介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3664号 イギリスでは、介護サービスをどうしようとしているのか?

2010-04-27 15:18:47 | 地球→ドイツブログ
写真は、加計呂麻島。安脚場から大島海峡を望む。徒然なる奄美 2010.04.26 からお借りしています。


介護政策の国際比較では、ドイツとイギリスの研究が重要だといいました。

第3628号


イギリス政府は、2010年3月30日、今後の介護サービスのあり方についてとりまとめました。

その中心となる文書を

坂之上介護福祉研究会(資料編)

にアップしています。英語で161ページあります。
イギリスの社会保障を研究している人がフォローしていると思いますが、重要な内容を含んでいるので、少しずつ読んでいます。

今日までで、第3章(65ページまで)を読み、その項目だけですが、上記「資料編」にアップしています。

第1章

第2章

第3章


第3章 どのような議論があったか?

【第3章の内容】
2009年7月に刊行した緑書Green Paper「ともに将来のケアを考えよう?」Shaping the Future of Care Together以降、2009年11月13日までに、どのような議論があったのか?これについては、この白書とは独立した文書Consultationに詳しくまとめているが、第3章では、これを概観してみよう。

2009年7月14日から2009年11月13日までの4ヶ月間に28,000通の意見が寄せられた。
正式の意見聴取の手続き以外にも、Facebookやtwitter、さらには議会の討論という形でさまざまな意見が寄せられた。

この討論期間に政府が国民に問いかけた課題は、以下の3つである。
1 介護サービスの将来構想
2 構想の実現方法
3 財源に関する選択肢

【将来構想】
1 予防サービス
2 アセスメント
3 連携
4 情報と示唆
5 ケアと支援の個人化personalized
6 財源
7 残された課題
(1)ケアと支援の定義
(2)人権
(3)多様性
(4)独立
(5)介護者
(6)サービスの質
(7)参画
(8)持続性
(9)安全の維持

【財源に関する論議】
1 財源の選択肢
2 給付のタイプ(障害者手当の位置づけ)
3 国と地方とでどう分担するか

財源論としては、
(1)個人負担
(2)支払いに応じて支払い、給付は無料(A Comprehensive)
(3)個人と政府で分担(A Partnership)
(4)リスクを保険化する (An Insurance)
(5)税金による負担

第3章では、
この5つのうち、まず、(1)と(5)の両極の選択肢は現実的ではないと退けている。

討論期間中の人々の意見は、
・支払いに応じて支払い、給付は無料 (A Comprehensive) →41%
・個人と政府で分担(A Partnership)             →35%
・リスクを保険化する (An Insurance)           →22%
だった。

この3つの案の詳しい比較は、あとの章で行われるが、論点として、

・退職時にまとめて支払うことには賛成が少ない。
・重篤なケアの場合の費用を負担できるか。
・宿泊費用を入れるかどうかは意見が分かれた。

があげられている。
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2 コメント

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お元気ですか (今村利香)
2010-05-14 11:42:45
古瀬先生、お久しぶりです。
大学院在学中には大変御世話になり、ありがとうございました。

先日名刺の整理をしていたところ、先生から以前いただいていたアドレスが出てきました。
こちらを開いたら、陳さんが管理されている事もわかりました。
色々と最新情報も入っており、興味深くは意見させて頂きました。

実は、今度の22日にある研究会開催についてもご紹介させていただきたく、メールいたしました。鹿児島大学と大阪府立大学と共催にて研究会を開催いたします。
鹿児島大学のMoodle活用実践についての基調講演や大阪大学大学院のグローバルCOEプログラムについての報告、四国にある大学が協力してeラーニングシステムを活用して優れた人材育成を図る取り組みについて、京都外語大学のICT活用によるFD支援システムについての研究実践報告会があります。大阪府立大学の真嶋教授、中村教授グループが、現代GP,科研研究の予算を下に毎年全国の大学と共催しておられるようです。
今年は鹿児島大学との共催の申込があり、私は現地係員として活動させていただくことになりました。学生の参加も可能とのことで、陳さんにもお声かけさせていただきました。
先生は御忙しいとは思いましたが、お声かけさせて頂きました。多くの方々の参加をお待ちしておりますので、お知り合いの方等いらしたら、今村までご連絡いただければ幸いです。

それでは、失礼いたします。


鹿児島大学医学部保健学科 今村利香
FAX:099-275-6748
メール:i-rika@health.nop.kagoshima-u.ac.jp
掲示してありました (古瀬 徹)
2010-05-14 15:44:33
今村理香 さま

コメントありがとうございました。

ご案内の資料は
6号館の掲示板に情報として張ってありました。

博士の発表の際にも
お聞きした内容ですね。

当日は
あいにく先約で私自身はうかがえません。

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