こんな朝方に荷物整理していたらかつてプロデュースした11PMの台本が出てきた。
11PMをやっていたというとほぼ全員があの軟派のイメージを持たれているみたいですが実は11PM史上最も硬派の番組(当時は大阪のスタッフから相当言われた)をやってしまったんです。天草の荒れ果てた元みかん山20ヘクタールを開墾して共同農場を作りはじめた青年たちに密着して1年。全国各地からやってきた若者たちと地元農協や営農組合との葛藤などを通してどのように実現していくのかを追った。
水俣病の患者さんの裁判などを支援しながら有機農業や手作り仕事を身につけていく生活学校の若者たち、自分たちの生活の一部が原因企業チッソにも支えられていることを自覚するところから現代生活の実態を学んでいました。阿蘇の乗馬牧場で新しい観光ツーリズムを開発する青年たちを徹底的に取材した番組ではありました。
軽薄短小がもてはやされた時代でしたが大地でワイルドに生きる人達に共感し、焦点を当てました。ガツンガツンと手応えのある出演者ばかりで司会の藤本義一さんも大変だったでしょうが楽しんでおられました。台本の最後のコーナーに「新しい価値観の創造」としっかり書いています。この日の番組のテーマでした。自分にとってはしっかり今につながる番組でした。