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神戸の経験から

2016年05月26日 | 震災・災害


連続ツイートに反響をいただいたので、自分のツイートだけまとめました。

元tw https://twitter.com/ZF_phantom/status/734685310034968576



(被災1ヶ月後の熊本の状況は、他の震災と比べてどうか、との投げかけに対して)

ツイッター上で見える今の熊本の悪い部分と、私がいた当時の神戸の某避難所で比べると、熊本の方が悪いですね。
炊き出しに涙とか、着替えなしで洗濯もできず、なんて事例は神戸では聞いてません。まぁ、当時はSNSなんてなかったですけど。

あと、今、避難所生活の方が何人か、毎日の食事をアップしてくれてますが、あれを見ると、私がいた神戸の某避難所の方が食事は豊かでしたね。

熊本/神戸
朝:パン1個/パン欲しいだけ
昼:なし/朝と同じパンの残り
夕:粗食/炊き出しで温かい食事(カレーとか豚汁とか)


(避難所の運営)

熊本避難所の問題の要因としては、行政主導の運営体制にあるのではないかと疑っている。

私がいた神戸の避難所は、校長が責任者だったが、実働としてはボランティア+避難者の代表と有志で運営されてた。行政からは連絡要員が1名張り付いてたのみ。避難生活上の不都合はこの連絡要員を通じて要求。

避難者の代表が避難所運営に参加してることは非常に重要。同じ空間にいても、ボランティアや行政職員には、避難生活上の不都合がわからないことが多い。避難者の代表は、避難所内の避難者に広く声を掛けて、生活上の不都合を夜の運営会議に伝えるだけでいい。大半は翌日に改善できる。一種の改善活動。

私は神戸の避難所に入ってすぐに、これはある種のサービス業だと悟った。だから、日帰りのボランティアや、被災者の中高生らを使って、生活環境の改善や学校再開への準備をどんどん進めた。支援物資もじゃんじゃん配った。(=神戸市が仕分けもせずに一方的に送りつけてくるから)市への要求もやった。

避難所運営のボランティアではあったが、周辺被災者への支援もやった。部隊を派遣して、周辺被災者への飲料水の運搬や、倒壊家屋からの私物の発掘までやった。(今なら問題視されそうだ)外部からの炊き出しの時は、周辺被災者への声かけもやった。防災計画なんぞ知らないが、当然と思って実行した。

今の熊本避難所の運営職員がどういう意識でやってるのか知らないが、毎日同じように運営することを目的にしているならそれは違うと思う。被災から日数が経てば被災者は元の生活に戻るべく生活品質の向上を求める。だから、運営する側も毎日生活環境の向上を達成せねばならない。前日と同じではダメ。

着替えの下着がないというなら何がなんでも手配するのが仕事。当時はSNSはなかったから、市の連絡要員を通じて嫌というほど請求した。誰かのツイートで「上から何も言ってこないのでわかりません」と言ったという職員がいたらしいが、「だったら100回でも問い合わせろ!」と怒鳴りつけたい。

私は今、多くの被災者からのつぶやきを俯瞰してみて、この運営スタッフの意識の差を非常に強く疑っている。現場からガンガン要求なり問い合わせなりをしなかったら行政の幹部に問題点が伝わるはずがない。いや、それ以前に住人である避難者からの生活上の不都合を十分に汲み取っているのか?

避難所の避難者代表を運営に参加させた方がいいと何度もお伝えしているのも、そういった生活環境の継続的改善に絶対的に必要だから。避難所内で工夫できることなら翌日には改善できるし、行政に要求すべきことは執拗に要求すればいい。それでなんとかなる。今の熊本にそういう改善活動があるのか。


(食事)

ついでに朝食についても触れる。神戸ではパンだけは潤沢に届いた。だから、朝食の時間はテーブルをずらりと並べてパンをトレーごと陳列し、中高生や小学生までもが売り子になってどんどんやってくる避難者に好きなだけ渡した。小学生が「クリームパンありまーす!」とか声を張り上げていたのだ。

余所者がこう言ってはなんだが、この朝のパン配給の時間は楽しいのですよ。小中高生が一生懸命声を張り上げて、自分の担当のパンを避難者にオススメしてるわけ。活気があって、避難生活の中でもみんな笑顔になる。こういうのは重要。今の熊本にそういうシーンはあるのだろうか。

ついでに夕食も。私は深くタッチしてなかったので記憶が薄いが、いつの間にか避難者自身で炊き出しが始まっていた。主婦が主体だと思ったが、女性たちが10人以上でワイワイやってた。もしかしたら、周辺の被災者もいたかも。夕方になると女性たちが「味噌がなーい!どこぉ~??」とかやってた。


(イベント)

あと衣類の配布。当時は、市が一方的に箱ごと送りつけてきたから、何が入ってるかわからない。衣類は良品からゴミまでさまざま。だから、晴天の日に校庭にブルーシートを敷いてバザーみたいなことをやった。「欲しいものあったら全部持ってってー」と。もう百貨店の大セールみたいに商品の取り合い?w

避難所生活なんて基本的に辛く苦しいことのはずなので、そういったイベント的な活動で声をあげて騒いで、時には大笑いすることが実は大事なことだと思う。すべて意図的にやったわけではないが、試行錯誤の結果としてそうなった。今の熊本でそういう努力や配慮はなされていますか?



(参考)

熊本の避難所で何が起きてるのかが垣間見れる。
https://twitter.com/ZF_phantom/status/735652535579512832



(おまけ)

被災地であっても、衣類などの配布会は楽しい。これは東日本大震災の津波被災地でも何度も配布した経験。

こういう雰囲気で盛り上がる。

被災女性A「ちょっと、これあんたに似合うんじゃない?w」
被災女性B「えー、派手すぎない??w」
被災女性A「ねぇ、これ似合うわよね?」(配ってる私に対して)
私「大丈夫ですよ。それにサイズもぴったりだしw」

被災妻C「あんた、これ着なさいよ」
被災夫D「これは俺はいらねーよ、ヤクザみてぇだろw」
被災妻C「いいじゃないよ、他に着るもんないんだからw」

苦しい避難生活にあっても、こういう笑顔が出るイベントを仕掛けた方がいいと思います。芸能人に頼らなくても自分たちでできることもあるのですよ。




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