理想と現実の狭間

　スポーツジム通いも今週は４日目で有る、さすが連日走って泳ぐと体が疲れてくる。


　日本で居着いて何も仕事をしてない、のんびりとして他人から見れば、少しは羨ましい生活に見えるかもしれない。


　だが出稼ぎに日本に帰っていた時の方が、精神的には充実をしていたと思う。


　車庫を建て車を買い、諸々の電気製品や家具など、持って来た金はあっと言う間に無くなる。


　次には彼女との電話には広い土地が有り、近くで果樹園等に出来るから欲しいと言う。


　その他にも次々と土地の話をして来る、その金額までは稼いで持って行きたい。


　銀行の通帳に金が溜まって行く、何となく充実感が有る。


　目標が有ると言う事は、仕事にもやりがいが有る、日本で仕事をしていると途中で長期休暇は取れない。


　だから１年～２年で仕事を辞めてしまうのだが、雇う方は長く働いて貰いたいのだ。


　だが働き出して１カ月は体が慣れず疲れる、そんな事を繰り返していたが。


　タイに行けば土地を買うのかと思えば、あの土地は危ないから駄目だとか、遠いから仕事に行くのに時間が掛かる。


　何時の間にか金はトラクターや他の製品に化けている。こんな筈ではなかったのに。


　そのうち金も又無くなり、腹を立て日本に舞い戻るのであるが、タイには魔物が住んでいるのだろう。


　意欲を失い適当に暮らすのが１番良いと思うのである。


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