見出し画像

岸本晃の住民プロデューサーNEWS

起業の基本は「自分でやる」

九州は東峰村、兵庫は佐用町にて住民ディレクターによる地域づくりの日常的な活動が見えてきました。ここにきて両地域の動きをよく見ると継続の秘訣や具体化の背景にはやはり本音の話し合いが何度も何度もあったということに尽きます。佐用では行政、民間ともに代表するリーダーがおられますので1年間で民と官の文化の違いがはっきりと浮き彫りになってきました。恐らくここの1年間はほかの地域の3年に相当するぐらいガンガンやってきました。わたしはというと官とも民ともガンガンやりますので、ある意味ここは非常に生きやすい地域です。

いろんな地域での実戦経験からの話ですが、行政の人間の文化は20年あまりやってきた仕事を通じてよくわかっています。しかし、それでも不可能を可能にしなければいけないのは「住民の声」があるからです。しかし住民の声にも色々ありますから本当に聞くべき声を見逃さないということだと考えます。民とのガチンコはやはりその主張が住民全体に共通するものになっていけるかどうかのビジョンの共有にあると考えます。個性は大事ですし、個性があるからこそ出来る事業ばかりですが、その延長線上に住民全体への広がりがみえるかどうか。本人にはみえても周囲に見えないものは「無い」と同然です。でもその主張やビジョンに間違いがないことが多いのです。じゃあどうするか?答えは「自分で実現する」です。これは決して無責任に言ってるのではありません。自分がそうして来たので苦労もわかるし、周囲から理解されずになおかつ高いリスクを抱えてやることのしんどさもよくわかっています。しかし、それ以外に道はなし、です。嫌ならば御託を並べて言い訳や誰かのせいにして自分がやれないことを正当化しないことです。

できないのは自分です。

行政がやってくれないのでも、仲間がやる気になってくれないのでもなく本人がやれないのです。
テレビ局にいた頃、この闘いの明け暮れでした。局の中で提案していくら議論しても先が見えない会議があまりにも多かったのです。その頃は毎夜熊本のネオン街に繰り出して大騒ぎをしていました。馬鹿騒ぎをしても何も解決はしないことも明らかでしたが、発散できなかったのでしょう。人から聞かれると会社が悪い、上司が悪い、しまいには後輩や家族までもが悪者に見えて来た頃がありました。
ある時、冷静に考えてみたらわかりました。「できない自分がいる」と。これぐらいの環境でできないと嘆いている自分の小ささに気づき、この状況を動かす力をつければいいのだと理解したのです。以前とは違う98市町村の歩き方がはじまりました。

どんな状況でもここをわかり、ここを抜け出す力があるかないか、が本当にみんなから信頼されるリーダーの条件だと感じます。仕事でいうと起業家の条件です。
誰かのせいにするのは簡単ですがもったいないのは自分自身の実力を正当に評価できないことです。わかれば次に向かえるのに自ら可能性を断ち切っていきます。

一方で東峰村から閃くのは行政マンのサポート姿勢と継続システムへのこだわりです。3000人の村だからこその穏やかな日常はあります。しかし、普通ならその日常に特に若い人の向上心や新参者の新しい文化が消されていくのが常です。これも多くの地域での実戦経験からですが、行政のサポート姿勢は一番大事です。最初にはじめた熊本県人吉球磨広域行政組合では、3年間行政マンの住民ディレクター講座を組むという飛んでもない事業が実現したのです。住民ディレクターの精神を理解する行政マンが各市長村に3人いれば住民が動く時に確実にサポートできることを見越しての事業でした。見事に予想通りに行ったとおもいます。4年目から住民の住民ディレクター講座をはじめると行政マンがカメラや編集のお世話をし、企画会議のサポートをする態勢が自然と出来ました。今はどうか・・・、わかりません。が、いえるのは4年目以降に民間が育ち、自主的にやる人が出て来てその時にどうしていったかです。

「自分でやる」が基本です。

その先に行政や企業、NPOと組めるところがあれば組む。理念を共有できないと利益だけで考えてもいずれアウトです。大中小を問わず世界中の企業や組織が証明してくれているのが現代です。

かといって小さくなり過ぎないことも大事だと感じます。自分だけでやれることをやる、というのと「自分でやる」と表現していることは違います。基本は「自分がやる」そして生き方(理念)が合うならそれはきっと世界中に出会いを待ってくれている人がいるはずです。いや、実際います。生き方が合わないといくら積み上げてもいずれは砂上の楼閣なのです。早くわかるとよりいい方向にエネルギーを使えるはずです。お付き合いでやる仕事ほど無駄なことはないと考えています。依頼が来たら必ず依頼主の主旨やビジョン、継続してやる気ではじまるのか、などしつこくお聞きして伺うというプリズム独自のスタイルの基本はこういうところにあります。お互いの時間を尊重するからです。依頼主の呼びかけで講座や講演に来てくださる方々の気持ちや時間を考えるといい加減な話しには乗れないですからね。やるからには未来に生かされる創造的な動きを望みます。

写真は高句麗の城跡にて(中国集安5/13) 撮影:いだきしん氏

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事