最近デジタル作業と、手作業の違いがふと疑問になり考えてみました。手仕事時代には、下書きやアイディアスケッチなるものを色々描いた物です。だいたいの完成図が出来ると実際の作業に取りかかります。制作途中でも色々考えながら、微修正を行い完成迄一直線に進めた物です。手作業の場合、やり直しは出来ませんので、一筆一筆が真剣で独特の緊張感に包まれる作業です。また、たえず自問自答しながら進め、作品を確認しながら進めていく自分がいます。
一方、デジタル作業はどうでしょう、完成図は頭の中だけ、手順も手作業の順番とは大きく違います。デジタル作業の場合には、素材の仕込みとでも言いましょうか、とにかく必要な素材集めから始まり、次にその素材に対して加工処理を行う作業です。ちなみに素材をきれいに切り抜いたり、色を変えたり、大きさを変更したり、とにかく手仕事ではまったく考えられなかった作業が必要になります。作品を完成すると言うより、オペレーション作業の積み重ねです。この感覚は絵筆を握る物とはまったく別の物でしょう、従って良く「めんどくさいんだなぁ~」と言った声が聞こえて来ます。確かに手作業ではなかった作業をするのですからその感想も納得出来ます。つまりデジタル作業に置いては、まったく異なる性質の作業をこなして行かなければならないと言う事でしょう。
従って、パソコンは苦手と言う人も多くいます。たとえ使っていても、自分と相性の良いソフトしか使用していない人も沢山います。ましてや、このごろのソフトは二次元ソフトなのに三次元加工が出来るようにバージョンアップをしているので、益々混乱をきたす人が増えています。
アイディアを形に変える作業には、発想したものを再現する技術とそれとは逆に、技術から発想してアイディアを生み出す事も出来ると思います。とにかくパソコンと言う道具をどのように使いこなすのかが発想の分かれ道ではないのでしょうか?あくまでも命令を下さなければパソコンは動作してくれません、その命令を下すのは自分の発想そのものです。
パソコンならではの魅力も多いのですが、いまだに人間の描く魂のタッチを超える事は難しいのでしょうか?