介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第4095号 活路はどこに?

2010-12-10 05:30:01 | 政治社会
【25年ぶりの卒業生】

昨日、勤務先の大学に、『災害と福祉文化』(明石書房)が届いていた。(写真)
編者の渡邉豊氏は、新潟県社会福祉協議会に勤務。かって教壇に立っていた日本社会事業大学の頃の卒業生です。「先生は覚えていますか?」という長い手紙が添えられていました。

「国際社会福祉論」の講義にゲスト出演してもらったのですが、そのときのことが書かれてありました。もちろん、いまでも彼が半ズボンで颯爽と教室に登場したときの新鮮な驚きを覚えています。

災害の多い国土。もっとも大きな被害を受けるのは、ふだんから弱い立場にある高齢者など。彼は、この本で新潟に起きた地震などの具体的な事例から、社会は災害に対してどのような備えをなすべきか、具体的な提言を行っています。

*発刊されたばかりで、明石書房のサイトにはまだアップされていません。


【責任を放棄する政治家】

このところ、介護福祉の世界では、介護保険法の改正問題が大きなテーマになってきました。

11月30日に、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会が改正に関する意見をまとめました。

これに対して、与党である民主党から「地方選挙を控えて負担の増大は控えてほしい」といったトーンの要請がでていると報じられています。

政治の責任は、制度の改善の方向を示すことですが、同時に、その解決策を示し、実行することですね。必要な財源をどのような手立てで用意するのか?
それが示されないのであれば政治家はいらないです。

L0113 masaの介護福祉情報裏板

国民は、当面を糊塗するのではなく、解決のための具体的な知恵と行動を求めています。


【現代版徳政令?】

経済学の素養がないのでわからないのですが、
「1000兆円」にも達する巨額の財政赤字。
税収が38兆円なのに42兆円もの借金をしている国家財政。

預金金利がゼロに近い状態が続いているが、これを引き上げれば、国債の返還のための費用が膨大になって国家破産が必至なので、利子を引き上げることができないでいる。

P7479 朝倉 慶「2011年本当の危機が始まる」

消費税を引き上げるという政治風土がない日本では、この巨額の借金という方法でしか解決の道はないのかも知れない・・友人のもと外交官は書いていました。

河東哲夫 2010.09.05

郵便局に貯金しているお金も結局国債の購入にあてられています。
第二次大戦後のインフレで、預貯金の価値がなくなり、骨董品をもって農村にでかけて食料と物々交換した時代の最後の世代なので、紙幣や国債、預金の価値が一瞬にしてなくなる時代があることを体感しています。


【投資先がない?】

今は、銀行にはお金が集まってきているが、その投資先がないという。
医療や介護のための資金が大幅に不足している。

このギャップをどのような方法で埋めることができるのか?

*河東氏は、住宅への投資を例に挙げています。

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8 コメント

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院の同期です (Maa-chan)
2010-12-10 08:05:38
 渡邉さんとは専門職大学院の同期で,学部は3年先輩になります。

 院の前期最終日の前日に,中越沖地震が発生し講義を聴き終えてすぐに新潟に帰り,様々な役割を果たされてこられました。
 そのパワフルさは,見習いたいのですが,とても届かない域におられます。

 2回の大震災を社会福祉協議会職員として経験した彼の著者が,「災害大国」日本において,少しでも役に立つことを,同期として祈っています。
ネット (bonn1979)
2010-12-10 10:35:11
Maa-chanさん

院での同期生とは!

私が学部の講義を担当していた時期
ゲストをお招きする企画を
やっていて
どこかから彼のことを聞いて
教室にきてもらったのでした。

その行動力は
「日本にもソーシャルワーカーあり」
と、人に誇れますね。

まだ
彼はブログやtwitterはしてないのかなぁ・・
興味深い本ですね (げんき)
2010-12-12 01:40:59
昨年の夏にあった兵庫県佐用町の豪雨災害。
佐用町は、我が家から車で30分ほどしか離れておらず、
目の前に揖保川が流れる我が家も洪水の恐怖を
感じました。

今年の春に、市の補助金を得て、災害時助け合いマップの
作成に取り組む提案をしましたが、審査に落ち実現には
至りませんでした。

自治会に自主防災組織がありますが名ばかりのもの
また市は要援助者台帳を保管していますが、保管だけ、
援助の必要な方は民生委員が把握しているとのことですが、
もし災害が起きた時、民生委員が複数の要援助者を
迅速に避難させたりすることは不可能。

そして「個人情報保護法」というやっかいな法律が
邪魔をして、住民同士の情報の共有を認めない風潮。

実際、どこにどのように避難したらいいのか、
水害ならどうする、地震ならどうするということを
知らずに生活している人もいると思います。

今年は市をバックにして、取り組もうと思っていましたが、
それは失敗に終わったので、来年は自治会長、民生委員と
接触していきたいとボランティアのメンバーと話を
したばかりでした。

『災害と福祉文化』是非、読んでみたい1冊です。
災害の多い土地 (bonn1979)
2010-12-13 06:37:33
げんきさん

コメントありがとうございました。

鹿児島は
桜島
台風
土砂崩れ
と古来災害が多いです。

この著者は
学生のころ神戸の震災にボランティアで
でかけ
その後地元新潟で就職したので
地震に会い
災害と福祉というテーマが
ライフワークになったのですね。
Unknown (渡邊 豊)
2010-12-23 13:01:26
古瀬先生、編集代表本人である渡邊豊です。
このたびは、拙著をご紹介いただきたいへんありがとうございます。

大学時代の研究テーマは「過疎地における地域福祉」でした。
大学卒業1年後の春(今から25年前)、鹿児島県トカラ列島の中之島と小宝島を旅したことを思い出しました。
旅の帰りに原宿から清瀬に移転したばかりの日本社会事業大学の古瀬先生の研究室を訪問したんですよ。
古瀬先生は覚えていますか・・・?
お見えになったことは覚えています (古瀬 徹)
2010-12-23 13:31:54
渡邊 豊さん

お礼の
お手紙を書こうと
思っているうちに
時間が過ぎました。

コメントが入っているように
届くべきところには
案内できたか
と考えています。

清瀬へ移転してすぐの頃は
ゼミ生も初めてもって
若い頃でしたので
覚えていますよ。

詳しい内容まではさすがに・・
あいかわらず元気だなぁ
といった話だったように
思い出しています。

長岡の小山剛さんとは
10月に神戸でお会いしました。
遅ればせながら… (しん)
2010-12-26 07:12:23
今頃気付きました。

豊さん(普段そのようにお呼びしていることが多いので…)が取り上げられているとは!
普段、県社士会はじめ、お世話になることが多いのです!
大切な大先輩のおひとりです。

鹿児島での講義にも登場されていたのですね!
さすが、です…。

2度の震災、特に1度目の中越大震災では、
ノウハウが少ない中での、体制の構築、広域の対応では大変尽力されていました。

2度の震災の経験は、各種雑誌等での特集、
各地でのシンポジウム、講演等で語られていますが、
各々の立場や視点から語られることで終わっていることがほとんどです。
災害支援は、災害規模や地理的要因、インフラ状況、世帯構成等考慮すべき背景が多様ですし、
被災後の時間的経過、個別の要因によって常に変化し続けます。

そのため、個別の立場からだけでは災害支援の全体像をつかむことは難しく、
もう少し統合的な視点で、災害支援を記録し、
具体的な提言につなげなければいけないのではないか、
それが被災地に住み、災害支援に継続して従事してきた者の役割ではないかと感じてはいるのですが、
役割を果たせぬまま、今に至っています。

豊さんをはじめとしたみなさんのこのような書籍を残す取り組みは
非常に大切なことだと思います。
私も読んでみなくては!
実践家 (bonn1979)
2010-12-26 09:20:37
しんさん

私も
同じ新潟ということで
渡辺さんのことは
ご存じでは?

と思っていました。
こぶし園の小山剛さんも
この分野では開拓者ですね。

私は
社会福祉協議会の活動には
ふだんは懐疑的ですが
新潟は違いますね。

コメントいただいて
渡辺豊さん、Maa-chanさん、しんさん
がつながってきました。

*渡辺さんが私の講義にゲスト出演されたのは
(鹿児島ではなく)私が日本社会事業大学で国際社会福祉論を担当していたころのことです。
25年前のこと。足足らずの説明のため誤解を生みました。

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