【社会福祉学はあるのか?】
大学には「社会福祉学部」という学部があるし、「社会福祉士」という国家試験もあるから「社会福祉学」はたしかにあるといえる。最近は、学部だけではなく、修士課程や博士課程ができている。
それでも、いまひとつ確信が弱いのは、
・旧国立大学の学部には「社会福祉学部」はおろか、「社会福祉学科」もない。
*最近、大分大学などに社会福祉学のカリキュラムができていることは注目されます。
・歴史のある私立大学でも、最近までは、社会福祉学部はおいていない。
*早稲田大学にできている。慶應義塾大学にはない。私立大学の名誉のために言うと、東洋大学、同志社大学、日本女子大学、上智大学、明治学院大学など、長い社会福祉教育の伝統がある大学も多い。
【アメリカのソーシャルワーク教育も他分野に比較すると】
ソーシャルワークとは、社会福祉学の技術的側面と考えてよいが、大学院教育のレベルの高いアメリカにおいても、このソーシャルワーク分野の研究能力に疑問が呈されてきた。
今日、紹介するのは、アメリカの福祉分野の代表的な研究誌である
Social Work Research の最新号で、この問題をとりあげていたからです。
季刊誌ですが、その最新号としてデーターベースからプリントした2008年3月号、冒頭の論説。p3から3ページ。フルテキスト1502語。
著者は、Jeffrey M Jenson 、デンバー大学の博士課程の責任者。
【キーワードは】
論文の原題は、
Enhancing Research Capacity and Knowledge Development through Social Work Doctoral Education
キーワードは、
Social work
Research
methodology
Investigations
Studies
【要点】
・アメリカのソーシャルワーク教育の博士課程の教育プログラムでは、調査方法に関する部分がかねて弱いと指摘されてきた。
・このことが困るのは、調査法の厳密さが他の研究分野(例:教育学、心理学)との合同研究が研究費を獲得するためのポイントとなり、調査法の弱いソーシャルワークがネックとなっている。
・多くの博士課程(ソーシャルワーク)では、修士課程のカリキュラムとの違いがなく、明確な基準・シラバスを持っていない。
【幾つかの先進事例・・・ウェブサイトが紹介されているので後日紹介します】
・Hartford Foundation(老年学)
・ワシントン大学(セントルイス)
*この雑誌では、3件の進んだ調査方法による論文が掲載されている。
【日本の状況】
2007年4月に博士課程を作ったばかりの私の勤務先の大学では、まさに格闘中の課題です。
最近、日本社会福祉学会の研究誌などでは、かなり精緻な研究方法で装備した論文が増えてきました。
他方では、「研究のための研究」という色合いの論文も散見されるように感じます。
*写真は、カントリー雑貨「さくらんぼ」の棚から。
大学には「社会福祉学部」という学部があるし、「社会福祉士」という国家試験もあるから「社会福祉学」はたしかにあるといえる。最近は、学部だけではなく、修士課程や博士課程ができている。
それでも、いまひとつ確信が弱いのは、
・旧国立大学の学部には「社会福祉学部」はおろか、「社会福祉学科」もない。
*最近、大分大学などに社会福祉学のカリキュラムができていることは注目されます。
・歴史のある私立大学でも、最近までは、社会福祉学部はおいていない。
*早稲田大学にできている。慶應義塾大学にはない。私立大学の名誉のために言うと、東洋大学、同志社大学、日本女子大学、上智大学、明治学院大学など、長い社会福祉教育の伝統がある大学も多い。
【アメリカのソーシャルワーク教育も他分野に比較すると】
ソーシャルワークとは、社会福祉学の技術的側面と考えてよいが、大学院教育のレベルの高いアメリカにおいても、このソーシャルワーク分野の研究能力に疑問が呈されてきた。
今日、紹介するのは、アメリカの福祉分野の代表的な研究誌である
Social Work Research の最新号で、この問題をとりあげていたからです。
季刊誌ですが、その最新号としてデーターベースからプリントした2008年3月号、冒頭の論説。p3から3ページ。フルテキスト1502語。
著者は、Jeffrey M Jenson 、デンバー大学の博士課程の責任者。
【キーワードは】
論文の原題は、
Enhancing Research Capacity and Knowledge Development through Social Work Doctoral Education
キーワードは、
Social work
Research
methodology
Investigations
Studies
【要点】
・アメリカのソーシャルワーク教育の博士課程の教育プログラムでは、調査方法に関する部分がかねて弱いと指摘されてきた。
・このことが困るのは、調査法の厳密さが他の研究分野(例:教育学、心理学)との合同研究が研究費を獲得するためのポイントとなり、調査法の弱いソーシャルワークがネックとなっている。
・多くの博士課程(ソーシャルワーク)では、修士課程のカリキュラムとの違いがなく、明確な基準・シラバスを持っていない。
【幾つかの先進事例・・・ウェブサイトが紹介されているので後日紹介します】
・Hartford Foundation(老年学)
・ワシントン大学(セントルイス)
*この雑誌では、3件の進んだ調査方法による論文が掲載されている。
【日本の状況】
2007年4月に博士課程を作ったばかりの私の勤務先の大学では、まさに格闘中の課題です。
最近、日本社会福祉学会の研究誌などでは、かなり精緻な研究方法で装備した論文が増えてきました。
他方では、「研究のための研究」という色合いの論文も散見されるように感じます。
*写真は、カントリー雑貨「さくらんぼ」の棚から。
ほぼ毎日お邪魔しております。『Social Work Research』の特集の要約紹介とても興味深かったです。アメリカでも調査法において課題があるのですね。英文ということで怖気づいていますが、今度母校の図書館で原文を読んでみようと思います。
日常の中に溶け込むように、やさしい言葉で福祉や社会政策について語られる姿勢には学ぶことが大きいです。
あと、ランチの写真、いつも美味しそうですね(笑)
また、お邪魔します。
コメントありがとうございます。
ごった煮のブログですが
お読みいただいてうれしいです。
今朝は、
調子に乗って、オランダの先生が電子雑誌にかいた論文をネタにアップしました。
こちらの方は、クリックで原文を読めます。