青空Green倶楽部

時々意の趣くままに・・ミヤンマ―・国際・政治・経済・温暖化or寒冷化・限界集落etc

ロヒンギャ問題の根幹

2018-11-23 12:49:22 | コラム


 タンシュエ軍事政権時代から7年往来したミヤンマ―。日本人は伊藤忠やYKKの3~5人しかいなかった頃からです。小乗仏教の多民族連邦国家、少数民族の多くの村々も訪れ視察しました。気になるのがロヒンギャ問題の根幹です。多くのメディア報道や国際記事も精査させて頂きましたが多くはミヤンマ―の価値観と歴史的見解の違いを感じます。

 ベンガル湾沿いのミヤンマー西部のラカイン州の北西部に住むイスラム系少数民族ロヒンギャで推定100万人以上です。ロヒギャはインド・ベンガル地方を起源とするイスラム教を信仰する人々でミヤンマ―語は話さずベンガル語のチッタゴン方言のロヒギャ語を話す人々です。ミヤンマ―政府は人口調査の対象外で国籍は付与していない。英植民地時代に創設されたアラカン・ロヒギャ救世軍(ARSA)の武装勢力が仏教徒、政府軍(国軍)への襲撃が発端の問題です。国軍はテロリストと認定しロヒンギャ住民の住む地域に入り捜査をし民兵も加わり住民に乱暴や放火も発生し一般住民が国境のナフ河を超えバングラデシュ南端に脱出した帰還難民問題です。

 歴史的には1785年ビルマ王国(コンバウン朝)の侵略で滅亡したアラカン王国のモスリム捕虜の子孫です。1826年英ビルマ戦争で敗北しラカインが英国の植民地化し以後ベンガル側から大量のモスリムがこの地に入った。太平洋戦争期(1941~1945)英国勢力を追放しビルマを占領した日本軍が仏教徒を武装化しラカイン奪還を目指す英軍がベンガルのモスリムを武装化し日英の代理戦争でモスリムと仏教徒の「宗教戦争」になった。

 1948年の大戦後ビルマは独立した。しかし当時の東パキスタン(バングラデシュ)と国境を接するラカイン州北西部は1950年代の初頭まで中央政府の及ばない地域で食糧不足の東パキスタンからベンガル人が大量に流入し武装反乱するモスリムがロヒンギャとして名乗っていたのです。

 国際社会や国連、日本のメディアは難民問題としてミヤンマ―政府を非難していますが歴史的にも正確には大量越境の帰還問題であると筆者は考えています。バングラデシュの難民の人道問題は別でバングラデシュ政府の帰還問題です。英国植民地政策の弊害、カレンなどの少数民族独自軍を創設し70%以上のビルマ族を支配した政策で軍事政権の必然性があった。軍事政権は多くの少数民族独自軍の武装解除、和平交渉で国家統一に貢献したのです。ロヒンギャ問題も武装勢力を排除し仏教価値観のミヤンマ―憲法を遵守する人々のみに帰還と国籍付与すべき問題と考えますが・・。
    

    まあ世相川柳でも(作者不詳)

         昼は猿  夜は猪鹿  畑ドロ 

         妻の手を  久々つなぎ  静電気 

         孫産まれ  命をつなぎ  生きるかて


写真はミヤンマ―ビルマ族の女性労働者                          
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カルフォルニア州の山火事

2018-11-18 07:08:02 | コラム


 日本の限界集落では紅葉がきれいで穏やかな晩秋ですが今月初旬もヨルダンの豪雨災害や米カルフォルニア州の山火事など自然災害が発生しています。地球温暖化の影響でしょうか。

 特にに気になるのが11月8日に発生した米、カルフォルニア州の山火事です。BBC、CNNニュースによれば14日現在でベルギーとルクセンブルクを合わせた526㎢に及ぶ焼失面積と1000名以上の死者、行方不明者、州全体で30万人以上の自宅からの避難者です。州北部の「キャンプ・ファイア」と南部の「ウルジー」と「ヒル」と名付けられた3か所の火災です。

 消防当局は約40%は鎮圧したとしていますが鎮圧は今月末までかかるとしています。高圧電線の故障の原因の疑いが・。低い湿度や内陸部のサンタナの暖かい強風、雨が一ヵ月くらい降らず乾燥した大地など炎が広がりやすい状況になったと報道しています。今まで山火事は夏に始まり初秋まで続いていましたが今後は一年中、危険性があると指摘しています。

 地球自然の猛威「地獄の門が開かれた」と比喩される 米カルフォルニア州の山火事。これは「新しい正常」か「新しい異常」か車社会のアメリカ、5G(第五移動通信システム)、Web3.0などイノベーションの聖地での災害は何が現況社会で重要課題か考えさせられます。温室効果ガスで地球を暖め続ける限りこうした悲劇は多発すると指摘する識者も・・。


     まあ世相川柳でも(作者不詳)

           あったよね  ホークダンスに  下心

           妻が言う  私は青い  姥(うば)リンゴ

           おとなりは  こだわり無いが  金はある

 
地図はBBC転用,記事はBBC、CNN要約転載    
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地方分散都市

2018-11-10 06:13:39 | コラム
                                             昨年、京都大学と日立で実施したAI活用による都市集中型と地方分散型のシナリオによる日本の未来予測と政策提言がされた。少子高齢化や環境破壊など149の社会要因のモデルを構築し35年間で約2万通りのシュミレイションをし予測したものです。

 都市集中型は投資の集中により財政は改善するが出生率の低下や格差拡大を指摘し、持続可能な社会の実現には今後8~10年位には地方分散型を選択するのが望ましいとしています。地方分散型は出生率が持ち直し格差の縮小や個人の健康寿命や幸福感が増大すると指摘しています。それには雇用促進策やエネルギー自給策など域内経済の継続的な循環策が必要だとも・。

 戦後の日本の1950~1970年代から工業化優先政策で「農村から都市」に農業や農村の優先順位が下がり若年層が移動した。1961年には80%の食糧自給率が一昨年には37%まで低下しています。1980~1990年代の流通経済政策や道路交通政策で自動車中心の地方都市政策の推進で地方都市中心部は空洞化し通過都市化し衰弱化した。

 同時期の1980年代からドイツや北ヨーロッパの国々は自動車交通を抑制し中心部から自動車を排除し歩行者だけの「歩いて楽しむ」コミュニティ空間の広場など整備されています。日本では中小町、小都市は中都市の通過都市化し衰弱し、県庁所在はさらに中核大都市の通過都市化し、郊外の大規模商業施設に地元客を奪われ、地方都市中心の商店街は閑古鳥の街になり地元経済の弊害要因になっています。

 地方創生のカギは地方の町、中小都市が主体的に伝統文化や地産地消により周辺地域の集客、集えるコミュニティシチィが必要で通過の便利さ、車依存社会から脱却し老若男女に優しい独創的で躍動的な町、中小都市の創成、再構築が重要でしょう。地元経済を担う個性的な中小企業、商店の奮起も必要だと考えますが・。 


     まあ世相川柳でも(作者不詳)

         キノコ狩り  さあ出かけるぞ  スーパーに

         見上げれば  献立決まる  イワシ雲

         暴風も  妻もだんだん  大型か


 写真はミヤンマー・ヤンゴンの裏通りの青空市場
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地雷原の上で

2018-11-03 07:23:25 | コラム


 今秋もイタリア・リグリア州など北部で暴風雨、土砂崩れなど11名が死亡、ベネチアでは水位1.5m上昇し市街の75%が冠水し被害が集中した。台風26号はアメリカ自治領の北マリアナ諸島、サイパンなど最大風速85m、中心気圧905hPaが直撃しフリッピン・ルソン島にも被害をもたらした。ロシア南西部のクラスノダール地方でも集中豪雨で一帯が2mも冠水し非常事態令が発動された。地球規模の気候変動、温暖化の影響でしょう。

  気になるのが若かりし頃ベネチアブランドAllecchinoに関わりミラノと往来したイタリア・ベネチアの観測史上4番目の高潮被害です。水の都ベネチアはアドリア海に面した約120の小島、約400の橋、約200の運河で網のように張り巡らされた海に連なる潟湖(ラグーン)上に栄えた街で歴史的建造物も多い国際観光都市です。 

 今までも地盤沈下と海面上昇で年に4~5回水害に見舞われていましたが地下水の汲み上げを禁止し可動式防波堤の建設「mose」計画で街とラグーン(潟)を守る計画で65憶ユーロ(8320億円)以上投じられているそうですが汚職などで進捗していないようです。

 地球温暖化は従来より強烈な嵐や異常気象、危険な熱波、海面上昇や経済社会インフラまで脅かしています。某学者は危険な地雷原の上で生活しているようなものと指摘しています。日本は東南海地震の心配もあります。       
 
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)で温室効果ガス、石炭、石油、天然ガスの燃焼をやめ再生可能エネルギーを使用する交通手段の移行、農業、都市建設、産業全体の原則を抜本的に見直す各種の提案がなされていますが・?。

 
    まあ世相川柳でも(作者不詳)

         メロドラマ  今日もじじいは  ギラギラに

         女房に  かつ丼だされ  自白する

         未亡人  雲ひとつない  秋の空

                                                                    
 写真はSputnikJapan転載
 

 
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