2017.04.16(日)、花巻の万寿山で物足りず、鞍掛山にも登ってきた。
鞍掛山 くらかけやま 897.1m
※午前中の万寿山は ⇒ こちら
我が車のナビは、かなり頑固者らしい。
台温泉から滝沢市の相の沢キャンプ場へのルートを設定しておいたら、何としてでも岩手山馬返し登山口に通じる道側から行かせようとする。
確かに途中にある相の沢牧野を横切る道はあるようだが、それは関係者以外は通行禁止。
もう一本の道は、工事中で閉鎖されている。
そんなことでグルグル回り、鞍掛山の登山口のある相の沢キャンプ場に着いた時には11:30になっていた。
帰り支度をしている男性に状況を尋ね、スパイク長靴に履き替えて歩きを開始(11:46)。
選択したコースは西側から入り、東側に下りて来るもの。
見通しのきくアカマツ林に踏み込むと、登山道には積雪がかなり残っている。
それが溶けたりしているものだから歩きにくくてしょうがない。
(正面は馬返し登山口に続く道)
前方からは次々に人が下りて来る。
年配の男性に山頂までの時間を聞いたところ、約2時間はかかるとのこと。
「エッ?!」
山と渓谷社発行の『岩手県の山』によると、分岐まで35分、その先山頂まで25分とあったが・・・。
「時間も時間だし、今日2つ目の山でもあるし、花など楽しめるようでもないので、途中撤退してもいいや!」と思いつつ、先に進むことにした。
雪山に登ることをしていない自分にとって、これほど歩きにくい道は初めてといって良い。
それでも進めば達す。
(展望台)
(展望台から早池峰山の方角を遠望)
(牧野を見下ろす。)
分岐手前の沢越えの斜面では雪を踏み抜きながらも到着。
(分岐)
ここからは山頂まで1.0㎞。
しかし、風が強くなるばかりで、ノンビリ気分などにはとてもなれない。
それに、皆さんはすでに下山。
この先は我一人かと思うと少々心細くもなってくる。
またまた展望の良い場所に到着。
キョロキョロと眺めて、すぐ先に向かう。
踏み固まっているとはいえ雪は深く、歩きにくさは変わりない。
(雪庇が張り出している。)
山頂手前の最後の登りはやはりきつかった。
(写真を撮るため立ち止まっただけで、ここまで休憩はとってこなかった。)
山頂着は13:19。
眼前の岩手山は大迫力。
「デカッ!!」
岩手山には、昔、義父の案内で、わが家族で登ったことがあるが、これほど迫力は感じなかった気がする。
山頂を吹き抜ける風は強く、立っているのもつらくなる。
写真を数枚撮って直ちに下山開始。
(姫神山は左側。残念なことにかすんでよく見えない。)
雪庇のあるところを過ぎて、陽の当たる岩場で初めて腰を下ろしてしばし休憩。
行動食を頬張る。
下り始めたら、ご夫婦、それぞれソロの男性と女性、小学校高学年らしい子ども2人を連れた男性が上ってきた。
私が最後かと思い、陽射しが傾くと雪道が不明瞭になるのではなどと少しばかり心配していたのでホットした。
分岐に到着。
後はいっきに下る。
(雪がないと快適な道になる。)
左足のかかとが痛くなっていたので長靴をみたら、内張りの布が破けてしまっていた。
とはいえ、念願の山に登ることができて満足、満足。
(下山口の東側コース出口)
(案内板を拡大)
(林道)
(歩いてきた山)
(無事帰着)
駐車場着は14:15。
結果的に、案内板に記載されている3時間半のコースを2時間29分で回ったことになる。
そして我が家までは、前沢パーキングで休憩し、約3時間かけて帰って来た。
くらかけの雪
宮澤賢治
たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしやぽしやしたり黝(くす)んだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母(かうぼ)のふうの
朧(おぼ)ろなふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
(ひとつの古風(こふう)な信仰です)
1922.1.6
『春と修羅』から
ここは行きたい山のひとつですが、なかなか実現してません。
俊足で凄いです。
これほど岩手山が眼前に迫るものとは思っていなかったので、圧倒された感じでした。
俊足・・・、いえいえ、単に心配性で、”老躯にムチ打つ”ただけですよ。
新緑や紅葉の季節にゆっくりと歩きたい山と思って帰ってきました。