介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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いろんな視点

2008-01-31 14:43:30 | 加計呂麻島
【離島の離島】
奄美大島の中で一番大きい島が奄美本島で
その南部に3つの島がある。

加計呂麻島、請島、与路島の3つです。

これまでの文献では、
・この3つの離島を「離島の離島」と呼ぶ場合(1990年、松浦)
・請島と与路島の2つを「離島の中の離島」と呼ぶ場合(1987年、仲地)
などがあります。

今回、読み始めた『離島の離島における高齢者の自立生活と地域の役割に関する関する研究』
(2006、鹿児島国際大学。研究代表者:小窪輝吉)では、
・請島と与路島の2つを対象とした分析
・この3島を対象とした分析
・瀬戸内町(3つの離島のほか、古仁屋地域を加えた町域)を対象とした分析
など、幾つかのパターンが混在しています。

【加計呂麻島の高齢者】
このブログでは、話をわかりやすくするために、加計呂麻島の高齢者を対象とします。
・古仁屋の中心部や、周辺の集落には「離島」というイメージよりは大きい。
・請島と与路島は、うんと小さいのと、私自身が渡っていないので土地勘がない。
というのが主な理由です。

【いろんな見方】
1 この調査を実施した鹿児島国際大学の研究グループは、「離島ゆえの自然の厳しさや社会資源の不足から、高齢者の生活には困難が伴っている」という仮説というか前提を持っていると思います。
いわゆる「過疎地域における高齢者の福祉」という先行研究は沢山あります。

2 ところが、まだ報告書を終わりまで読んでいませんが、このような予想とは別に、離島の高齢者は、
「介護サービスの量や質に関する苦情や希望に関してあまり聞くことはなかったようにも感じ」ている。(報告書、p16)
「そこに存在する豊な人間関係が創り出す文化や生活の知恵を包含した自立生活に満足している姿もうかがえ」た。(報告書、p16)

3 このブログのブックマークには、古仁屋に住むガイドさんと、加計呂麻島に住むガイドさんの2つのブログをリンクさせていただいている。
この正月に、たまたまお世話になった方です。
*加計呂麻島の方とは、フェリーの待合室で1分間お話しただけですが・・・

この2つのブログには、また、多数のブログがリンクされています。
加計呂麻島の方のブログには、同じ加計呂麻島だけで7つのブログがリンクされています。この沢山のブログからうかがえる島の様子には、「福祉サービスを待つ高齢者」というイメージはあまり登場しません。ブロガーが若い人たちということもありますね。

【島の人口の43%は高齢者】
報告書では、2002年の統計として、
加計呂麻島の人口は、1711人。
65歳以上の高齢者は、842人となっている。高齢化率は、43%
(2004年10月では、高齢者は798人で、高齢化率は48%に上昇)
*報告書の対象となった研究は、2003年から実施されている。



  
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2 コメント

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Unknown (masa)
2008-02-02 21:41:38
加計呂麻の知的障害者更生施設で2年半ほど働いていました。対岸の古仁屋から船通勤しながら。

加計呂麻は「離島故に高齢者が苦しんでいる」もしくは「自立生活に満足している」と割り切れるものではなく、相反するものが同時に内在している状態を感じていました。学校や郵便局が統廃合され、集落自体の存続が危ぶまれている地域もあります。いろんな見方、多面的な見方をしないと、なかなか本質は見抜けないと感じました。スイマセン、上手く表現できないのですが。

学生時代、仁木立先生の講義を受けたことがあります。情熱的な先生でした。
加計呂麻 (bonn1979)
2008-02-04 10:44:08
masa さん
コメントありがとうございます。

5年前に
大学の同僚たちが手間と時間をかけてまとめた調査
の報告書を手にして
これを自分のなかでは
どう位置づければよいか
迷っていましたので

加計呂麻での勤務経験
しかも福祉関係の専門的な視点を
おもちの
masa さんからのコメントは
まことにありがたいです。

二木先生の講義を聴かれたとのこと
うらやましいです。

私自身は先生とは面識がないのですが
1986年に私が最初にして唯一の本を出したときの
親切で的確な批評、というか励ましをいただいて以来
折に触れて先生のご本を通じてご指導いただいています。

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