旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

映画『ふみ子の海』を観て感動

2007-12-30 23:59:47 | 映画・芸術・芸能
「とてもいい映画ですよ。」とチケットをいただいていたので、仙台の中心部にある桜井薬局セントラルホールに出かけた。



『ふみ子の海』とは、新潟県頚城郡の母一人子一人の貧しい家庭に生まれ、その貧しさ故に幼くして盲目となったが、按摩屋での厳しい修行や数々の試練にもくじけることなく、常に心の光を失わず、ひたむきに生きた少女の話。やがて少女は、点字を知り、学ぶことの喜び・大切さに目覚め、母の死を乗り越えていく。

この映画は、東京女子大学に進み、卒業後は新潟県の高田盲学校で教鞭をとり、生涯を視覚障害者教育に捧げた粟津キヨさんの実話に基づいたものだという。

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胸の奥のほうでジーンと熱いものが沸き起こってくる。目頭あたりにもその波動が伝わって、どうにも押さえようがないのだ。そんな自分を周囲に知られまいと、ズレかかったメガネを直すふりを繰り返す。

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それにしても、なんと凄まじい人生なのだろうか。心の中に光を持ち、幾多の困難にも果敢に立ち向かい、努力を重ね、そして得たものを社会のために役立てていく。 “生きる”とは、まさにこうした生き様をいうのだろう。

“稼(かせ)ぎ”と“務(つと)め”を混同しがちなこんにちの社会風潮を思うにつけ、
“生きる”ということの真の意味を考えずにはいられない。

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眼耳鼻舌身(げんにびぜつしん)という外に開かれた感覚器官が正常だと思い込み、さしたる努力もせずに日々を送り、果ては「早く楽をしたいもんだ。」などと、ほざいている自分の駄目さ加減を、今日は思い知らされた気がする。


  ・『ふみ子の海』公式サイト ⇒ こちら 


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