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第3967号 高木 剛:ドイツにおけるAltenpflegehelferの養成制度

2010-09-28 10:36:03 | 介護福祉
第18回日本介護福祉学会における発表の紹介シリーズもこれで終わりです。
* 石川 彪、太田貞司両先生の発表についての続報を別途予定しています。

9月19日 第6-A 分科会 9:20-9:40 要旨集 p.158
高木 剛(浦和大学短期大学部)による「ドイツにおけるAltenpflegehelferの養成制度」です。

【解題】

高木先生は、これまでもドイツの介護職に関する論文を多数発表されています。

ここで、Altenpflegehelfer というドイツ語を分解して説明します。
Alten 老人
Pflege 介護(ドイツ語のニュアンスとしては、日本語の「看護」にかなり近い)
helfer 助手

言葉でみるとおり、これまで、「介護福祉士」と類似するものとしてわが国によく紹介されてきたAltenpfleger (老人介護士)と関連する職種です。

以下、要旨集に従い、その要点を整理します。
*Altenpflegehelferを高木先生にならい「APH」と略称します。


【APH】

APHは、AP(Altenpfleger)の業務を補助する。
APの指示に基づき、要介護高齢者の基礎的介護や身の回りの世話等を行う。

APとAPHの相違:
APは医療行為(血糖値の測定、痰の吸引など)を行うことができるが
APHは医療行為を行えない。

APHの関連職種として、Gesundheits-und Krankenpflegehelfer という州資格(養成期間1年)があるが、これは主に看護の補助的業務を担っている。

APHの養成は、各州法で規定された職業専門学校で行われる。その養成期間は、ほとんどの州で1年間であるが、ハンブルグのように2年間のところもある。

APH養成課程を終了後、引き続きAP養成課程(3年間)へ進学する場合は、APH養成課程で要した期間(通常1年間)は短縮される。

養成教育は、州で違うが、ヘッセン州の場合、理論・演習700時間、実務900時間で、合計1600時間が必要とされている。

APH養成課程の修了試験は、筆記試験、口述試験、実技試験である。合格者へ付与される名称は州によって相違する。


【日本への示唆】

高木報告では、APHの概要を踏まえ、日本における「准介護福祉士」の議論へ示唆を与えるのでは?としています。
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2 コメント

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なるほど・・・ (東海人)
2010-09-28 13:23:49
はじめてコメントします。
海外の介護職についての報告は、今後の日本の介護職の養成を考えるうえでのヒントになりますね。
特に日本は介護保険制度のみならず、いろいろなことをドイツから学んでいるようなので、少なからず示唆を受けることがあると思います。
今、日本では准介護福祉士が話題になっていますので、ドイツのAltenpflegehelferの養成制度についての報告は、率直に面白いなぁと感じました。
ところで、少し気になることとしては、略称として「APH」となっていますが、文中にAHPやATPとなっているところがあります。これは何か別のものを意味しているのでしょうか?それとも高木先生の要旨集?の記載ミスなのでしょうか?または、bonn1979さんの記載ミスなのでしょうか?少し気になりましたので教えて下さい。
私のミスプリです (bonn1979)
2010-09-28 13:40:20
東海人さん

コメント
ありがとうございました。

ご指摘いただいた点
「APH」が正しくあとは
私の単純なミスです。

高木先生は
たくさんの論文を書いておられるので
ここでは短い紹介としました。

当日は
石川彪先生からの質問があったりしました。
発表終了後
高木先生にご挨拶し
写真を掲載することを含めブログの記事とすることを了解いただいたまま
遅くなってしまいました・・

ご指摘いただかなければ
そのまま恥ずかしい思いをするところでした。

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