まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

センチュリー21(瑞穂製作所・2-2号機)

2011-09-30 05:46:34 | パチスロ2号機

1989年(平成元年)にミズホから登場した2-2号機、センチュリー21。



大当たり確率・・・ビッグボーナス=1/216、レギュラーボーナス1/200(設定6)
(現在この台を打てるのは、設定全6のレトロゲーセンぐらいだろうから、他設定の確率はここでは割愛する。)


このセンチュリーの先輩格に当たる2-1号機「ファイアーバードEX」は、ビッグ終了後90秒間のウェイトという「謎機能」で名を馳せた(落とした?)が、後継機はどの店でも大人気であった。


今思えば、名機揃いの2号機や裏モノ3号機時代に、ノーマルのセンチュリー21があれほど大ヒットした理由は、上述の甘いボーナス確率の他にも、いろいろと考えられるのではないか。


①巨大な7絵柄

当時のパチスロは現在とは違い、絵柄が非常に小さいタイプが多かった。しかし、センチュリーは、リール枠からはみ出るほどワイドな7絵柄を採用し、打つ者すべてに強いインパクトを与えた。センチュリー以後、「巨大な赤7絵柄」はユニバーサル系の代名詞とも呼べる存在となった。

但し、スロゲーセンで久々にコイツの7を見た時は、「何か昔より7が縮んで見えるな」感じたのも事実である。4号機、5号機の大きな絵柄に慣れてしまうと、ユニバの7も案外小さく感じた。


②わかりやすいリーチ目

複雑な出目を一切排除し、「7絵柄が左・中リールでテンパイすればOK」という単純明快なゲーム性が、特に初心者に大変分かり易かった。基本的には、上段・右下がり・中段・右上がりのテンパイ形はすべてOK。

(左プラム付7からの上段・右下がりテンパイは鉄板。「プナテン」と呼ばれた。)

但し、左リール「7・リンゴ・ピエロ」からのテンパイ形だけは弱く、中リールのスベリを伴わない場合は原則としてNG。例外的に、中リールに切れ目でない方の7が右下がりにテンパイすれば鉄板。また、下段の7テンパイはチェリー取りこぼしでも出現するので、ガセ目となることが多かった。


③右リールを押すまでどのボーナスか分からない期待感

「7・7・7」をビッグボーナス、「7・7・ピエロ」をレギュラーボーナスとすることによって、最後のリールを止めるまで、ビッグかオバケか分からないドキドキ感が生まれ、よりいっそう打ち手を楽しませてくれた。これは、今のジャグラー世代にも受け入れられるゲーム性だろう。


ちなみに、このピエロ絵柄はジャグラーよりも前に採用されており、センチュリーが「元祖ピエロ台」との印象が強い。しかし、北電子からは、遥か昔の0号機時代に「モンスターpart3」という機種が出ており、台のパネルにはピエロの絵が描かれている。したがって、「ピエロの本家は北電子」ということになろう。


④天井の存在

ビッグボーナス間で1024ゲームハマると、強制的にビッグボーナスが成立するという天井が存在した。完全確率機の天井とは少々おかしな気もするが、打ち手にはありがたいシステムだった。途中でオバケを挟んでもOKだが、天井ゲームでは3枚掛けであることが条件(1枚掛けだとREGもある)。この当時は、ゲーム数を表示するデータ機器が存在しなかったので、どの台がハマッているかを注意して見ることが、天井ハイエナのコツだったといえよう。


⑤ハマリ救済システムの採用

上記の天井の他にも、ビッグ後529ゲームを過ぎると、乱数の巧みな操作によりボーナスが高確率になる、打ち手に優しい機能があった。具体的には、529ゲーム消化以降は、「33ゲーム周期」で4つの異なる高確率ゾーン(A~D)を循環するようになる。特にDゾーンはビッグボーナス確率が1/64(全設定共通)という天国状態だが、これはビッグ後「695~728ゲーム」と「895~928ゲーム」の2箇所のみのプレミアゾーンだった。当時、データ機もない時代に、このゲーム数を狙い打つことは事実上不可能だったのだが・・・。


⑥小役回収システムの採用

センチュリーには、取りこぼしのない15枚役(プラム・ベル)と取りこぼす役(チェリー、リンゴ、オレンジ、ピエロ)があったが、チェリーなどは取りこぼしても一旦フラグが貯留され、後から回収することが可能だった。これも打ち手には親切な設計だったといえる。ただし、貯留された小役フラグは、ボーナスが成立すると全て消滅してしまうため、通常時に毎プレイチェリーを狙う打ち方が、上級者の間では行われていた。

⑦ビッグボーナス中の小役抜き

ビッグ中に変則打ち(逆押し)を行う事で、通常よりも20枚以上多くコインを獲得する事が可能。但し、目押しレベルはかなり高い。


このように、打ち手を満足させる多くの特性を備えていたセンチュリー21。派手な連チャン性もなく、ごくごく普通の出方をするノーマル機にもかかわらず、ホールでは主力機種として長く設置された。しかし1991年、突如世を賑わした一つの攻略法により、その運命は大きく変わることとなった。


それが、後世にも語り継がれることとなった「21世紀世界全滅打法」と呼ばれるセット打法だ。通常時、一枚掛けで精算ボタンを押しっぱなしの状態でレバーを叩き、ボーナス絵柄を中段以外にテンパイさせる。そしてコインを2枚追加投入すると、何故か3枚掛けのラインが有効になり、残りのリールを目押しするとボーナスが揃ってしまうというものであった。センチュリーの他、リバティベル3&4、アメリカーナマグナム及びロックンロールのユニバーサル系5機種に通用した。


この攻略法の効果はあまりにも絶大で、これで家一軒建てた輩がいるとかいないとか・・・。また、ヤ○ザ絡みのトラブルにより東京湾に沈められたなんて、物騒な話題もあがったりした。私も当時、この攻略法を使っているプロを登戸駅近くのパチ屋でみかけたことがあるが(機種はベル3)、横目で追っても正確な手順が良く分からなくて、実際に試すことはできなかった。あれがもし解明できていれば、一体どれほど儲かったやら・・・。


結局、最後は精算ボタンに対策が施されて、この攻略法もあっけなく終焉を迎えた。しかし、この事件が発端となり、以後ユニバ系のリール制御はガラリと変わり、センチュリーのような「単純明快なリーチ目台」は登場しなくなった。やはり事件の印象が悪すぎて、こういったタイプの機種を作ることにはメーカーとして大きな抵抗があるのだろうか。

もしも、5号機でセンチュリーのリール制御を踏襲したリメイク機が出たならば、ジャグラーとは違う単純明快さが幅広い層から支持を受け、結構な人気が出るような気もするのだが・・・単なる妄想かもしれない。