
高麗さんと高句麗のことを身近に色々と伺ったり、高句麗伝説のステージスタッフとなり中継カメラを担当したり、高句麗のルーツを辿る旅に同行させていただいているうちに、高麗さんとは全くレベルが違いますが、確実に自分自身のルーツに興味を持っていきました。ずっと不思議に感じていたのは、兵庫の加古川に生まれ育ったわたしが、山口、大分、熊本を経て何故人吉、山江村に行くことになったか、です。わたしの親族一同は神戸周辺にしかいなくて九州には全く親戚もないし勿論山口もそうでした。勿論大学に行ってその関係でという話しはいっぱいありますが、山口からまたまた全く関係なく大分の別府温泉に飛ぶのです。しかもまたまたそれまでインスタントカメラさえもったことがなかったわたしが熊本のテレビ局に入ってしまうので、何度も書いてますが、このあたりの動きは我ながら不思議です。
テレビ局に入ってからは九州の人になるのかなあ、とぼんやりと考えてはいましたが、いつも自分の行動基準は「どう生きるか」です。子どもの頃からこの疑問に対する答えはずっと求めてきたといえます。小中学校の国語の教科書で宮沢賢治や太宰治など(だったと記憶していますが・・)から人は何故生まれ、どう生きるのか?という基本的な疑問を知らされたように覚えています。そのときの感じは、「本当に人は何故生まれれるんだろう?どうやって生きていくのだろう?」という感じが自分の中でピタっときていました。それ以降、ずっとこの「?」はありました。青臭いといわれながらもこの「?」については若い頃はわけのわからないへ理屈をこねくり回していた時期があります。しかし本を読んで解いていくよりは世の中に出て行って、周囲の大人から学ぶ方法のほうが合っていました。頭より身体で覚えるタイプでした。曲がりなりにも大学に入ってからは理屈がうるさいほど強い人達が多いのでさすがに劣等感もあって慌てて本を読みはじめました。ほとんど上っ面だけを目で追っているような読書でしたが、どういうわけか批評の神様といわれた小林秀雄さんが入り口となって、中原中也、トルストイ、ドストエフスキーなどへ入っていきました。
しかし「人は何故生まれ、どう生きるか」、はずっとありました。この疑問から外れはじめたのが熊本のテレビ局に入り、記者やディレクターの立場を利用して様々な変人?を追っかけ続けていた頃です。熊本に来る変わった人は、有名無名を問わずすぐに取材対象としていました。しばらく追っかけてはその方の生き様をつぶさに学んでいました。学者、活動家、文学者、芸能人、評論家、芸術家、農家、林業家、酪農家、放浪の詩人などなど。しかしテレビ局に入ったのが30歳直前で、そういうことを教えてもらえそうな人々の取材も結構こなし、結局途中であきらめになり、「人は何故生まれ、どう生きるか」を真剣にずっと考え生きている人はどうもこの世にはいないのではないか、・・・、と考えはじめていました。
そうするとだんだんいい年をして真面目にこんなことを考えるのはやはりみんながいうようにおかしいのかもしれない、と考えはじめたのです。ちょうど時代は大量消費時代で、ものを大事に使ったり無駄を省くことなどとは全く反対の生き方がもてはやされる時代でしたから、あっという間に染まるのも早かったんですね。しかも自分がいるテレビ局はその時代をあおっている張本人でした。そのど真ん中にいました。
変な話ですが、こんな話しをすることが肩身の狭い時期がありました。やはり「青臭い奴」という大人の目です。とは言ってもその頃はわたしよりはるかに若い連中が大人の立場で言ってるのですから、始末に負えません。しかし、この課題をぬぐい去れないことはからだが一番知っていました。無視してただ仕事をしているとストレスがたまり、頭が回らなくなり身体が動かなくなっていました。実際、2度ほどダウンしてしまい局には随分ご迷惑をかけてしまったこともありました。わたしの話しはテレビ局に注文が多いのですがこの時は本当によくサポートしていただきました。感謝しています。
そうこうしているうちに昭和天皇崩御となり、ちょうどこの前後に高麗恵子さん、いだきしん氏との出会いがあります。「人は何故生まれ、どう生きるか」の疑問をずっと追い求めておられるお二人との出会いでした。消えそうになっていた疑問に大きな灯がともり、いつしか野火の如く燃え盛っていきました。
下記はお二人に関するイベント情報です。関心ある方は prism.k@nifty.com 岸本まで。
6/23 いだきしんコンサート
http://www.idaki.co.jp/idakishinConcert/index.html
高麗恵子講演会日程 (6/9~)
http://www.keikokoma.com/pg706.html
ポータルサイト
http://www.idaki.co.jp/
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