昨日の第4145号の記事に関して、石清水さんと白いぶた君さんから貴重なコメントをいただきました。
地方自治体と地方議会における既得権の構造と
反面で、その労働に対して対価の払われていない現状。
「公務員たたき」への懸念と地方財政の問題点に関するMaa-chanさん の2つの記事とあわせてコピーしました。
最後に、昨日1月18日厚生労働省から公表された高校新卒者の就職内定統計から、地域ごとの格差に関するデータ(求人倍率)をリンクしました。
【不安定の中の安定を求める人々】
石清水さんから:
行政の職員や地方議会の議員の方に対して、
一人ひとりについては言えないのですが、
構造としては、既得権益者ですね。
自分たちの権益を守ることがファーストに
なっています。
業を煮やしたのが名古屋市長、大阪府知事でしょうか。
もっとも変わらないのが、地方自治体と地方議会です。
恐ろしいほどです。
【地方に勤務する人から】
白いぶた君さんから:
1. この「働き」にどれだけの報酬が「適正」なのか。
この事については、民・公・正規・非正規を含め、相当な議論があるやと思いますが、不当な評価、使われ方はあってはならないと思います。この事への不満が底流に大きく流れていると思います。
2. 「年功」の額か「仕事」の額か。
昨夜のあるツイートで院卒心理職の給与が手取り前?19万円、「新卒」公務員ならぎりぎりの高いほうだと思いますが、仕事に見合う額なのか。一線の相談員などの待遇も仕事に見合う額が出ていない…。
3. 特に官側での人の流れが「硬直化」している。
中途採用、正規雇用に極めて慎重な状況です。即戦力たるその分野の練達の士を雇うことなど特例中の特例。これでは…。また官からの流れは「天下り」ぐらいでは…。
4. 誰がどの仕事をするのか
何度か改革の試みがあったのですが、「丸投げ」に終わったり、仕分けも検証無くパフォーマンスに終わった事は記憶に新しいです。何の為の規制か、何の為の仕事か、切りやすい所を切るでなく、そこのところを精査しなくてはならないと思います。
5. 地域と経済への関心
地域の経済が語られることは少ないような気がします。都会の皆さんが食習慣やB級グルメの変り種ばかりに関心を持ってもらっても…。円高などで日本の産業構造が変容する中で、工業系の企業誘致も至難の技。農林漁業も振るわず。新しい産業として期待されていたのもありますが…。その中の給与構造…。その事に関心が無ければいけない。余談になりますが、ある藩では財政に影響があった場合でも侍階級でやりくりし、領民には極力影響が行かぬようにしたといいます。ただ、多くの藩ではそうはいかず、経済が破綻したまま、一揆の騒乱の中、明治を迎えた所も少なからずありましたし。このような姿にはしてはならないと思います。
この問題は諸事に対応が手をこまねくばかりの議会や官に対する、痛烈な異議申し立てと思います。
これらの対策を怠った痕跡は後々まで残ります。現にいろんな職場、いろんな所で目にします。技術の継続や伝承にも支障が出ています。
今後どのような「改革」の流れになるのか、どう是正されるのか。固唾を飲んでいる所です。
【公務員の労働条件】
「社会福祉士Maa-chanのblog」(2011.01.10)
公務員の人件費削減が当たり前に言われているのですが,公務員も労働者ですから,当然ですが「労働基準法」が遵守されなければなりません。(なお公教育に従事する教員は「教育公務員特例法」が「地方公務員法」とともに適用されています)
公務員の残業がこのように取り上げられるのは,公務員が「労働者」であることを忘れ,ともかく「国民の敵」として見られすぎ,過剰に人件費抑制が謳われすぎた反動ではないか,と思えてならないのは,元公務員である私の独りよがりでしょうか。
確かに公務員は,身分は民間企業とは比較にならないほど安定していますし,給料もいいことは否定しません。また残念ながら,「ちゃんと働いてくれよぉ」と思う公務員も少なくないことも事実ですし,自分自身がそういう公務員ではなかったかと,反省をしなければならないとも思っています。
だからと,公務員を敵として「攻撃」し,サービス残業が当たり前であるということや,賃金を引き下げることをよしとする風潮には,非常に懸念を抱いています。
今の雇用環境は,明らかに使用者が有利です。使用者の都合で解雇をしたり,「非正規」「派遣」という形で低賃金であることが当たり前であるような仕組みを作っている,そんな社会であろうと思います。
もう一度「労働基準法」を読み直してください。今お勤めの会社は,きちんと労働基準法を守っていますか?変な労働慣行はありませんか?
公務員たたき,は最終的に,すべての労働者に影響すると,私は思っています。
「公務員だって」「公務員が我慢をするようになったんだから」と,使用者は言うようになるでしょう。
公務員たたき,ではなく,そもそもきちんと労働基準法が守られる社会にする方が優先事項だと,個人的には思っています。
【地方の再生】
「社会福祉士Maa-chanのblog」(2011.01.17)
自治体財政の悪化の一つの要因に,保守政権末期に行われた「三位一体改革」があると言われています。
リンクは総務省のホームページですが,みてのとおり国庫補助負担金は4.7兆円減らし,税源移譲は3兆円です。すでに地方は1.7兆円の赤字になります。その上,地方交付税交付金が減額されているのです。
阿久根市の地方交付税は増えているのですが,多くの自治体では交付税の減額が様々な市民サービス低下を招いているとも言われています。
そもそも,地方交付税交付金は「都会から地方への富の再分配」という意味があると言われてきました。地方交付税法第1条は,地方交付税の目的を
「地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的」と規定しています。
地方自治体間の財源の均衡化を図る地方交付税が,「地方」ほど減額されているという現実をどうとらえていくのか,といわざるを得ません。
消費税の増税が議論され,その流れがすでに「既定路線」のようになってきています。しかし,そもそもの富の再分配が出来ていない中で,大衆課税をする消費税を増税するという「結論」には,強い違和感を覚えます。
都会,という地域で生み出される「富」を「地方」に再分配し,「社会サービス」である福祉・介護・子育て・教育等に歳出を回すことで,「地方」の雇用を創出していくこと(もちろんそれだけではありません)が,「地方再生」の一つの手段ではないかと思います。
そしてそもそも,「富」がある者がきちんと税金を支払い,「富」のないものがある程度の恩恵を得ることが「共生」であり,共生を実現するためには「富」のある者の責任として税金を支払う仕組みをきちんと組み立てていくことが,今まさに求められているのではないか,と考えています。
地方の再生なしに,日本の再生はないと思います。そして,地方の再生なしに,日本経済の回復なし,です。
【求人倍率の格差】
平成23年3月高校新卒者に関する求人倍率(仕事を求める人に対する求人数の割合):
厚生労働省1月18日公表資料から。
P 7750
全国平均 1.03
北海道 0.59
東北 0.52
南九州 0.52
京浜 2.45
京阪神 1.48
東海 1.24
*写真は、名古屋徳川園。1月15日。
地方自治体と地方議会における既得権の構造と
反面で、その労働に対して対価の払われていない現状。
「公務員たたき」への懸念と地方財政の問題点に関するMaa-chanさん の2つの記事とあわせてコピーしました。
最後に、昨日1月18日厚生労働省から公表された高校新卒者の就職内定統計から、地域ごとの格差に関するデータ(求人倍率)をリンクしました。
【不安定の中の安定を求める人々】
石清水さんから:
行政の職員や地方議会の議員の方に対して、
一人ひとりについては言えないのですが、
構造としては、既得権益者ですね。
自分たちの権益を守ることがファーストに
なっています。
業を煮やしたのが名古屋市長、大阪府知事でしょうか。
もっとも変わらないのが、地方自治体と地方議会です。
恐ろしいほどです。
【地方に勤務する人から】
白いぶた君さんから:
1. この「働き」にどれだけの報酬が「適正」なのか。
この事については、民・公・正規・非正規を含め、相当な議論があるやと思いますが、不当な評価、使われ方はあってはならないと思います。この事への不満が底流に大きく流れていると思います。
2. 「年功」の額か「仕事」の額か。
昨夜のあるツイートで院卒心理職の給与が手取り前?19万円、「新卒」公務員ならぎりぎりの高いほうだと思いますが、仕事に見合う額なのか。一線の相談員などの待遇も仕事に見合う額が出ていない…。
3. 特に官側での人の流れが「硬直化」している。
中途採用、正規雇用に極めて慎重な状況です。即戦力たるその分野の練達の士を雇うことなど特例中の特例。これでは…。また官からの流れは「天下り」ぐらいでは…。
4. 誰がどの仕事をするのか
何度か改革の試みがあったのですが、「丸投げ」に終わったり、仕分けも検証無くパフォーマンスに終わった事は記憶に新しいです。何の為の規制か、何の為の仕事か、切りやすい所を切るでなく、そこのところを精査しなくてはならないと思います。
5. 地域と経済への関心
地域の経済が語られることは少ないような気がします。都会の皆さんが食習慣やB級グルメの変り種ばかりに関心を持ってもらっても…。円高などで日本の産業構造が変容する中で、工業系の企業誘致も至難の技。農林漁業も振るわず。新しい産業として期待されていたのもありますが…。その中の給与構造…。その事に関心が無ければいけない。余談になりますが、ある藩では財政に影響があった場合でも侍階級でやりくりし、領民には極力影響が行かぬようにしたといいます。ただ、多くの藩ではそうはいかず、経済が破綻したまま、一揆の騒乱の中、明治を迎えた所も少なからずありましたし。このような姿にはしてはならないと思います。
この問題は諸事に対応が手をこまねくばかりの議会や官に対する、痛烈な異議申し立てと思います。
これらの対策を怠った痕跡は後々まで残ります。現にいろんな職場、いろんな所で目にします。技術の継続や伝承にも支障が出ています。
今後どのような「改革」の流れになるのか、どう是正されるのか。固唾を飲んでいる所です。
【公務員の労働条件】
「社会福祉士Maa-chanのblog」(2011.01.10)
公務員の人件費削減が当たり前に言われているのですが,公務員も労働者ですから,当然ですが「労働基準法」が遵守されなければなりません。(なお公教育に従事する教員は「教育公務員特例法」が「地方公務員法」とともに適用されています)
公務員の残業がこのように取り上げられるのは,公務員が「労働者」であることを忘れ,ともかく「国民の敵」として見られすぎ,過剰に人件費抑制が謳われすぎた反動ではないか,と思えてならないのは,元公務員である私の独りよがりでしょうか。
確かに公務員は,身分は民間企業とは比較にならないほど安定していますし,給料もいいことは否定しません。また残念ながら,「ちゃんと働いてくれよぉ」と思う公務員も少なくないことも事実ですし,自分自身がそういう公務員ではなかったかと,反省をしなければならないとも思っています。
だからと,公務員を敵として「攻撃」し,サービス残業が当たり前であるということや,賃金を引き下げることをよしとする風潮には,非常に懸念を抱いています。
今の雇用環境は,明らかに使用者が有利です。使用者の都合で解雇をしたり,「非正規」「派遣」という形で低賃金であることが当たり前であるような仕組みを作っている,そんな社会であろうと思います。
もう一度「労働基準法」を読み直してください。今お勤めの会社は,きちんと労働基準法を守っていますか?変な労働慣行はありませんか?
公務員たたき,は最終的に,すべての労働者に影響すると,私は思っています。
「公務員だって」「公務員が我慢をするようになったんだから」と,使用者は言うようになるでしょう。
公務員たたき,ではなく,そもそもきちんと労働基準法が守られる社会にする方が優先事項だと,個人的には思っています。
【地方の再生】
「社会福祉士Maa-chanのblog」(2011.01.17)
自治体財政の悪化の一つの要因に,保守政権末期に行われた「三位一体改革」があると言われています。
リンクは総務省のホームページですが,みてのとおり国庫補助負担金は4.7兆円減らし,税源移譲は3兆円です。すでに地方は1.7兆円の赤字になります。その上,地方交付税交付金が減額されているのです。
阿久根市の地方交付税は増えているのですが,多くの自治体では交付税の減額が様々な市民サービス低下を招いているとも言われています。
そもそも,地方交付税交付金は「都会から地方への富の再分配」という意味があると言われてきました。地方交付税法第1条は,地方交付税の目的を
「地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的」と規定しています。
地方自治体間の財源の均衡化を図る地方交付税が,「地方」ほど減額されているという現実をどうとらえていくのか,といわざるを得ません。
消費税の増税が議論され,その流れがすでに「既定路線」のようになってきています。しかし,そもそもの富の再分配が出来ていない中で,大衆課税をする消費税を増税するという「結論」には,強い違和感を覚えます。
都会,という地域で生み出される「富」を「地方」に再分配し,「社会サービス」である福祉・介護・子育て・教育等に歳出を回すことで,「地方」の雇用を創出していくこと(もちろんそれだけではありません)が,「地方再生」の一つの手段ではないかと思います。
そしてそもそも,「富」がある者がきちんと税金を支払い,「富」のないものがある程度の恩恵を得ることが「共生」であり,共生を実現するためには「富」のある者の責任として税金を支払う仕組みをきちんと組み立てていくことが,今まさに求められているのではないか,と考えています。
地方の再生なしに,日本の再生はないと思います。そして,地方の再生なしに,日本経済の回復なし,です。
【求人倍率の格差】
平成23年3月高校新卒者に関する求人倍率(仕事を求める人に対する求人数の割合):
厚生労働省1月18日公表資料から。
P 7750
全国平均 1.03
北海道 0.59
東北 0.52
南九州 0.52
京浜 2.45
京阪神 1.48
東海 1.24
*写真は、名古屋徳川園。1月15日。