秋田駒ヶ岳は単一の山名ではなく、男女岳(おなめだけ 1637.4m)、男岳(おだけ 1623m)、女岳(めだけ 1513m)、小岳(こだけ 1409m)、横岳(よこだけ 1582.7m)や火山原、湿原などを含む山域を総称してのもの。
高山植物も多様で、花の名山としても広く知られ、全国から大勢の登山者が訪れる。
*
東北地方の梅雨がやっと明けたので、自分も登ってみることにした。
我が望むところは7月上旬だったのだが、雨続きで行動に移すことが出来ずにいた。
だいぶ待たされたおかげで、コマクサやエゾツツジ等の花々を見ることができるか心配しながらの山行ではあったが、結果は大満足となった。
自分にとって初めての山なので、次回以降のコース確認の狙いもあったことから、できるだけいろいろな場所を歩きまわりたいと考えていた。
なので、時間を稼ぐために八合目まで車使用を想定。
そのためには、通行規制がかかる5時半前にはゲートを通らなければならない。
(6月1日~10月31日までの土曜日、日曜日、祝日と6月21日~8月19日までの平日は、午前5時30分~午後5時30分までマイカー乗入れ規制。八合目駐車場の状況によっては、規制時間前でも乗り入れを規制する場合がある。)
我が家を出るのに手間取り、午前2時50分に泉PA(ETC)を抜けて東北道を北上。
現地ゲート前に付いたのが5時40分。
“遅刻”
、
仕方なく『アルパこまくさ』からシャトルバスを利用することにした。
このバス(大型)は、6時から約30分ごとに運行されている。片道600円/人。
当方は、準備体操などをしながら待ち時間を過ごし、6時30分のバスに乗りこんだ。
ほぼ満席の状態。
八合目からの歩き開始は7時10分。
ガスがかかってきそうだった山肌もだんだんと朝陽に輝いてきた。
いろいろな花々が咲き誇っている。
突如現れた草木一本も生えていない火山礫の山に、間違いなくここは活火山の地だと思い知らされる。
(気象庁は噴火警戒レベルを設定し、火山活動の監視・観測を行っている。)
▲登り始めて間もなく眼前に出現する火山礫の山
ヤマハハコやハクサンシャジンが群生する道を登っていくと、広場になっている片倉岳展望台(1456m)に到着。
▲ハクサンシャジン
▲エゾニュウの花
見上げれば青空。
眼下に田沢湖。
向かう先にはドーンと山が座って、期待がいっそう増してくる。
▲片倉岳展望台
木道が出てきたあたりからは、男岳への峰筋に幾人も見えてくる。
▲男岳の峰
阿弥陀池に到着。
周囲の景色を楽しみながらしばし休憩。
避難小屋の方向に反時計回りに池を回って、いよいよ男女岳への登りを開始。
石が敷き詰められ整備されているが、一見するところとは異なり、これが少々歩きづらい。
▲男女岳への登り
山頂は、遠方から来たらしい中年女性グループの大きな声が飛び交いにぎやか。
ソロの男性は、三角点脇の石積みに腰をおろして休んでいる。
なかなか、人の入らない写真が撮れない。
(チョッピリでいいから他の人たちにも配慮してもらえたらな~などと、思ってしまう。)
ここはすぐに退散。
▲男女岳の山頂
▲岩手山が見える
▲男岳の向こうには鳥海山
次は、男岳に移動。
馬場の小路(ムーミン谷)側に向かう斜面にはニッコウキスゲが群生。
険竣たる光景を横目に見やり、岩場を登って山頂に到着。
▲男岳登山道から女岳を望む
▲斜面のキスゲ群落
▲男岳への登り
こちらもすでに大勢の人。
それに2方向から次々に登ってくる。
とても落ち着いてはいられない。
▲男岳山頂
▲五百羅漢の方角を遠望
「五百羅漢はどれでしょう?」
わたしも隣にいた若い人も、その方角から登って来た方々に訪ねてみたが埒(らち)があかない。
馬場の小路(ムーミン谷)への分岐も同じ方角なので、まずは行ってみることにした。
この下りはかなりの急角度。
落石を起こさないように注意して降りる。
大岩に到着。
そのすぐ先に、これまた大岩が縦屏風のようにそびえたっている。
標柱らしき杭があったが、判別不能。
確認しないで済ますわけにはいかないと大岩の下を通り反対側に回ったら、標柱があった。
▲大岩
▲五百羅漢
▲五百羅漢側から降りてきた男岳の方角を見る(真ん中の白い点は人)
ほんの少し来た道を戻り、いよいよムーミン谷に向かう。
▲ムーミン谷
しかし、この分岐点には標識らしきものが無い。
行く手はヤブ。
(つい先ほどまでは、かなり前方を行く男性に“どうしてあんな道のない所にいるのだろう?”と不思議がったほどだった。)
道は生い茂った草木に覆われている。
▲ヤブ漕ぎ状態の馬場の小路への道(このあたりはマップでは破線表示)
それでも右手に女岳を見ながら進めば、国見温泉側からの道との交差点に到着。
わたしよりも少し年上と思われるソロの男性と話をしながらしばし休憩。
(体調がいまいちすぐれず、戻るか進むか迷いつつここまで来たと言っていたが大丈夫だったろうか・・・。)
▲急峻な壁(大きな地震でも来たら落石をよける場所がない・・・!)
▲ムーミン谷
駒池周辺は、ハクサンフウロ、チングルマ、エゾツツジなどの大群落。
まさにお花畑。
時間があれば飽かず眺めていたいほど。
▲駒池
▲ハクサンフウロ
▲チングルマ
▲エゾツツジ
小岳の裾を先に進むと、礫の斜面。
ここからは大焼砂の上りが始まる。
“コマクサだ!!”
▲コマクサ
厳しい風雪や乾燥に耐えて荒れ地に咲くこの花は、あまりに可憐で美しい。
その分、見る者の心に様々な思いを起こさせる。
ここで昼食。
(携帯には、宮城県沖で地震発生。秋田は大丈夫かと、家族からのメールが入っていた。)
大焼砂の斜面を難儀しつつ登り終えると横岳。
こちらも大勢が休んでいるので写真を1枚とって移動。
▲大焼砂(なだらかに見えるが歩くとなると結構斜面がきつい)
▲横岳
▲横岳手前から見下ろすムーミン谷
「馬の背」の方向に行ってみた。
▲馬の背から阿弥陀池・避難小屋の方向を見る
また横岳まで戻り、焼森に向かう。
ツアーガイドさんが、「ここはシャクナゲロードです」と説明していた。
▲焼森への道
焼森からの下りもコマクサが楽しめる。
▲コマクサ
ザラザラと滑る道を降り、低灌木の間を抜け、沢を1本越えたらほどなくして出発点の八合目に到着。
時間は午後2時。
▲八合目遠望
いつもながら写真をとったり、長めの休憩をとったりとけっこうな時間を費してしまった。
2時40分のバスで『アルパこまくさ』に戻る(到着3時すぎ)。
3時半に駐車場を出て、仙台着が午後7時を少し回った時間だった。
(帰路の途中、前沢パーキングでラーメン休憩)
一人運転では少々シンドイが、充実した一日となった。
▲今日歩き回ったコース
※出合った花々 → こちら にも掲載しています。
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