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日本の安全保障の選択肢

2015年07月29日 | 安保・国益



日本の安全保障のあり方について、

1)日米同盟(または西側)堅持、
2)中露陣営に鞍替え、
3)自主独立、

という選択肢の話が出回ってるが、実際にはそんなのは選択肢にならない。まず、3の自主独立も日米同盟破棄であり、潜在的には米国の敵になる可能性を秘めている。少なくとも米側はそう見る。

それは、今の韓国を見る米国の視線を考えればわかる。あるいは、鳩山内閣が長期間継続した場合に米国が日本を見る目を考えてもわかる。この自主独立の選択肢では、日本の防衛費が3倍とか5倍になるとかいう試算もあるが、本当の問題はそこではない。米側の危惧はむしろ日本が中露鞍替えに転じる可能性にある。

日本が自主独立を目指しても、当然ながら日米同盟を破棄すれば中露は日本の切り崩しにかかる。今ですら中国などからの工作が盛んに行われている。従って、日本の自主独立は米側から見れば中露鞍替えの疑いを持つ。日本の経済力と技術力、そして自衛隊が中露側に転じたら、米国はどうなるか。

今ならまだ「第一列島線」が最前線だとしても、日本が寝返ったら、ハワイを抜けていきなり米本土西海岸が最前線になる。しかも、合同演習で米軍幹部も一目置く自衛隊がその敵陣営に加わることになる。こんな状況を米国が黙認することは絶対にない。戦争をしてでも日本を敵陣営に渡すことはない。

日本は資源がない国などと自虐しているが、米中軍事対立で見れば日本は米国にとって死活的ともいえる戦略的要衝である。海軍基地としても、目前に深い海があり、潜水艦の運用に適している。水深の浅い中国近海とは違う。そして、日本海に封じられた朝鮮半島とも違う。日本の戦略的価値は大きい。

つまり、日本の自主独立志向は、日本が米中戦争の戦場になるリスクを激増させる。もちろん、選択肢2の中露陣営鞍替えも同じである。日米同盟というのは、日米戦争を再び起こさないための抑止力となっていることも理解すべきである。戦争反対、と言うなら事実上日米同盟堅持以外に選択肢はない。

だが、それではいつまでも米国の属国でいるのかという反論も出るだろう。属国のように見えるのは日本が個別的自衛権しか有しないような非対称の日米同盟だからである。これを対象にして、武器輸出も解禁し、武器の共同開発も推進すれば、日米は対等に近づく。これが日本の現実的選択肢である。



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