龍馬伝の最終回は何とか地デジ対応テレビ&東峰ケーブルテレビ対応が間に合ったのでゆっくり見ました。飛び飛びでしか見てなかったのですがシナリオライター、監督の演出意図が最終回ではっきりとしていたのですっきりした終わり方ではあったとおもいます。
正確には覚えてないですが誰かの詩(うた)で「自分のことを知っているのは自分しかいない」という意味の詩を龍馬が口ずさんでいましたがまさにあの詩が龍馬の生き様だった(このドラマ上では)と感じます。天下国家を論じ、国のカタチを変えるということは「生まれ持った自分の資質をこの世の中で活かすことにこそある」と考えた結果だったのだろうとおもいます。
前半は泣き虫だったけれど剣術には卓越した才能があった龍馬自身が自分の生まれ持った本当の資質はなんだろうかい?と模索していた時期です。素晴らしい彼女に次々と出会ってもここがしっくりこないと恋には生きられません。千葉道場の跡継ぎというのは当時の世の中だったら誰もがうらやむような名声と安定がありしかもとっても魅力的な娘さんまでいるので普通は入り込んでしまいそうな好条件のオンパレードです。しかし・・・、龍馬にはストンと腑に落ちません。
自分自身はなんぞや?この世の中で何をするべきだろうかいの?と悶々として「次に」向かいます。尊王攘夷、薩長連合、大政奉還と次々と出てくるアイデアは天下国家の前に自分自身が資質を生かす環境が今の世の中にないことに気づいた龍馬自身が生きられる環境を創りはじめた結果です。上士、下士の差別、脱藩浪人の浮いた身分、海援隊と自分自身の存在証明のように次々と自らの落ち着く環境を創造します。
新政府のメンバー構成案に自らは入らず、○○○と書いたのは「身分年齢(男女も?)関係なく誰でもが入れる」と考えた龍馬の新政府の新しい環境が結局自らの生命を絶たれるという皮肉につながったわけですがドラマではまさに龍馬らしい最後になりました。生き切った人として描かれました。
龍馬にとっては新政府も天下国家も自らの資質を生かすという生き様のオマケのようなものとして出て来たカタチ、様式のようなものだったでしょう。現代に生きていればやはり奔走しているはずです。まだまだ環境はできていない、と。
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