介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3272号 年金問題へのアプローチ

2009-10-30 07:29:30 |  年金
【東洋経済】
経済週刊誌としては、『ダイヤモンド』『エコノミスト』とならんで読まれています。
最近は、医療問題、介護、生活保護など社会保障関係の特集を組んでいます。
それだけ、国民生活に、サラリーマンに社会保障政策が身近になってきたといえます。

その10月31日号が年金特集を組んでいるとの紹介が、
「MSW Lab Blog」10/26付けでありました。

駅前の本屋さんで求めました。
もらえる年金額という実際的な記事から制度の問題点までぎっしりとした内容です。

特に、
6大「年金破綻論」を大検証
誰が何を間違えたのか?

P.72 (1)経済前提が甘い
P.74 (2)世代間不公平論
P.76 (3)公的年金の債務超過論
P.78 (4)積み立て方式移行論
P.80 (5)未納の増加で破綻する
P.82 (6)基礎年金の税方式化

は、これまで紹介されている年金制度をめぐる議論の盲点を整理していて、重要です。
さっと流し読むには難しいので、各項目を私ながらに理解して6回にわけてこのブログで考えてみます。

【季刊誌 年金と経済】
そうしたら、
昨日、専門季刊誌『年金と経済』の最新号(第111号)が届きました。

第28巻第3号

「公的年金の諸課題」という特集テーマで、第一人者による論文を組んでいます。

・年金制度および制度改革の諸問題
・年金の2009年財政検証と民主党の年金マニフェストをめぐって
・「社会保障審議会年金部会における議論の中間的整理」における低年金・低所得者に対する年金給付見直し系の論点
・女性と年金:高齢女性の最低生活保障
・年金額分布にみられる公的年金制度の発展の足跡

興味深いことに、
前記『東洋経済』の特集で、問題点を指摘されている先生方(高山憲之、西沢和彦)が、こちらの『年金と経済』で執筆されています。

『年金と経済』の方は専門家向けの雑誌であり、
『東洋経済』の方はサラリーマン向けの雑誌といえますが、

両方を並べて吟味する必要がありそうです。

【雇用構造の変化と年金財政】
『年金と経済』では、巻頭言で、野口悠紀雄先生(早稲田大学)が、雇用政策との関連について整理されています。p.2

この20年間に増加した日本の雇用者は、ほとんどが非正規雇用者の増加だ。
年金との関連では、

1 厚生年金から締め出され、国民年金の保険料を納付しない「年金難民」が発生する。
2 厚生年金の被保険者数が増えないので、厚生年金の財政が悪化する。
3 国民年金の未納分は、基礎年金の財政調整制度を通じて、結局は厚生年金が負担している。

【政権交代】
今回の政権交代によって、新政権の提案する改革案が一挙に現実味を帯びることになった。

大きな制度改革が予想されるので、年金制度に関する本格的で専門的な論議が必要だ。

*前記『東洋経済』が具体例で示しているように、日本の年金論議ほど、感情論・素人論が支配している国はないのでは?と思われます。
研究者、政治家、マスコミを問わずです。

2つの注目すべき特集が出ましたので、この機会に年金政策について考えて見ましょう。 《次回以降に続く・・》
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