久しぶりの山は、山形県の長井の葉山。
「クマがいます」の標識を見て、誰にも遭わない山中を少々ビクビクしながら独りで歩いてきた。
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葉山 はやま 1237m
ガイドブックでは、次のように紹介されている。
”朝日連峰の東端にあって深い信仰を集める山。「端の山」が山名の由来。
農業の神様、葉山信仰の山でもある。・・・戦国時代に開かれた朝日軍道の始点でもある。”
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林業従事者が持ち歩くような3連真鍮の鈴がついているクマ除け鈴が、かなり大きな音を立ててくれる。
まるで一人『チャグチャグ馬っこ』をやっているかのようだ。
最近のクマとの遭遇被害の報道を見れば、こんな姿も笑えるようで笑えない。
なにせ、ブナの森を今日はたった一人で歩くのだから・・・。
コースは、葉山森林公園側の葉山参道→葉山(葉山神社)→奥の院→葉山(葉山神社)→勧進代口→葉山参道入口という周回。
今回もまた、昼食の現地調達を考えていたものの、先にもコンビニがあるのではなどと思っているうちに登山口に到着してしまった。
仕方がない。
長井市街に少し入って購入。
スギに覆われ静まり返った葉山神社の鳥居前で、準備を整え、歩きだす。
(ヨウラクツツジ)
(上り始めてすぐの所にある八祥神)
(スギの巨木の根元に鎮座するのは十二神祠?)
(ヤマツツジやヨウラクツツジが気を紛らしてくれる道)
深く掘られた道は、延々と続く。
それも直登のようになっているので、けっこうつらい。
今日は乾いているが、これが雨後ともなれば滑って歩きにくいだろう。
毎年開催されている市民登山では、勧進代口から登ってこちらに下ってくるコース設定になっているようだが、それもうなずける。
(うねり絡み合うブナの巨木)
ナタで文字が刻まれてかわいそうになる。
記念のつもりだろうが、”浅はかな自分”をそこにさらしたとは思わないのだろうか?
(シラタマノキ)
(久しぶりに天井が開けた場に到着:白鷹山などを遠望できる)
(深い雪の重さに耐えたブナ林の道)
(まだまだ続く掘られた道)
(展望台)
(白鷹山を遠望)
ここでも長めの休憩。
そして少し先に登ったところにあった「鉾立の水」の標識。
覗いてみようと足を向けたが、沢の音がしてきたので行くのを止めた。
(鉾立の水)
この辺りまで来ると、下ではすでに柄だけになった花でもまだ咲いていてくれる。
(ショウジョウバカマ)
(ミズバショウ)
平場となったT字路の右前方に葉山山荘が見えてきた。
その隣には、20年に一度建て替えられているという葉山神社。
お参りさせていただいた。
※左壁の案内板には、由来と、建替え資材を人力で運んだ際に従事された方々の名が記されていた。
(葉山山荘と葉山神社)
次は、奥の院に向かう。
(ムラサキヤシオ)
(湿原)
(池塘に咲くミツガシワ)
その根元では、イモリが泳いでいた。
湿原から戻り、先に進むと、中沢峰・大朝日岳への分岐点。
(分岐点)
少し下って登り返したところが奥の院だった。
すぐに目にとびこんできたのは、青い山脈とその後方の雪をかぶった飯豊連峰。
三角形の美しい山容の祝瓶山。
まさに絶景。
(奥の院)
(白い飯豊連峰:中央に白く見えるのは石コロビ沢雪渓)
(祝瓶山:ヒメサユリを見に行きたい!!)
景色を眺めていたら、人の声がした。
3人+イヌ1頭が上がってきた。
聞けばタケノコ採りだそう。
「ここら辺りはクマがよくでるんですか?」と尋ねたら、「今日はまだ見ていない。」と返ってきた。
納得できるようなできないような回答。
とにかくよく出没するんだろうな~と思った。
その方々は、本来の奥の院側に行く(道はない)とか言って、先に下りていった。
また一人になった静かな頂でノンビリ昼食。
葉山山荘まで戻り、勧進代口への道を下った。
(おけさ堀コースは崩落のため通行禁止になっているようだ。)
(勧進代口は直進。右はおけさ堀へ。)
道は広くて快適。
つづら折に造られているので傾斜もきつくない。
時々、両サイドのブナ林の奥から獣のうなり声のようなものが聞こえてくる。
”出るな! 出てくれるなヨ~!”
そう願いながら、ひたすら下山。
(長井市街の方角)
(この辺りにはギンリョウソウがたくさん咲いている。)
(とても気持ちのよい道)
(勧進代口)
(登山口前の林道:前方は奥にむかう方向。この林道は広くしっかり整備されているが車通行は禁止。)
(歩いてきた尾根筋を仰ぎ見る)
(落石のため通行止めになっていた。登山口までは、ここから徒歩25分とある。)
(とぼとぼ歩いて広い舗装道まで出てきた。左が勧進代口への道)
葉山森林公園を目指して舗装された農免道路を、戻る。
(山の神)
(水車小屋)
(公園案内図)
すっかりナマッてしまった体には少々こたえる周回だった。
今日のコース
距離:11.72km 歩数:21,562steps
私らも犬一匹と数年前に眺めてきました。
おけさ掘りは通行禁止ですか。
ここは山中にビデオを置き忘れて1時間戻った懐かしいところ、記憶が蘇りました。
とても素晴らしい眺望でした。
祝瓶山を初めて見て、無性に登りたくなってしまいました。
おけさ堀コースは、長井市役所のHPでは解除されていないようです。
ビデオ、大変でしたね。