介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

『日本人になった祖先たち』

2007-09-22 12:45:14 | 地球→ドイツブログ
篠田謙一という分子人類学を専門とする人が
わかりやすくDNAから人類史を解明するという。

『日本人になった祖先たち』
(NHKブックス1078、日本放送出版協会。
 2007年7月第3刷。219ページ、920円+税)
は、いつかテレビで部分的に見た話を解説している。

日本人の中には
お酒を飲むと真っ赤になる人が結構多い。
これに比べると、(体験的に)西洋人は、どれだけ呑んでも悠然としている。
これには、遺伝子上の理由があるとは、うすうす聞いたことがある。
この本によると、
「ALDH2変異型」という遺伝子の分布と関係するという。
つまり、
日本人には、この遺伝子が23.9%の人にあるのに対して、
ヨーロッパ人には、殆どないのだそうだ。
アフリカ人、オーストリラリア大陸でもこの遺伝子を持つ人はまれだ。

もともとは、中国南部で起きた突然変異が世界に伝播したと考えられる
が、その中国南部では23.1%が、中国北部では15.1%になる。
 (p36に図解。)
この本のこのくだりを急に思い出したのは
テレビで
中国大陸を鉄道で旅するという番組で
日本人の青年が、中国の人から話しかけられる様子を見て
(ことばや服装などの違いはあるが)中国人と日本人はとても他人とは思えないと思ったからです。

「ハプログループM7a」という遺伝子の研究では、
沖縄の人の24.0%を筆頭に
奄美 16.2%
宮崎 13.5%
鳥取 11.2%
名古屋 7.5%
東京  6.3%
盛岡  5.9%
と、北へ行くほど減少していく。

この遺伝子を縄文人のような日本の基層集団が持ち込んだもDNA
とすると、南から北へ広がっていって様子がわかる。
(p146)

最後には
「Y染色体DNAのハプログループ」の別れ具合から
人類がアフリカから全地球規模に広がっていったようすがわかるという。
(p192)

「人類みな兄弟」というスローガンがあったが
この本では
分子人類学の最新の成果を説明しながら(世界人類は)
「・・本質的にはいがみあう必然性がない」(p205)とまとめている。

この分野の研究は、日進月歩であって、
この本でも「2000年までのデータは古い」という。
私たちが、中学や高校のころ、もちろんこんな話は教わらなかった。 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋学期をむかえる | トップ | 引用の練習 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地球→ドイツブログ」カテゴリの最新記事