介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3313号 社会保障の根本問題は?東大名誉教授 貝塚啓明 

2009-11-17 10:12:41 | 政治社会
【構造的な変化】
いまの社会保障は終身雇用や年功賃金のもとで設計されたが、その基盤が失われ、また、激しい少子化・高齢化を想定していない。

このため、生活の保障に役立っていない。

その典型は、生活保護の受給者が1990年代の中ごろと比較して2倍近くに増えていることだ。

雇用保険の受給者は受給期間が切れてしまう例が増加。
介護保険は、介護労働に携わる労働者が不足している。

【年金】
皆年金は元来無理な目標であった。

積立金の収益率が非常に低い。
高度成長期に過大な制度設計をしてしまった。

国民年金の非加入者がかなりの数に達する。

保険料の納入には、アメリカのような社会保障番号や給与税のような工夫が欲しかった。

【医療】
高齢者が増え、その高齢者の収入がないので、国庫からの財政負担か他の保険者グループからの援助なしには高齢者の医療保険制度はなりたたない。

自己負担は、現在の3割負担が限界だろう。

【生活保護の補強】
元来は補完的な制度であった生活保護制度を補強せざるを得ない。
その一つの案が「負の所得税」案だ。

【鍵はコンプラィアンス】
「順守」が鍵である。

【読後の感想】
・経済構造の変化を踏まえ、新しい社会保障の姿を提示せよとの指摘は重い。
・「コンプライアンス」は、政治の課題か。
・国際的な比較が加えられているが、この点は「坂之上介護福祉研究会」で概観してみます。→P 2407 (11/17)
・著者は、経済学者ですが、ソーシャルワークの方法については触れていない。制度をつくっても、個々の問題を援助することはできない。
・介護問題については、ただ「介護労働者が不足」といっているが、認知症のケア一つ考えてみても、従来の労働者像では対応できない。


*写真は、奄美のオオムラサキシキブ。光の中で の2009.11.17付けの記事からお借りしています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第3312号 種子島で心の癒し | トップ | 第3314号 介護職の奥深さは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治社会」カテゴリの最新記事