なんとなく考えてみた。
《戦車の諸元》
10式戦車
全長 9.42m
全幅 3.24m
全高 2.30m
重量 約44t(全備重量)
《浮くための計算》
運転席ハッチが水面上に出る程度として、吃水を1.3mに設定。
すると、吃水下体積は、高さ1.3m、幅3.24m、長さ9.42m =体積 39.7m^3
従って、理論上は体積を4.3m^3追加すれば水の密度と等価になる。
《浮体》
浮体構造物の重量を1tとしても、5.3m^3追加で浮く。
浮体は、幅3.24m(10式戦車と同一)、高さ1.0m、長さ1.7mもあれば良い。これで5.5m^3
計算上はこの浮体1個で浮くが、余裕を見てこれを前後に装着すると水面下総体積50.7m^3(39.7+5.5+5.5)、重量47t(44+1+1)なので浮く。
浮体構造は、金属ケースの中に発泡スチロールを封入したものなどを想定。この構造により、多少穴が開いても浮力が失われることはない。
《推進》
後部浮体に、キャタピラに押し付けるようにローラーを設け、これの回転を後部シャフトに伝達し、このシャフトでスクリューを回転させることで水上航行が可能となる。
地上走行の戦車は、左右のキャタピラの回転差を利用して旋回するが、水上航行中も全く同じ操縦方法で左右のスクリューの回転差で転舵する。
《装着方法》
日本の戦車には車高調整機能があるので、地上に置いた浮体に接近し、車高を下げてドッキング。そして、車高を上げれば、登坂性能に制限は生じるが通常走行可能。ロック方法は未検討。
《本方式のメリット》
1)専用の水陸両用戦闘車両を用いる必要がなく、通常の戦車を水上航行可能に容易に転換できる。
2)水上航行時の操縦方法が地上走行時と全く変わらない。
3)浮体構造物が簡素で、比較的低コスト。
4)上陸後は前後浮体を切り離すことで、通常の戦車としての性能を発揮できる。
《特許》
特許情報プラットフォームで「戦車 浮体」と検索した限りでは該当出願なし。
本提案方式が、特許に値する新規性があったとしても、当ブログで公開したことにより「周知の事実」になるので権利化不可。
(本記事の公開日は2016年1月24日)