かれるわけじゃないけど、彼らの状況も和ちゃんの心の問題もうまいこといってんだなあってワンシーンで伝わります。
米原さんがフランクな感じで接するのも、和ちゃんと米原さんは『友達』だから。
なんてことのないシーンに思わずじんわりきてしまう。
大阪池田の栄町商店街に行けば、岩田家やみんながいるんじゃないかって思えてくる。
●タイトル回収
さあいよいよ新店名発表!!
あれ、これは……
はっ!
オープニングのアニメーションこしらえてるのは米原さんなのか!
そうなのか!!
「けったいな名前やねえ」
お母ちゃん、それ番組名や。
きました、タイトル回収。
てっきり『てるてるベーカリー』あたりになるのかなと踏んでたら、まさかの番組名『てるてる家族』。
歴代朝ドラでいくつか終盤でのタイトル回収はありますが、たとえば『ごちそうさん』。
主人公のめ以子が戦後の闇市でつけられたニックネーム。
『あまちゃん』では津波で大きな被害を受けた海女カフェが再建したとき、太巻の言葉で回収。
そして『てるてる家族』では冬子のつけたシャトーの新しい店名。
ここまできたんだなあ、と嬉しい気持ちもありつつ。
ああもうすぐ終わるんだなあと寂しい気持ちもありつつ。
●新装開店、てるてる家族
新しい売り場もオープン!
おおお、パン屋さんだ!!
この腰の位置の棚の上に、パンの籠を並べます。
しかしパンをそのまま置くと埃が被るじゃないか、と何やらご不満の照子なのですが。
ところがどっこい、これが
「オープンフレッシュベーカリー言うて、焼きたてを売り物にする新しい販売方法で成功してる店があるんです」
今でこそよく見るパン屋さんの光景ですが、1970年当時は新しいものらしいです。
『新しいもの』に弱い照子はとりあえず納得。
「私はなピーンと来てん。これからはこの方法やって」
「そのピーンにばっかり頼ってたらあかんで。よう考えや」
おまゆうwww
(12週でも冬子の『ぴーん』は「ピンぼけじゃないの?」と言われてたっけ。)
さらに変わったのは販売スタイル。
これまではレジ横で店員が一つ一つとっていた、今でいうドーナッツ屋のスタイルだったのですが、トレイとトングを用意してセルフサービスにすると。
まあこれにも納得のいかない照子は「店の人間が手ぇぬいてるだけに見えるのではないか?」と。
さすがだ、この商売人魂。
ところがこれも和ちゃんが論破。
「こういう店が出始めてるんですん」
「そうなん?…てあんたまたおんなじこといって」
「池田ではここが一番乗りです」
「一番乗り?そらええやないの」
この商売魂よ。
イートインスペース、というかカフェスペースも残されました。
「お母ちゃんの歴史もここに残しときたいねん。我が家の歴史やからね、これは…」
それが冬子の思い。
母・照子、思い出の地・シャトーへの思い。
常連のお客さんも懐かしい思いに浸れることでしょう。
新鮮な空気とノスタルジーの同居。
冬子いいじゃないの、いいじゃないのよベーカリー『てるてる家族』。
(あわよくば松本書店と提携してブックカフェ、喜介さんと提携して文房具カフェでもいいと思うよ)
ちなみにテレビはどこにいったかというと。
一般家庭にテレビが普及している1970年代なので、居間の方に置くことになりました。
●米原さん、あのときは変態扱いしてさーせんした。
看板を描いてくれた米原さん。
なんとまあ店頭ポスターも書いてくれました。
さらには街頭配布用チラシまで。
10週で登場したとき、秋子のストーカーを疑われていた岡本太郎おじさんとは思えない!(そういうこと言わない)
「この店は僕にとって太陽の塔ですから!」
うん?
あ、ちょうど万博か。
えっ、もう万博の時期まできたのか!!
●大阪万博1970
大阪万博が開かれる中、栄町商店街にも外国の方が増えてます。
コント会場、もといバーバー寺井にて。
夏子は東京で活動中、秋子も勉強に没頭中。
話題はもうすぐ来る春子の巣立ち。
平気なふりをしているもセンチメンタルな春男。
「『お父ちゃんのそば離れたないねん』ボタボタ…」
新婦挨拶をまねる旦那さんなんだけど。
ボタボタってwww
それでも泣いちゃいそうな春男、ああ春男。
●ベイクオフシステム
そしてオープン当日。
忙しそうに指示出ししている冬子がほんのりアンパタースン。
(このあと「お前も手を動かせ」と怒られました)
にぎやかな工場を覗きに来たのが喜介さん。
「猫の手ぇも借りたいぐらいや」と春男が声をかけるも。
「俺どっちかいうたら犬ですから。ワン!ワンワン!」
「猿!」
なんだこの絶妙なクオリティ。
デーニッシュを作る現場をみた喜介さん。
デーニッシュを作りたいけど職人一人の自分の店では厳しい、と。
そこにアドバイスをしたのが工場長でした。
冷凍したものを自分の店で焼けばいい。
それは「ベイクオフシステム」と呼ばれるもの。
早くもフランチャイズ計画。
●それが今の幸せ
賑やかになる岩田家。
物干し台では照子が座って休んでいました。
「親いうもんは急に年取るもんなんやねえ。気ぃついたら子供に何かしてもうてる。気ぃ遣われてる」
口やかましく言ったことを反省している照子。
もしかしたらシャトーの看板を飾ってもらったことについて『気を遣われた』と思っているのでしょうか。
でも冬子はそうじゃないと思うんだよね。
……てか冬子はそんな形で気を遣う子ではない気がする。
少し落ち込む照子をフォローするように
「冬子嬉しかったんちゃうか。久しぶりに元気なお母ちゃん見られて」
そこにあったのは冬子がぶら下げたてるてる坊主。
そう、冬子はこういう素直な気遣いをする子だと思うのです。
お母ちゃんのことが大好きで、愛されたいと願って、お母ちゃんのように明るいお店をつくった。
「私らにはもう何もぶら下げることがあらへん」と言う照子は、寂しさの後ろに少し達成感のようなものもにじんでるように聞こえました。
色んなてるてる坊主をぶらさげて、明日の晴れを、幸せを祈ってきた。
ひとつひとつそれが叶った。
今や子どもたちは自立をして、末の娘が自分を乗り越えていく。
「それが…今の幸せや」
春男の優しい言葉が響く物干し台。
●家族の物語
そしていよいよ開店の朝。
一通りの挨拶を終えたあと、冬子は春男に言葉を託しました。
「みんな今日までよう頑張ってくれて、ほんまおおきに!」
冬子が宝塚を辞めてパン屋になりたいと言ったとき、春男は反対をしていました。
(19週)
そのあと20週の序盤でもまだまだ納得していなかった。
というよりすぐ飽きてしまうのではないか、頑張れるのだろうかと不安もあったのでしょう。
でも冬子はここまできた。
「おかげで俺も今ええ夢見さしてもろてる」
冬子がこの店に『てるてる家族』と名付けたこと。
それは岩田家だけではなく工場長や和ちゃんも含めての『家族』。
工場長も和ちゃんも、岩田家のような家族はいません。
13週、それから21週で、2人の過去と境遇が描かれたからこそ、『家族』の言葉の温かさが伝わります。
この場にいるのは和ちゃんと工場長ですが、他の多くの登場人物が『家族』なのでしょう。
まさにタイトル通り。
「俺は…娘に甘い父親や。娘のやる事がかわいいてしゃあない。そやからこの店もかわいいてしゃあない」
「冬子がこの店に家族てつけたんはみんなの事やて俺は思てる。そやからみんなもこの店愛したってや。よろしゅう頼むわ!」
春男にとって冬子が「かわいいてしゃあない」ように。
きっと制作したスタッフも、演じる役者さんも『てるてる家族』が「かわいいてしゃあない」のでしょう。
その思いが伝わるから視聴者も「かわいいてしゃあない」のかもしれません。
そして冬子のナレーション。
「いよいよ、てるてる家族が動き始めました」
ここからまた新たに始まる。
終盤、クライマックスなんて言わせない。
私たちの物語は今からはじまるんだ、と。
●歌って踊るベーカリー
店のオープンを迎えました。
宝塚同期生から贈られた花輪。
そうだよね、みんなと約束してたね。(20週)
麻子さんたちがタカラジェンヌとして活躍している姿が目に浮かぶようです。
冬子が宝塚のスターになることはなかったけれど。
でもそのときの経験が確実に生きている。
人生、無駄なことなんて一つもない。
積み重ねていけば必ず自分の力になる。
冬子の生き様を通して多くのことを教えられている気がします。
ってじんわりきていたら。
何この体育会系パン屋www
おいこら電気メガホン、タコ原に返しなさいよwww
ちなみにこのときの電気メガホン(2週
ああもうスイッチ入れたの誰だよwww
照子、シャトー開店の時と同じこと言ってんよwww
で、なんだよこれは!!
もうやだこの夫婦www
最近和ちゃん回や紅白回が続いて「歌少ないなー」と思った矢先に『愛の奇跡』やりたい放題。
いやいや照子、美脚だってのはよーくわかったんだけど。
あんたパンのセルフ販売に「埃がつく」って反対してたじゃないかwww
これを覗いていた人が1人。
「…アホ」
結論、やっぱり頭おかしい(超褒めてる
この状況、落ち着いて考えてみると。
長女の嫁入りを控えてセンチメンタルな父親。
子供たちの成長・巣立ちの中で寂しさを漏らしていた母親。
あと結構前に亡くなったおばあちゃん。
ああ!そうか!
照子と春男は寂しさを紛らわすためこんなぶち切れた踊りを!
ああ……
●家族のすき焼き、と見せかけて。
春子の結婚式を数日後に控えた日の夕方。
夏子が帰省してきました。
表情がすっかり明るくなった気がする。
夏子も帰ってきて久しぶりのみんなの食卓。
と思いきや。
松本夫妻乱入。
寺井夫妻も乱入。
ヒロインにカメラ持たせちゃうこの面々。
餓えた宇宙人も乱入。
……はっ宇宙人!!( ゚д゚)
●いろんなことを乗り越えてきた
そんな騒々しい居間から一転、夏子が挨拶したのは亡きおばあちゃん。
「夏子姉ちゃんが東京に行ってから、ほんまいろんなことがあったね」
「うれしいこと……悲しいこともあったね」
だけどみんな大きくなった。
健康でいてくれた。
それが何よりだ、と頷いていたその時。
おばあちゃん(故人)!!
「あの世でえらい気ぃもんだけど、楽しませてもろたで。これからもしっかりとお気張り」
「はい!」
おばあちゃん、画面に映らないところで、見守っていたのかもしれない。
もしかしたら見ている自分たちのそばにいたのかもしれない。
ヨネばあちゃんというキャラクターが、(物語上では亡くなってるんですが)キャラクターとして生きていることを思わせる一言。
どこかで大好きなテレビ見ながら見守ってたんだろうな。
おばあちゃんが亡くなったのは15週。
容態が悪化するおばあちゃんの姿に胸が締め付けられる思いでしたが、家族に看取られて「ありがとさ~ん」と旅立っていく姿にスーッと涙が落ちました。
あれから何度か幽霊として出演していますが、きっと映ってないだけでいろんな場面にいたのでしょう。
『セリフはなくても生きている』、宝塚で言った冬子の言葉を改めて実感します。
「岩田家の女は金を持ってくる」と力強い言葉で励ました、岩田家のゴッドマザー。
●あのカップに入ったヌードルの話
シャトー改装に奮闘する冬子。
そのころ秋子は……
「はあ~世界の即席麺。とうとう動き出しはったんですね」
すっかり麺類になっていました。
元々チキンラーメンの話は5週で出ていたのですが、21週でも登場していました、麺類。
秋子に「早く卒業しろや」って言われてた(21週)研究室の先輩・森野君の就職先は池田食品(モデルは日清食品)。
チキンラーメン…じゃなくてニコニコ麺を売り出して世間の麺市場を席巻するも、国相市場は頭打ち状態。
そこで海外視察に行ったときに見かけた光景、丼も箸もない食習慣の中で『コップの中に入れてフォークで食べる即席麺』を開発している時期。
言わずもがな、カップヌードルの話。
45周年迎えて謎肉で話題なう、カップヌードルの話。
(関連リンク:カップヌードルヒストリー)
森野君に連れられて、池田食品にやってきた秋子。
千吉博士との再会に喜びながら、『コップの中に入れてフォークで食べる即席麺』を試食させてもらうことに。
……。
掛け軸から突っ込むべきか、それとも社長室内にそのラーメン屋セットってあたりから突っ込むべきか。
「あの平和の湯気を丼ごとこの中に閉じ込めてしまうんや。そしたらな世界を麺類にかてできる!」
だって人類は麺類だもの。
ぶれない博士最高。
しかし問題は具。
開発担当は森野君なのですが、なかなか難航している様子。
そこに博士が喝!
「『まだ』って言うたらあかん!『はい今!』って言わなあかん!」
「頼むで!そのために君を呼んだんだ。なあ?それが君の仕事や」
時代の先駆者が叩き込む仕事の極意よ……!
秋子も開発のお手伝いをすることになりました。
あくまで非公式、秋子の経歴にはなりません。
ところでさっきから映り込んでるこのメガネの寝癖男は小池さん。
浪人時代にラーメンにお世話になってラーメン大好きの小池さん。
またラーメン好き男に小池さんってネーミングwww(wikipedia:小池さん
●フラグクラッシャー・ローリー
これで森野君と秋子の仲も深まると思いきや。
「秋ちゃあああああん!!!」
浪速のフラグクラッシャー・ローリー。
「こぶちゃー?」「こぶちゃー!」って可愛過ぎか。
(でもそれ昆布茶じゃねえwww)
そういえばローリー、宇宙人話が放置されてるままなのですが。
「そういうたら浪利君、宇宙にはいつ帰るの?」
「うーん、まだこっちにいてるつもりです」
「地球が好きなんやね」
「はい、人間が好きです」
なんだなんだこの話www
だから宇宙人話はどこに着地するんだ。
●好きの他に何が要りますか?
別の日、秋子は例の『コップで食べる即席麺』の開発のお手伝い。
問題になっていた具の乾燥でしたが……。
フリーズドライ!
そうそう、それ!
凍結乾燥装置を作らなければならなくなりましたが。
「作れるか?」
「作れるのは好きですから」
「好きなだけやろ」
「ほかに何が要りますか?」
何かを作り上げるのに一番必要なものは、その対象を好きだという気持ち。
それがまずなかったら何もできない。
千吉博士や米原さんらと出会う中で見つけた秋子の哲学。
冬子のてるてる家族開店がダイナミックに進行する中、もう一つのカップヌードルヒストリーでさらっと名言。
これがいいんですよね。
多くの登場人物の話が過不足なく同時進行していく。
別々に見えたストーリーがどこかで交わる。
一粒で二度三度おいしい。
●謎肉!
凍結乾燥装置をこしらえてる秋子。
パシリのローリーもやってきました。
秋子とローリーが千吉博士の話をしているので、「(ローリーも千吉博士と)知り合いなの?」と尋ねる森野君。
「あの人は僕が知り合うた人類の中でも変わってますねん。あっ、あの人は麺類か。ハハハ!」
ちげえ、そういうことじゃねえ。
ていうかまさか『人類は麺類』をここまでひっぱるなんて。
5週のときには想像すらしてなかったよ。
フリーズドライが完成して試食をしてみると。
「宇宙の食べもんみたいですね」
「懐かしい?」
秋ちゃん!雑にいじるのやめなさい!
「前から聞こ思てたんやけと君は宇宙人なんか?」
ほらあ、森野君があかん扉を開けようとしてる。
ローリー真顔やめろwww
この完成したフリーズドライを、千吉博士のところに持って行ってみた秋子と森野君。
謎肉!
カップヌードルウィークにこの麺類エピソードは神がかってるなあ……
フリーズドライはなかなか好評。
感激した千吉博士は秋子を池田食品にスカウトしようとするも。
うーん、池田食品への就職はあまり乗り気じゃなさそう。
そういえば春子のグルノーブル五輪からの結婚、夏の紅白歌合戦出場、冬子の新店舗などストーリーが仕上がる中、秋子のそれだけが未完成。
彼女は一体何をするんだろう。
まだまだ一波乱ありそう。
●岡本太郎とも友達です。
その秋子にもう一つ。
時は1970年。
居間にうつったテレビで大阪万博を楽しむ一同。
「懐かしなあ、岡本太郎」
「知り合いなん?」
「うんちょっと」
……確かに『岡本太郎的な人』はいるわな。
さあ、もうすぐ春子姉ちゃんがお嫁に行く日がやって来ます。
『てるてる家族』24週 その2.幸せのてるてる坊主をあなたに
24週目のネタバレ感想レビュー、前半戦。
歌って踊ってはちきれるこの夫婦。
後半はこちら。
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●春子は人妻に
残すところあと2週。
時代は昭和45年になりました。
岩田家の厨房では春子がお料理。
あらやだ色っぽくなっちゃって。
もうじき岩田家を出ていく春子。
お父ちゃんとの時間も残りわずかです。
そっと傍に立つ春男に春子は、料理の奥深さを改めて知ったと話します。
「気ぃつけや。ほどほどいうのも大事なんやで」
真面目で一生懸命でしっかり者の長女。
小さい頃からスケートの道に進み、グルノーブルオリンピックの舞台にまで立った。(18週)
病気で倒れたこともあった(8週
アスリートとしての人生に悩むこともあった(16週)
そんな春子を近くで見てきた春男だからこそ、ここであえて「ほどほどに」と言えるんだろうなあ。
春男の気持ちが伝わってるように、春子は穏やかに笑って。
「大丈夫。抜けてるとこは抜けてるから私。ちゃーんとお父ちゃんの性格ももろてんねんよ」
きちんとお父ちゃんのことも見てきた。
お父ちゃんのよさももらった。
親子の時間がとても優しい。
●時には母のない子のように
で、紅白歌合戦で夏子の姿を見納めた照子はどうしてるかというと。
なにしてんねんwww
空の巣症候群が心配されましたが、そうだよこの人照子だよ。
ありえねえよ。
だからなにしてんのwww
この流れのギターさんは何なのwww
一通り歌い終えて。
チップをあげつつ、あんたお母さんは元気なの?とギターさんに尋ねる照子。
「たまには甘えてあげなさいよ、いくつになっても親はそれが嬉しいんやからね」
春夏をトップスターに育て上げたイースト菌・照子ならではの言葉。
春男とはまた違う照子の言葉。
それにしても。
『センチメンタルジャーニー』やら『Only you』、他にも数えきれないけど。
「そこどこ、なにそれ、いつのまに着替えたの、なんなのこれwww」
と急に始まる歌の数々。
思わず笑ってしまいますが、振り返ってみれば心象風景としてストーリーに組み込まれていました。
●冬子のてるてる坊主
ベランダでてるてる坊主ぶら下げる冬子。
「照子の癖がすっかり冬子の癖になってしもたな」
「うん。ええとこは見習わな」
「ああそや。お母ちゃんの精一杯のええとこやがな」
料理はできないけどとにかく明るい照子。
誰かの幸せを願う照子。
春男の「ぼちぼち」は春子にしっかり受け継がれ、照子の「てるてる坊主」は冬子に受け継がれ。
姉妹それぞれがみんなお父ちゃんとお母ちゃんのいいところを受け継いで、ここまできたんだなあ…
今はラーメン屋の屋台で小芝居やってることなんて露知らず、お母ちゃんがやはり寂しそうだと話す冬子と春男です。
「あんなお母ちゃんもたまにはええやろ」
「…そやね。ちょっとは落ち着いたらええのにってずっと思てた」
言葉の間が、そうじゃないって言ってるよお二人さん(´;ω;`)
「・・・」の中に気持ちがいっぱいこめられてるよお(´;ω;`)
照子の話はともかく、改装中のシャトーの新しい店名を考えてる冬子。
『ベーカリー冬子』じゃなかったのかと春男が言うも。
「私はみんなのお店にしたいねん。みんなあの店で楽しなってもらいたいねん」
思い出すのは『みんなが楽しいと私は楽しい』、宝塚音楽学校時代の言葉(14週)
あの頃の経験を経て冬子が成長したんだなって実感。
成長は嬉しいけど、終わりが近づいてると思うとまた少し寂しい。
また少し成長した末の娘に、「店の名前は好きにしたらいい。あの店は冬子の城に違いないのだから」とそっと背中を押す春男。
安易に店を渡すのではなく、冬子がしっかり育ったのを見届けて、いつでも支えられるように背中を押す。
春男という存在がとても頼もしい。
シャトーの改装を手伝ってくれるのはこの人。
売れない絵本作家・米原さん。
「縁起悪いね」って冬子こらwww
そこに和ちゃん、新作サンドイッチを差し入れに持ってきました。
「いや米原さんには大きな御恩がありますから」
「やめてよ!…もういいんだよ。そんなこと気にしなくても」
和ちゃんの笑顔のお礼。
政也や木塚兄弟(22週の話)の近況が描かれるわけじゃないけど、彼らの状況も和ちゃんの心の問題もうまいこといってんだなあってワンシーンで伝わります。
米原さんがフランクな感じで接するのも、和ちゃんと米原さんは『友達』だから。
なんてことのないシーンに思わずじんわりきてしまう。
大阪池田の栄町商店街に行けば、岩田家やみんながいるんじゃないかって思えてくる。
●タイトル回収
さあいよいよ新店名発表!!
あれ、これは……
はっ!
オープニングのアニメーションこしらえてるのは米原さんなのか!
そうなのか!!
「けったいな名前やねえ」
お母ちゃん、それ番組名や。
きました、タイトル回収。
てっきり『てるてるベーカリー』あたりになるのかなと踏んでたら、まさかの番組名『てるてる家族』。
歴代朝ドラでいくつか終盤でのタイトル回収はありますが、たとえば『ごちそうさん』。
主人公のめ以子が戦後の闇市でつけられたニックネーム。
『あまちゃん』では津波で大きな被害を受けた海女カフェが再建したとき、太巻の言葉で回収。
そして『てるてる家族』では冬子のつけたシャトーの新しい店名。
ここまできたんだなあ、と嬉しい気持ちもありつつ。
ああもうすぐ終わるんだなあと寂しい気持ちもありつつ。
●新装開店、てるてる家族
新しい売り場もオープン!
おおお、パン屋さんだ!!
この腰の位置の棚の上に、パンの籠を並べます。
しかしパンをそのまま置くと埃が被るじゃないか、と何やらご不満の照子なのですが。
ところがどっこい、これが
「オープンフレッシュベーカリー言うて、焼きたてを売り物にする新しい販売方法で成功してる店があるんです」
今でこそよく見るパン屋さんの光景ですが、1970年当時は新しいものらしいです。
『新しいもの』に弱い照子はとりあえず納得。
「私はなピーンと来てん。これからはこの方法やって」
「そのピーンにばっかり頼ってたらあかんで。よう考えや」
おまゆうwww
(12週でも冬子の『ぴーん』は「ピンぼけじゃないの?」と言われてたっけ。)
さらに変わったのは販売スタイル。
これまではレジ横で店員が一つ一つとっていた、今でいうドーナッツ屋のスタイルだったのですが、トレイとトングを用意してセルフサービスにすると。
まあこれにも納得のいかない照子は「店の人間が手ぇぬいてるだけに見えるのではないか?」と。
さすがだ、この商売人魂。
ところがこれも和ちゃんが論破。
「こういう店が出始めてるんですん」
「そうなん?…てあんたまたおんなじこといって」
「池田ではここが一番乗りです」
「一番乗り?そらええやないの」
この商売魂よ。
イートインスペース、というかカフェスペースも残されました。
「お母ちゃんの歴史もここに残しときたいねん。我が家の歴史やからね、これは…」
それが冬子の思い。
母・照子、思い出の地・シャトーへの思い。
常連のお客さんも懐かしい思いに浸れることでしょう。
新鮮な空気とノスタルジーの同居。
冬子いいじゃないの、いいじゃないのよベーカリー『てるてる家族』。
(あわよくば松本書店と提携してブックカフェ、喜介さんと提携して文房具カフェでもいいと思うよ)
ちなみにテレビはどこにいったかというと。
一般家庭にテレビが普及している1970年代なので、居間の方に置くことになりました。
●米原さん、あのときは変態扱いしてさーせんした。
看板を描いてくれた米原さん。
なんとまあ店頭ポスターも書いてくれました。
さらには街頭配布用チラシまで。
10週で登場したとき、秋子のストーカーを疑われていた岡本太郎おじさんとは思えない!(そういうこと言わない)
「この店は僕にとって太陽の塔ですから!」
うん?
あ、ちょうど万博か。
えっ、もう万博の時期まできたのか!!
●大阪万博1970
大阪万博が開かれる中、栄町商店街にも外国の方が増えてます。
コント会場、もといバーバー寺井にて。
夏子は東京で活動中、秋子も勉強に没頭中。
話題はもうすぐ来る春子の巣立ち。
平気なふりをしているもセンチメンタルな春男。
「『お父ちゃんのそば離れたないねん』ボタボタ…」
新婦挨拶をまねる旦那さんなんだけど。
ボタボタってwww
それでも泣いちゃいそうな春男、ああ春男。
●ベイクオフシステム
そしてオープン当日。
忙しそうに指示出ししている冬子がほんのりアンパタースン。
(このあと「お前も手を動かせ」と怒られました)
にぎやかな工場を覗きに来たのが喜介さん。
「猫の手ぇも借りたいぐらいや」と春男が声をかけるも。
「俺どっちかいうたら犬ですから。ワン!ワンワン!」
「猿!」
なんだこの絶妙なクオリティ。
デーニッシュを作る現場をみた喜介さん。
デーニッシュを作りたいけど職人一人の自分の店では厳しい、と。
そこにアドバイスをしたのが工場長でした。
冷凍したものを自分の店で焼けばいい。
それは「ベイクオフシステム」と呼ばれるもの。
早くもフランチャイズ計画。
●それが今の幸せ
賑やかになる岩田家。
物干し台では照子が座って休んでいました。
「親いうもんは急に年取るもんなんやねえ。気ぃついたら子供に何かしてもうてる。気ぃ遣われてる」
口やかましく言ったことを反省している照子。
もしかしたらシャトーの看板を飾ってもらったことについて『気を遣われた』と思っているのでしょうか。
でも冬子はそうじゃないと思うんだよね。
……てか冬子はそんな形で気を遣う子ではない気がする。
少し落ち込む照子をフォローするように
「冬子嬉しかったんちゃうか。久しぶりに元気なお母ちゃん見られて」
そこにあったのは冬子がぶら下げたてるてる坊主。
そう、冬子はこういう素直な気遣いをする子だと思うのです。
お母ちゃんのことが大好きで、愛されたいと願って、お母ちゃんのように明るいお店をつくった。
「私らにはもう何もぶら下げることがあらへん」と言う照子は、寂しさの後ろに少し達成感のようなものもにじんでるように聞こえました。
色んなてるてる坊主をぶらさげて、明日の晴れを、幸せを祈ってきた。
ひとつひとつそれが叶った。
今や子どもたちは自立をして、末の娘が自分を乗り越えていく。
「それが…今の幸せや」
春男の優しい言葉が響く物干し台。
●家族の物語
そしていよいよ開店の朝。
一通りの挨拶を終えたあと、冬子は春男に言葉を託しました。
「みんな今日までよう頑張ってくれて、ほんまおおきに!」
冬子が宝塚を辞めてパン屋になりたいと言ったとき、春男は反対をしていました。
(19週)
そのあと20週の序盤でもまだまだ納得していなかった。
というよりすぐ飽きてしまうのではないか、頑張れるのだろうかと不安もあったのでしょう。
でも冬子はここまできた。
「おかげで俺も今ええ夢見さしてもろてる」
冬子がこの店に『てるてる家族』と名付けたこと。
それは岩田家だけではなく工場長や和ちゃんも含めての『家族』。
工場長も和ちゃんも、岩田家のような家族はいません。
13週、それから21週で、2人の過去と境遇が描かれたからこそ、『家族』の言葉の温かさが伝わります。
この場にいるのは和ちゃんと工場長ですが、他の多くの登場人物が『家族』なのでしょう。
まさにタイトル通り。
「俺は…娘に甘い父親や。娘のやる事がかわいいてしゃあない。そやからこの店もかわいいてしゃあない」
「冬子がこの店に家族てつけたんはみんなの事やて俺は思てる。そやからみんなもこの店愛したってや。よろしゅう頼むわ!」
春男にとって冬子が「かわいいてしゃあない」ように。
きっと制作したスタッフも、演じる役者さんも『てるてる家族』が「かわいいてしゃあない」のでしょう。
その思いが伝わるから視聴者も「かわいいてしゃあない」のかもしれません。
そして冬子のナレーション。
「いよいよ、てるてる家族が動き始めました」
ここからまた新たに始まる。
終盤、クライマックスなんて言わせない。
私たちの物語は今からはじまるんだ、と。
●歌って踊るベーカリー
店のオープンを迎えました。
宝塚同期生から贈られた花輪。
そうだよね、みんなと約束してたね。(20週)
麻子さんたちがタカラジェンヌとして活躍している姿が目に浮かぶようです。
冬子が宝塚のスターになることはなかったけれど。
でもそのときの経験が確実に生きている。
人生、無駄なことなんて一つもない。
積み重ねていけば必ず自分の力になる。
冬子の生き様を通して多くのことを教えられている気がします。
ってじんわりきていたら。
何この体育会系パン屋www
おいこら電気メガホン、タコ原に返しなさいよwww
ちなみにこのときの電気メガホン(2週
ああもうスイッチ入れたの誰だよwww
照子、シャトー開店の時と同じこと言ってんよwww
で、なんだよこれは!!
もうやだこの夫婦www
最近和ちゃん回や紅白回が続いて「歌少ないなー」と思った矢先に『愛の奇跡』やりたい放題。
いやいや照子、美脚だってのはよーくわかったんだけど。
あんたパンのセルフ販売に「埃がつく」って反対してたじゃないかwww
これを覗いていた人が1人。
「…アホ」
結論、やっぱり頭おかしい(超褒めてる
この状況、落ち着いて考えてみると。
長女の嫁入りを控えてセンチメンタルな父親。
子供たちの成長・巣立ちの中で寂しさを漏らしていた母親。
あと結構前に亡くなったおばあちゃん。
ああ!そうか!
照子と春男は寂しさを紛らわすためこんなぶち切れた踊りを!
ああ……
●家族のすき焼き、と見せかけて。
春子の結婚式を数日後に控えた日の夕方。
夏子が帰省してきました。
表情がすっかり明るくなった気がする。
夏子も帰ってきて久しぶりのみんなの食卓。
と思いきや。
松本夫妻乱入。
寺井夫妻も乱入。
ヒロインにカメラ持たせちゃうこの面々。
餓えた宇宙人も乱入。
……はっ宇宙人!!( ゚д゚)
●いろんなことを乗り越えてきた
そんな騒々しい居間から一転、夏子が挨拶したのは亡きおばあちゃん。
「夏子姉ちゃんが東京に行ってから、ほんまいろんなことがあったね」
「うれしいこと……悲しいこともあったね」
だけどみんな大きくなった。
健康でいてくれた。
それが何よりだ、と頷いていたその時。
おばあちゃん(故人)!!
「あの世でえらい気ぃもんだけど、楽しませてもろたで。これからもしっかりとお気張り」
「はい!」
おばあちゃん、画面に映らないところで、見守っていたのかもしれない。
もしかしたら見ている自分たちのそばにいたのかもしれない。
ヨネばあちゃんというキャラクターが、(物語上では亡くなってるんですが)キャラクターとして生きていることを思わせる一言。
どこかで大好きなテレビ見ながら見守ってたんだろうな。
おばあちゃんが亡くなったのは15週。
容態が悪化するおばあちゃんの姿に胸が締め付けられる思いでしたが、家族に看取られて「ありがとさ~ん」と旅立っていく姿にスーッと涙が落ちました。
あれから何度か幽霊として出演していますが、きっと映ってないだけでいろんな場面にいたのでしょう。
『セリフはなくても生きている』、宝塚で言った冬子の言葉を改めて実感します。
「岩田家の女は金を持ってくる」と力強い言葉で励ました、岩田家のゴッドマザー。
●あのカップに入ったヌードルの話
シャトー改装に奮闘する冬子。
そのころ秋子は……
「はあ~世界の即席麺。とうとう動き出しはったんですね」
すっかり麺類になっていました。
元々チキンラーメンの話は5週で出ていたのですが、21週でも登場していました、麺類。
秋子に「早く卒業しろや」って言われてた(21週)研究室の先輩・森野君の就職先は池田食品(モデルは日清食品)。
チキンラーメン…じゃなくてニコニコ麺を売り出して世間の麺市場を席巻するも、国相市場は頭打ち状態。
そこで海外視察に行ったときに見かけた光景、丼も箸もない食習慣の中で『コップの中に入れてフォークで食べる即席麺』を開発している時期。
言わずもがな、カップヌードルの話。
45周年迎えて謎肉で話題なう、カップヌードルの話。
(関連リンク:カップヌードルヒストリー)
森野君に連れられて、池田食品にやってきた秋子。
千吉博士との再会に喜びながら、『コップの中に入れてフォークで食べる即席麺』を試食させてもらうことに。
……。
掛け軸から突っ込むべきか、それとも社長室内にそのラーメン屋セットってあたりから突っ込むべきか。
「あの平和の湯気を丼ごとこの中に閉じ込めてしまうんや。そしたらな世界を麺類にかてできる!」
だって人類は麺類だもの。
ぶれない博士最高。
しかし問題は具。
開発担当は森野君なのですが、なかなか難航している様子。
そこに博士が喝!
「『まだ』って言うたらあかん!『はい今!』って言わなあかん!」
「頼むで!そのために君を呼んだんだ。なあ?それが君の仕事や」
時代の先駆者が叩き込む仕事の極意よ……!
秋子も開発のお手伝いをすることになりました。
あくまで非公式、秋子の経歴にはなりません。
ところでさっきから映り込んでるこのメガネの寝癖男は小池さん。
浪人時代にラーメンにお世話になってラーメン大好きの小池さん。
またラーメン好き男に小池さんってネーミングwww(wikipedia:小池さん
●フラグクラッシャー・ローリー
これで森野君と秋子の仲も深まると思いきや。
「秋ちゃあああああん!!!」
浪速のフラグクラッシャー・ローリー。
「こぶちゃー?」「こぶちゃー!」って可愛過ぎか。
(でもそれ昆布茶じゃねえwww)
そういえばローリー、宇宙人話が放置されてるままなのですが。
「そういうたら浪利君、宇宙にはいつ帰るの?」
「うーん、まだこっちにいてるつもりです」
「地球が好きなんやね」
「はい、人間が好きです」
なんだなんだこの話www
だから宇宙人話はどこに着地するんだ。
●好きの他に何が要りますか?
別の日、秋子は例の『コップで食べる即席麺』の開発のお手伝い。
問題になっていた具の乾燥でしたが……。
フリーズドライ!
そうそう、それ!
凍結乾燥装置を作らなければならなくなりましたが。
「作れるか?」
「作れるのは好きですから」
「好きなだけやろ」
「ほかに何が要りますか?」
何かを作り上げるのに一番必要なものは、その対象を好きだという気持ち。
それがまずなかったら何もできない。
千吉博士や米原さんらと出会う中で見つけた秋子の哲学。
冬子のてるてる家族開店がダイナミックに進行する中、もう一つのカップヌードルヒストリーでさらっと名言。
これがいいんですよね。
多くの登場人物の話が過不足なく同時進行していく。
別々に見えたストーリーがどこかで交わる。
一粒で二度三度おいしい。
●謎肉!
凍結乾燥装置をこしらえてる秋子。
パシリのローリーもやってきました。
秋子とローリーが千吉博士の話をしているので、「(ローリーも千吉博士と)知り合いなの?」と尋ねる森野君。
「あの人は僕が知り合うた人類の中でも変わってますねん。あっ、あの人は麺類か。ハハハ!」
ちげえ、そういうことじゃねえ。
ていうかまさか『人類は麺類』をここまでひっぱるなんて。
5週のときには想像すらしてなかったよ。
フリーズドライが完成して試食をしてみると。
「宇宙の食べもんみたいですね」
「懐かしい?」
秋ちゃん!雑にいじるのやめなさい!
「前から聞こ思てたんやけと君は宇宙人なんか?」
ほらあ、森野君があかん扉を開けようとしてる。
ローリー真顔やめろwww
この完成したフリーズドライを、千吉博士のところに持って行ってみた秋子と森野君。
謎肉!
カップヌードルウィークにこの麺類エピソードは神がかってるなあ……
フリーズドライはなかなか好評。
感激した千吉博士は秋子を池田食品にスカウトしようとするも。
うーん、池田食品への就職はあまり乗り気じゃなさそう。
そういえば春子のグルノーブル五輪からの結婚、夏の紅白歌合戦出場、冬子の新店舗などストーリーが仕上がる中、秋子のそれだけが未完成。
彼女は一体何をするんだろう。
まだまだ一波乱ありそう。
●岡本太郎とも友達です。
その秋子にもう一つ。
時は1970年。
居間にうつったテレビで大阪万博を楽しむ一同。
「懐かしなあ、岡本太郎」
「知り合いなん?」
「うんちょっと」
……確かに『岡本太郎的な人』はいるわな。
さあ、もうすぐ春子姉ちゃんがお嫁に行く日がやって来ます。
『てるてる家族』24週 その2.幸せのてるてる坊主をあなたに
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