「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

吉田正尚と鈴木誠也のOPS比較&阪神の優勝の理由<2023年9月

2023-09-27 19:49:33 | MBL & プロ野球

まず、普通の成績で比較
吉田 正尚
打率0288 出塁率0339 長打率0446 四死球41
鈴木 誠也
打率0283 出塁率0354 長打率0485 四死球58

この比較だと、大した違わないように見えます。

OPS比較
吉田 正尚
 .0785 評価C(良い.7667 – .8333)リーグ27位
鈴木 誠也 
 .838 評価B(非常に良い.8334– .8999)リーグ14位

こちらは、大違いです。リーグだと5チーム×3地区=15チームあります。OPS14位は、1チームに1人しかいない事になります。評価B(非常に良い)の意味は、このような意味です。鈴木 誠也は、メジャーリーガーとして一流であることになります。

似たように見える吉田 正尚は、OPS27位で1チームに2人は、いるバッターです。

給料で換算すれば、この差はかなり大きくなると思います。吉田 正尚が約20億円5年契約なら、鈴木 誠也はそれよりかなり上になります。また、鈴木 誠也は一流と評価できますが、吉田 正尚は一流未満で普通の良い選手と言うことになります。

つまり、これがOPSの持つ意味でありチームの成績を比較すると?
吉田 正尚は、OPSがチームで4番目の選手でレッドソックスは東地区の最下位でプレーオフは圏外です。
鈴木 誠也は、OPSがチーム2番目でカブスは中地区2位でプレーオフ3番手でこのままならプレーオフ進出です。

つまり吉田 正尚は、勝負のカギを握るほどの評価はありません。鈴木 誠也は、最近のカブスの成績を左右しています。鈴木 誠也が打つとカブスは勝つし、鈴木 誠也が打てないとカブスは負ける傾向がはっきりしています。

カブスのOPSランキング7位のベリンジャーと14位の鈴木 誠也のバットが、カブスの勝敗を分けるポイントになっているということです。

こうやって具体的に見ていくとOPSの持つ意味が、分かると思います。吉田 正尚はチームに必要な選手です。鈴木 誠也はチームの勝敗を分ける重要な選手です。OPSの少しに見える差が、これほどチームの勝利への貢献と言う意味では大きな差になっています。

個別の成績を見ると、吉田 正尚は四死球が少ないです。これが出塁率を下げます。長打率も少し低いですね。これが得点確率を下げます。1シーズンの長い戦いでは、この差がチームの勝敗に大きく影響してきます。

つまり、これが過去の膨大なデータから統計学的に抽出されたセイバーメトリクスの考え方です。

セイバーメトリクス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%B9
セイバーメトリクスとは?野球で用いられる統計指標の基礎を分かりやすく解説!
2023年1月7日
https://base-info.com/sabr-metrics

※阪神の優勝の理由
阪神の岡田監督は、セイバーメトリクスを自分の野球に応用しているわけではないとコメントしています。
しかし、今年監督に就任してから明確に打ち出しているのが四球を増やせ!と言う点です。四球を給料評価の項目にするとさえ明言しています。

その結果、今年の阪神は12球団で1番の四球を選んでいます。これは、OPSの計算式のうちの出塁率を向上させる簡単な方法です。四球1個=ヒット1本と計算するなら四球が多ければ、それだけヒットが多いのと同じことです。単打としての価値は、ヒットも四球も同じです。そこに粘り強いバッテイングを加えたのが、今年の阪神の快進撃の秘密です。
そして阪神には飛びぬけた打撃成績の選手はいませんが、OPS上位10人に3人がランクインしています。結果としてOPS上位の3人の選手が阪神の得点源になっていることになります。
岡田監督の言葉とは裏腹に、阪神はセイバーメトリクスのOPSを上手く活用していることになります。

物事には、必ず理由や原因があります。

そして打者が四球を多く選ぶことが、四球のデメリットを投手に教えます。阪神の投手陣は、打者のやることを見て四球を減らすことを重視するようになりました。これがチーム防御率を向上させます。

岡田監督が明確に指示したのは、四球を増やすことです。それを給料の評価項目にしてまで強く指示しました。そう具体的に指示しなければ、選手もやらなかったと思います。

結果として、主力選手のOPSが向上しました。それが投手陣にも好影響を与えました。

こうしたほんの少しのことの積み重ねをシーズンを通して徹底すれば、それが大きな差になると言うことです。

過去の膨大なデータから統計学的に抽出されたセイバーメトリクスの指標の意味が、分かるでしょうか?
打者評価の一番簡単な指標が、「OPS」です。「OPS」の数字の良い打者を多くすれば、打力と言う意味では勝つ確率が高くなると言うことです。

これが今のメジャー野球です。
打率が一番打撃成績の指標の先頭に来る考え方は、もう古すぎると言うことです。
OPS、出塁率、長打率が先頭から並んでいるようでなくては、なりません。

※OPSは新しく作られた指標ですが、過去の偉大なバッターを見るとOPSの数字が、ずば抜けて優れています。
ベーブ・ルース
生涯OPS 1.164
ちなみに生涯OPSでは、これがメジャー最高です。
過去の偉大なバッターは、チームの勝利を第一に考えてプレーしていた証明だと思います。

王貞治
生涯OPS 1.080 日本プロ野球最高

OPSが打者評価の指標として優れている証明だと思います。過去の大打者は、OPSが抜群に優れていてその上で個別の指標で優れています。
単なる普通の指標が優れているだけでは、すぐれたバッターとは言えない理由です。


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