介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第1543号 伊部英男が英語で書いた日米関係

2008-09-11 14:00:46 | 政治社会
伊部英男。
厚生省(当時)に在職したときから伝説の男だった。
昭和18年当時の東京帝大法学部を卒業。内務省に入り、戦争から帰って旧厚生省。
年金局長、社会局長、社会保険庁長官を経て退官。

長い厚生省の歴史(いまは「厚生労働省」)で
その優秀さゆえに若い頃から事務次官になって辣腕を振るうだろうと期待されていたのに、次官にならずに退官した人が3人いる。
① 小山進次郎 昭和13年内務省入省 保険局長で退官。故人。
② 伊部英男  昭和18年内務省入省 社会保険庁長官で退官。故人。
③ 中村秀一  昭和48年厚生省入省 先般、社会・援護局長を最後に退官。

その伊部英男さん。
私は仕事では一緒のときはないです。
ですが、43歳で公務員をやめ、偶然のきっかけで45歳で大学に就職し、(これまで5つの大学で常勤を経験しているが)最初に勤務した日本社会事業大学の当時の理事長をされていた関係で、いわゆる「かばんを持つ」係りとなって、お手伝いすることがあった。

写真の
JAPAN THRICE-OPENED は、PRAEGER社から1992年に刊行された。294ページ。
直訳すれば「日本は3回開国した」の意味ですが、1988年にミネルバ書房から刊行された『開国』の翻訳です。
*翻訳は、Lynne E.Riggs & Manabu Takechi

3回とは、
1)1858 ペリーの黒船
2)1930 太平洋戦争前の日米交渉
3)現在(1990年)
この3つの時代に、世界との関係で、日本はうまく身を処せなかった。という論旨。外交問題は先生にとってはいわば素人ですが、よく勉強されていた。多くの大学時代の仲間を学徒出陣で失った。「何で負けるとわかっている戦争をしたのだ」という意味のことをよく言われた。
 この本は、「日本は、アメリカや中国などとどのように付き合っていけばよいのか」について著者のアイデアが披露されています。私には、日本の社会政策の歴史と戦争の歴史とが密接に関連して述べられていることが興味深かった。

本書については、専門家による英語の書評がある。
*M.Itoh, University of Nevada, Las Vegas

原著『開国』については、松岡正剛の長いウェブ書評がある。(2002.07.16)
松岡正剛の千夜千冊

【このブログで伊部英男をとりあげた日付・・これまで10回】
2007年  6/22 6/30 8/18 10/23
2008年  2/09 3/26 3/31 6/16 7/02 8/22
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