介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第2章 障害者の自立と自己決定

2008-01-14 17:28:41 | 成年後見
【経過】
細川瑞子『知的障害者の成年後見の原理』を読んでいます。
12/21に初めて取り上げ
12/23
12/26
12/31
と回を重ねたのですが、それから半月たちました。

今日は、5回目というわけですが、
第2章 障害者の自立と自己決定(p33-p53)です。

このブログへのアクセスをみると、普通の記事とは少し様子が違うことに気がつきました。最初は、うんと少ないのですが、日を追っても、毎日3~5件のアクセスがあって、累計では40件を越しています。

地味ながらも、関心を持つ方はおられるというわけです。
(このアクセス数は、Googleの検索で「成年後見」を引かれた数などもカウントされるので、40件みんなが私の記事として読んでいるわけではないです)

【第2章の構成】
4つのパートからなります。
1 管理と自由
2 自立概念
3 福祉の価値と援助論
4 知的障害者の自立概念

ページ数的には、4の部分が中心です。

【前半の要点】
障害者の福祉に関する基本的な概念に触れている。
・「自立」
・「自律」
・選択の自由、契約
・自己決定
・当事者、当事者主権
・セルフヘルプ運動(専門家によるソーシャルワークへの抵抗)
・IL、自立生活運動
・エンパワメント理論

「果たして知的障害者が、自分を当事者と認識し、自分のニーズをはっきりと把握することは可能なのであろうか」(p37)

「介護者管理能力の獲得を自立と捉える点については、知的障害者や最重度障害者には適用は無理であろうし・・」(p38)*定藤丈弘からの引用。

【知的障害者の自立概念】
12の小項目に分けて説明される。

・ノーマライゼーション
・セルフ・アドボカシー
・QOL

・憲法25条(社会権)から憲法13条(個人の自由権)へ
・任意代理と法定代理
・自己決定権を与えるだけ?
・自己決定できるかの基準 民法13条第1項
・想定する法律行為にズレ

・情報提供と理解の促進
・障害の自覚

・個人の問題か支援の問題か
・なぜ、自己決定が言われるのか

【なぜ自己決定が言われるのか】
・自己決定論の大波が打ち寄せ、成年後見制度の存在意義をますます見えにくくしている現状がある。
・判断能力の不十分な者の自己決定、という言葉自体が、矛盾や疑念を含んでいる。
・知的障害者の自己決定を考えることは、知的障害者の問題にとどまらず、同じ社会に生きる私たち自身の問題でもある。
・・・以上は、p53.

【次回以降】
第3章 自己決定とは何か
第4章 現代社会と知的障害者を経て
第5章 知的障害者と成年後見制度へと発展するので
第2章から第4章までの検討を経た後の「成年後見制度」の議論は、
従来の議論とは違う地平を望めるのではと期待します。
(第6章 エピローグが続く)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第12章 社会保障と民間活力 | トップ | 旅人には理想郷に見えました... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

成年後見」カテゴリの最新記事