自分が嫌で吐き気がする
こうして毒を吐き出せるだけマシなのだと思う
毒を吐けない自分が、ひとまえでは笑顔をつくり、吐かず繕う
毒はこの身にたまるものと知らず
毒はこの身を侵すものと知らず
他者から言われるのはいつも
本音で話せと
好きなことを正直に言えと
嫌いなことを正直に嫌いと言えと
思ったことを口にしろと
辛いことは辛いと言え
子供の頃から失った「自分」がどこにあるのか
どれが自分か、どれも自分でないのか
もう何十年も思ったことを言わず
相手の聞きたいことを感じとり
相手の期待した行動を演じようと気を張り
それが自分だと思い続け
「本音」ではなく自分の姿が誰にどう映るかが「本音」だと信じ続け
失ったものを探す手段も失ったいまは
ただ吐けるときに
こうして毒を吐くことしかできなくなった。