(キキョウ)
てっきり、秋の花と思っていたキキョウ(桔梗)。
わが郷里の方では、どことなく秋の気配が感じられるお盆のころによく目にする。
おととい、二子玉川駅近くの歩道脇で、この花を目にした。
草ヤブにいて郷愁を誘う。
帰宅後、植物図鑑などを開けてみたら、次のようにあった。
【キキョウ科キキョウ属 多年草 夏期:7~9月 分布:北海道~四国、九州 「キキョウ」は漢字の桔梗を和音読みしたもの。根には多量のサポニンを含み、有用な薬用植物となっており、特に去痰薬として有名。正月に飲む屠蘇散の原料の一つ。】
なるほど今時分咲いていてもおかしくない花と知り、ホンの少しがっかりした。
とはいえ、この花が好きだという気持ちは変わらないが。
ちなみに、万葉集では「朝貌あさがお 朝呆 安佐我保」として載っている。
山上臣憶良の、秋の野の花を詠める二首
万葉集1537 秋の野に咲きたる花を指折りてかき数ふれば七種(ななくさ)の花
〃 1538 芽子(はぎ)の花尾花葛花瞿麥(なでしこ)の花 女郎花(おみなえし)藤袴朝貌(あさがお)の花
〃 2104 朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕陰にこそ咲きまさりけれ
〃 3502 わが目妻人は放(さ)くれど朝貌の年さへこそと吾(わ)は放(さく)るがへ
※わが愛しい妻を人々は離そうとするが、幾年でも私は決して離しはしないという東歌
これまたついでと言ってはその花に失礼だが、キキョウのすぐ脇ではサルスベリも咲いていた。
こちらの花だって、いつもは8月半ばに目にしていたことから、ところ・場所によってかなり違いがあるものだと再認識した。
(サルスベリ)
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