「北の山・じろう」日記

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ハルキウ北部戦線、ロシア軍がリプシとボルチャンスクを攻撃中<ウクライナ紛争2024.05.17

2024-05-17 20:56:27 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.05.17
ハルキウ方面の戦い、ロシア軍がリプシ郊外に到達した可能性
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-kharkiv-russian-troops-may-have-reached-the-outskirts-of-lipsi/

余りにもロシア軍の進撃が早く情報が錯綜していたハルキウ北部戦線も、やや戦況が落ち着いてきました。
相当、ロシア側の情報かく乱がありそれが成功したと言えます。

ウクライナ軍が何が何だか分からないうちにロシア軍の攻撃目標地点までロシア軍が到達してしまった印象があります。

前線は主に東西2か所に分かれており、東がボルチャンスクВовчанськです。
西がリプシLyptsiです。
ここがロシア軍の占領目的地域であるのは、ロシア側軍事ブロガーが早いうちから報告していました。ロシア軍の第1攻撃目標が公表されていたのにウクライナ軍は、その目標集落でやっと防戦している有様です。

その前に航空万能論の戦況略図にある国境沿いのかなり広い地域をほぼ抵抗なしにロシア軍が制圧してしまいました。

東のボルチャンスクВовчанськは市街地の中央付近にヴォブチャ川Vovcha Riverが東西に流れていて、その北側の市街は大体ロシア軍が占領して、ウクライナ軍は河岸の病院や工場などのコンクリート製の建物に立てこもり抵抗しています。
一応、川が要害となり南側はウクライナ軍が防衛しているようです。
ただし西のブフルヴァトカBuhruvatkaや東のティケTykheから川を迂回することも出来ますから市中央の川がいつまでも防波堤には、ならないと思います。
今、ウクライナ軍が抵抗している建物も、もしロシア軍が滑空爆弾で破壊しようと考えたなら簡単に破壊できます。
破壊せずに占領したいから攻撃しているのだろうと思います。
ほぼ風前の灯火状態と言っていいと思います。

西のリプシLyptsi方面。
その北のライボケHlybokeで戦闘になっていましたが、ライボケはロシア軍が制圧したようで、その南のダーチャで戦闘が続いています。ダーチャは菜園付きの郊外の別荘で結構、建物があります。大体、どの集落や都市郊外にもありダーチャでの戦闘はウクライナ紛争の風物詩です。
平和なときにダーチャを見たいものだと思います。

ロシア軍は、ダーチャをある程度制圧したようでリプシLyptsiの北側の郊外まで到達しているようです。
もう一方向ありリプシLyptsi北東方向のルクヤンツイLuk'yantsiからもリプシLyptsiを目指してロシア軍が南下中です。
このルートは途中に防衛拠点になりそうな場所が見当たりませんので進撃は早いと思います。

やがてリプシLyptsiは、2方向からロシア軍が攻撃を開始すると思います。
非常に危いですね❓
https://www.cnn.co.jp/world/35218907.html
しかも、リプシLyptsiはウクライナ側の第2次防衛ラインなのだそうです。
第1次防衛ラインは、どこにあったのでしょうね❓
話題にもならないうちにどこか後方に消えました。

いかに、この方面のウクライナ軍の防御がいい加減であったか分かります。陣地構築の手抜きとかね❓
およそ真面目に戦争をする気は無かったのは、分かります。
東部戦線の激戦地から見ると、ピクニックみたいに思えます。ピクニック気分のツケは、これからウクライナ軍が支払うことになります。

リプシLyptsiをロシア軍が制圧すると南に20km位の所がハルキウ市の郊外です。
リプシLyptsiがロシア軍の制圧目標だと、ロシアの軍事ブロガーが最初から発言しているのが、怪しいでね❓
もう少し先・もう少し先・と制圧目標が南にずれていくとすぐハルキウ市の郊外です。
本当は、そこまで行くつもりなのにウソを付いて騙そうとしているような気がします。
ウクライナ軍がリプシLyptsiから南の防御をキッチリやらないと、ロシア軍は南にズリズリと進みそうです。

なんだかハルキウ北部戦線ではロシア軍が巧妙にウクライナ軍を胡麻化している気配があります。
胡麻化して領土をザックリ削る新しい戦術です。

どうなるのか分かりませんが、こうもこの方面のウクライナ軍が弱いとロシア軍の予定よりかなり多めに削られそうな流れです。
何しろ極端な兵力不足に陥っているウクライナ軍には、有効な手立てがありません。

おまけに陣地構築をサボっていたのですから、人が死ななければ漫画の世界です。
お笑い漫画か❓

※クピャンスク戦線
クピャンスク市街東側を流れるオスキル川Oskil Riverの東側が戦場です。
ルートP-07を南東方向に下ったキスリブカKyslivkaとコトリャリフカKotlyarivkaにウクライナ軍の強力な要塞があり、随分長い間ロシア軍が攻めていました。
しかし、ついに陥落して現在はその南側のクロフマリンKrokhmal'ne方面でロシア軍が西に支配地を広げつつあります。
このエリアもチャシブ・ヤールと並んでロシア軍の春の攻撃の候補地でしたが、これは陽動でした。
陽動だから攻めないというわけではなく、順番が来たらそれから攻めるという意味です。

そしてハルキウ北部戦線の方からロシア軍が本格的に攻め始めると、クピャンスクとかリマンЛиманなどのハルキウ州南の要塞都市を、ロシア軍は迂回することが出来ます。

その意味でハルキウ北部戦線が単に国境地帯の緩衝地域の確保なのか、本格的な攻撃なのかは分かりません。

クピャンスクとかリマンЛиманなどでウクライナ軍に要塞建設をさせて兵力を引き付けておいて、実はハルキウ北部戦線がロシア軍のハルキウ州攻撃の本命である可能性もあります。

ロシア軍の作戦計画は、今年になって巧妙になっていてどこを攻めてくるつもりなのか、全然分かりません。
思いっきり!攻められて、初めて分かる仕組みになっています。
玄人は違うね!と思います。
ウクライナ軍の方は、何をやるのかすぐ分かります。
それを読んでロシア軍は作戦を立てている訳です。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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