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樋口有介『11月そして12月』2009・中公文庫-カメラマン志望男子とマラソン女子との切ない恋愛物語です

2024年03月29日 | 小説を読む

 2023年3月のブログです

     *

 またまた有介ワールドに浸ってしまった。

 樋口有介『11月そして12月』(2009・中公文庫)。

 マラソン女子とカメラマン志望の主人公の切ない恋愛物語。

 青春だなー。

 しかし、有介さんはうまいな、と思う。

 文章も物語も…。

 七十近いじーじが読んでしまうのだから、すごい。

 じーじもこんな恋愛をしてみたかったなあ、と思ってしまう。

 「きみに会ってから、毎日練習をしていた」

 「大人になることを?」

 どう?この会話。すごいでしょう?

 二人の出会いからしてとても素敵だが、それは読んでのお楽しみ。

 物語は、不倫をしていた姉の自殺未遂や父親の浮気発覚などで、家庭内のごたごたに巻き込まれる主人公と、将来を嘱望されていたのに人間関係からマラソンをやめてしまった女の子とのさり気ない恋愛を描く。

 もっとも、有介ワールドだから、深刻なテーマのわりに、雰囲気は暗くなく、姉や父親の困ったちゃんぶりは面白いし、主人公と女の子のつきあいはまどろっこしくて、ういういしくて、楽しい。

 読んでいて楽しいし、読後感もすがすがしい。

 まさに有介ワールドだ。

 いい時間をすごせて幸せな1週間だった。    (2023.3 記)

 


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