介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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認知症ケアのビジネスモデル

2008-01-31 12:01:25 | 医療
【介護保険の評価】
二木 立先生の『医療改革』を読んでいます。
今日で9回目です。

今日は、
第4章の後半
第2節 認知症ケアのビジネスモデルを考える
です。副題に、ー「コムスン処分」の意味にも触れながらー
とあります。もとは、2007年9月に書かれた論文です。

認知症への対応は、介護と医療の両側面があり、この両方の政策を関連付けて考察できる先生は二木先生のほかはあまり見当たらないですね。

【認知症ケアのビジネスモデル】
フィールド調査を元に、認知症ケアのビジネスモデルを考える上での留意点として、次の4つをあげています。

1 「在宅」と「施設」を対極に考えない。
2 医療保険と介護保険を通じた「公私2階建て化」
3 保健・医療・福祉サービスの連携と統合
4 コムスン処分の意味

以下、各項目に付いて、要点をメモ。

【認知症は軽度を除き、自宅でのケアは難しい】
「在宅重視」ではあるが、「居宅系サービス重視」へと厚生労働省は方針転換した。自宅以外での多様な居住の場を整備する。
・グループホーム
・高齢者専用賃貸住宅

【公私2階建て化へ】
2005年・2006年に行われた医療保険と介護保険の改正によって、階層的な消費が制度化された。

・低所得者 特別養護老人ホームの大部屋    負担額は、月額5万円
・中所得者 個室・ユニットケア、グループホーム  負担額:10~15万円
・上所得者 有料老人ホーム            負担額:20万円以上

【保健・医療・福祉サービスの連携と統合】
今後急増する重症の認知症者、他に身体疾患を有する認知症者のケアでは、保健・医療・福祉サービスの連携と統合が不可欠になる。

サービスの連携と統合には2つの方法:
A型 独立した施設・事業者のネットワーク形成
B型 同一の法人・グループが保健・医療・福祉のサービスを一体的に提供する

先生は、(A・B)ともに、一長一短あるが、現実的には、(Bの)複合型が有利に働く、と予測する。
*「A」「B」は、ブログ編集者がつけた便宜の呼称です。

しかも、最近、厚生労働省は、複合体や医療法人の優遇策を導入している。

【コムスン処分の意味】
・介護事業の全国展開モデルは破綻した。
・病院経営でも、全国展開は徳州会グループだけであり、大半の病院グループ・「複合体」は、1都道府県内で事業展開している。

・厚生労働省は、民間企業に愛想を尽かしたのではないか。
(医療機関は、ここまでひどくはない・・というのが本音か)
*千田敏之氏を引用(元『日経ヘルスケア』編集長)

【玄人でないとわからない記事】
今朝の日経紙
p5:
・医療費を審議した中央社会保健医療協議会は、昨日、開業医の再診料引き下げをとりやめることに。4月に医師会の会長選挙があるとか。政治情勢。
・今日開催予定の、経済財政諮問会議で太田大臣は先端医療についての特区を提案予定。

こういう記事は、二木先生のご本などをしっかりと読み込んでいないと、よく理解できませんね。
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