介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第5章 知的障害者と成年後見制度

2008-03-09 10:21:53 | 成年後見
【第5章に入る】
細川瑞子『知的障害者の成年後見の原理』
も半ばを過ぎ、今回からは
第5章 知的障害者と成年後見制度 に入ります。

この章は、
1 根本となる理念
2 理念の具体化
3 代理と支援

の3節にわかれています。長いので、3回に分けて紹介します。
今回は、
「1 根本となる理念」(p205-p223)です。

1)尊厳
2)解放から共生へ
3)個別性
4)社会性
5)価値観

という5つのキーワードに関して考察が進められます。

【内外の先達から】
この節で、参照・引用されている先達は、海外の人だけで以下の14人です。

ヨンバルト、ヨナス、シュバイツアー、トクヴィル、デュルケム
ベル、F.フクヤマ、ドゥオキーン、ティトマス、ロールズ
リーマ、エメット、べラー、ゴフマン

このほか、日本の社会思想家や法哲学者の著作。

この短いブログでは、到底要約はできませんので、前回と同様、強く印象に残った部分を紹介します。
著者自身、これらのキーワードですべてが網羅されているのではなく、「さらに考察を深める際ののてがかり」だとしています。 p206

【幾つかの文章から】
・社会への統合は、個人の尊厳の普遍的承認という価値を中核としてしか成立しない。
・家族や社会が(年間3万人を超える自殺者の)重荷を分け合うことができないのは、どう考えてもノーマルではない。

・個人の自由や尊厳は、社会に共有された客観的・集合的規範であることによってはじめて保障される。
・性別、民族の違い、障害の有無を含め、さまざまな人間の持つ生物的・社会的・文化的属性を包含しつつ、
それらの異質性に平等な価値を見出す社会を目指さなくてはならない。

・個人は、他者とのつきあいの中で形成される。個人は社会生活の結果なのである。
・(目が不自由とか、車椅子の体験を実習でやっているが)
判断能力が不十分であることを体験することは、はたしてできるのであろうか。

・福祉も価値から自由ではない。
・(知的障害者の自己決定・・)実質的な社会参加を担保するには、法的な代理人が必要である。

*写真:鹿児島中央駅 地下1階の展示コーナー。
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