10月末から読んでいた
『カラマーゾフの兄弟』
文庫本で5冊、読み終えました。
12/17のブログで第2巻を読んだことを書きました。
正直言って、まだ退屈という感じもしました。
第3巻になってテンポが速くなり
第4巻はあっというまでした。
光文社の新訳で
・・これまでに日本語訳は8回されているとか。
今度の(といってもほかの訳は知らないわけですが)
亀山訳は躍動感ある会話が読ませます。
もともと、原著は、ドストエフスキーの妻アンナが速記者で
語りおろしだそうです。
それで、会話のテンポがあって活きがいいわけです。
各巻の終わりにある解説も凝っています。
第5巻の長い解説
それに、翻訳作業から生まれた亀山郁夫の解説本など
手ほどきがたくさんあります。
にわかドストエフスキー論者になりそうですが
音楽の分野における60歳になってからのバッハの発見にも相当するかな
と興奮冷めやらぬ状態です。
亀山先生によると
ブログ上でも沢山の熱気あふれる感想・論評が舞っているそうです。
冒頭引用のセリフは
第2巻 p409
小説の対象となったのは、1866年
執筆は1879-1880年
当時のロシア社会は1917年の革命前夜と考えると想像できると思います。
アル中、親殺しなどが相次いだ世相。
「・・恐れるべきは、私たちのこうした慣れであって、・・個人の犯した個々の犯罪ではありません」(第4巻 p510)
まるで、2007年の日本社会を書いているようです。
「道徳律は、あとは野となれ山となれのひと言に尽きる」
(第4巻 p516)
亀山先生によると、テーマは「何故、人間は殺すことが出来ないか?」
だそうですから、戦争が続き、家族間の殺人が頻発する現代に通ずるわけです。
キリスト教、そのロシア的な受容であるロシア正教、シラーやゲーテなどのドイツ文学、登場人物の会話に良く出てくるフランス語などドストエフスキーの
教養と、8年間の刑務所生活の見聞が織り込まれていて迫力があります。
文庫版で2600ページ(解説を含む)の大著の内容はとても書けませんが、2007年は鹿児島で『カラマーゾフの兄弟』を読んだ年として記憶に残るでしょう。
(ドイツの作家だったか、50回読んでやっとわかったとか。1回だけではおそらくストーリを追うのが精一杯)
*『文芸春秋』2008-1号 p303-p306 にドストエフスキーの読み方について
*『ドストエフスキー/謎とちから』文春新書 2007.11.20
*『カラマーゾフの兄弟/続編を空想する』光文社新書 2007.9.20
『カラマーゾフの兄弟』
文庫本で5冊、読み終えました。
12/17のブログで第2巻を読んだことを書きました。
正直言って、まだ退屈という感じもしました。
第3巻になってテンポが速くなり
第4巻はあっというまでした。
光文社の新訳で
・・これまでに日本語訳は8回されているとか。
今度の(といってもほかの訳は知らないわけですが)
亀山訳は躍動感ある会話が読ませます。
もともと、原著は、ドストエフスキーの妻アンナが速記者で
語りおろしだそうです。
それで、会話のテンポがあって活きがいいわけです。
各巻の終わりにある解説も凝っています。
第5巻の長い解説
それに、翻訳作業から生まれた亀山郁夫の解説本など
手ほどきがたくさんあります。
にわかドストエフスキー論者になりそうですが
音楽の分野における60歳になってからのバッハの発見にも相当するかな
と興奮冷めやらぬ状態です。
亀山先生によると
ブログ上でも沢山の熱気あふれる感想・論評が舞っているそうです。
冒頭引用のセリフは
第2巻 p409
小説の対象となったのは、1866年
執筆は1879-1880年
当時のロシア社会は1917年の革命前夜と考えると想像できると思います。
アル中、親殺しなどが相次いだ世相。
「・・恐れるべきは、私たちのこうした慣れであって、・・個人の犯した個々の犯罪ではありません」(第4巻 p510)
まるで、2007年の日本社会を書いているようです。
「道徳律は、あとは野となれ山となれのひと言に尽きる」
(第4巻 p516)
亀山先生によると、テーマは「何故、人間は殺すことが出来ないか?」
だそうですから、戦争が続き、家族間の殺人が頻発する現代に通ずるわけです。
キリスト教、そのロシア的な受容であるロシア正教、シラーやゲーテなどのドイツ文学、登場人物の会話に良く出てくるフランス語などドストエフスキーの
教養と、8年間の刑務所生活の見聞が織り込まれていて迫力があります。
文庫版で2600ページ(解説を含む)の大著の内容はとても書けませんが、2007年は鹿児島で『カラマーゾフの兄弟』を読んだ年として記憶に残るでしょう。
(ドイツの作家だったか、50回読んでやっとわかったとか。1回だけではおそらくストーリを追うのが精一杯)
*『文芸春秋』2008-1号 p303-p306 にドストエフスキーの読み方について
*『ドストエフスキー/謎とちから』文春新書 2007.11.20
*『カラマーゾフの兄弟/続編を空想する』光文社新書 2007.9.20
恐らくドストエフスキーも彼ら(裏方?)のひとりだったのでしょうね。
再びロシアに戻った今貧富の差は急激に拡がっているのも事実。
今後ロシアは急発展により生じた格差を埋める努力を強いられるのは確かのようです。
そこには福祉が大半のウエイトを占めるのは察するに余りあるように思えます。
昨日のグリーンスパン
今日のドストエフスキー
へのコメントありがとうございました。
1日から4日
奄美行きを予定していますので
年末の締めくくり。
ところが、
今朝は
「投稿」のクリックをする際に
ミスをして
長い時間かけた原稿がフイに。
そこで
夕方書く予定のカラマゾーフを急遽投入
熟度の低いものになったのでした。
今朝の日経新聞を
さっき読んで
今年の経済書10選を専門家によって
投票したところ
なんと、
グリーンスパンの邦訳がトップでした。
大きな方向はどうなるのか?
みんなの関心がそのようになってきたのでしょうか。