岸本晃の住民プロデューサーNEWS

東北行脚(3)身体、内面の世界は。

 兵庫県佐用町での久保さんをはじめ被災地の行政マンという立場にある方々の何とも言えぬ独特の郷土愛、責任感、住民への気遣い、いつも自分のことを最後にする生きる姿勢、・・・このように生きる行政マンに今回の東北行脚では数多く出会いました。「それが仕事だから当たり前だ」、と簡単に言ってはならない程一部の行政マンの方々は慎ましやかで住民のためにひたすら働いておられます。

 それが全ての行政マンの生きる姿勢ならなるほど日本はあっという間によくなるでしょう。が、同じ歩調で住民の一人一人もそのような気概で生きていかないとアンバランスで、結局全体としては一部の真を尽くす行政マンと住民だけが多くの負担を担ってがんばる今までの日本を超えられません。この構図は何も被災地だけのことではなく東峰村だってどこの地域だって同じです。あのような想像を絶する事態が起こった時、はっきりと可視化されるのですが平和ぼけの状態ではよく見えません。

 それにしても現地では想像を絶する疲労感が身体中に蔓延する感じがあります。それは身体を通して伝わってくるのですが、ある一線を超えて生き切った方々には神々しい何かがあります。その方々のパワーが被災地の新しい復興であり、創造につながる地域のあり方を形づくっていくと感じます。お顔に出ています。もう嘘はつけません、全部顔に出てしまうのです。同じく支援する側もきっと同じ状態であり、そういうお互いの出会いが新しい創造的なまちづくりをすすめていく力となると感じます。生き生きと淡々と余計なことには振り回されず芯に向かうように動いていくことしかやることはありません。


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