介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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eingetragener Verein, e.V. (ドイツの「登録社団」)

2008-06-10 10:24:26 | 地球→ドイツブログ
国家が巨大になって個々人がひとりでは立ち向かうこともできない・・
そういう状況の下で
「アソシエーション法」というものが法律学の世界で研究されているという。

「比較法研究」という専門雑誌を、勤務する図書館でみつけました。
比較法学会が有斐閣から刊行しているもの。
最新号(写真)は、第69号となっていて、2007年度号ですが、
実際の発行年月は、2008年5月15日です。図書館の受け入れ印は、6月4日となっていてごく新しい。
*定価3800円とあるので市販されているわけだ。

その特集テーマが、
「アソシエーション法の比較研究
ー<国家ー社会ー個人>をつなぐ法のすがたー」
となっていて、これは、2007年6月3日に行われた比較法学会総会シンポジウム
の各国報告を基礎としている。

この特集のうち、佐藤岩夫(東京大学社会科学研究所教授)の
・総論 pp.2-15
・ドイツ pp.63-77
を読みました。

最初、あまり関係ないかな・・と思ったのですが、
・介護保険法 1997年
・社会福祉法改正 2002年による地域福祉計画制度の導入
などが具体例として触れられていて、 p7
「社会保障」「社会福祉」「福祉国家」という大きなレベルの政策論議は
その担い手であるさまざまな組織の開発・発展と強い関連がある、
ことにいまさらながら気がついたのです。

この本では、
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、台湾、ポーランドの各国の
「アソシエーション法」の現状と背景について報告されています。

日本の、社会福祉・社会保障は、
社会福祉法人や医療法人が主な担い手ですが、ドイツでは
教会組織や労働組合などさまざまな市民組織が社会の活動を支えていて、
社会福祉についてもその一環として広い担い手が存在しています。

日本では、
国(○○省)の責任→個人個人の受け手という図式でしか考えないのですが
国が、一人一人の支援を具体的にできるわけもないのですね。
この「アソシエーション法」の世界は、各国で工夫が見られます。

ブログではとても論じきれないのですが、
タイトルの「登録法人」(e.V.)は、ドイツ社会の基礎を支える考え方です。

*阿部謹也先生の『物語ドイツ史』(中公新書、1998)では、
バッハの音楽との関連で「音楽協会」のことに触れていました。p185
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